妃事情
誤字修正しました(/・ω・)/
※変態出没注意
「あぁ・・・ユーリィ・・・くんくん・・・
ユーリィの匂い・・・ハァハァ・・・」
ディル、ミフェイ姉さん、ルディくん、カイくんを連れ立って、
ユーリィ姉さまとアレン義兄さまを探しに出てみれば、
案の定・・・ひと気のないところで・・・
早速本性を発揮していたとです。
「宗主国の城で何してるんですか、アレン義兄さま、ユーリィ姉さま」
私の声が聞こえると、今アレン義兄さまに
後ろから抱き着かれ、首筋の匂いをくんくん嗅がれていたユーリィ姉さまが、
あっけかんと私を見て、口を開きました。
「あら、メイリィ、こんなところでどうしたの?」
ごく普通に返してきたとです。
・・・これこそが・・・プロの変態調教師なのです。
さすがはユーリィ姉さまですね。
あと、ツェイロン王国城では堂々とその変態性を見せびらかしておりますが、
さすがに宗主国の城ではやめて欲しいものです。
とにかく、こちらはそうそうたる顔ぶれ。
誰かひとがやってきては困ります。
ひとまず、ディルに部屋を用意してもらいました。
「うん、メイリィとふたりっきりになりたい時のために、
部屋を借りておいてよかったな」
と、ディル。
え―――・・・っと、私はディルとふたりっきりになって、
一体何をされる予定だったのでしょうか。
何だか無性に気になりますが、無性に聞いてはいけない感じがしますね。
ひとまず、みんなでソファーに落ち着いたのですが・・・
「んん~~~っ♡あぁ・・・ユーリィ・・・♡愛してる・・・♡」
と、アレン義兄さまは、個室に誘導されたことを逆手に取り、
更にユーリィ姉さまへの変態をバージョンアップさせました。
ユーリィ姉さまを横向きにお膝抱っこして、
女神の神域に顔をうずめてくんくんしております。
・・・えぇと・・・私、ディル、ミフェイ姉さんはともかく、
カイくんとルディくんにこれを見せていいのでしょうか。
・・・悩むところですね。
とにかく、もうちょっとソフトな感じにしてもらわねば・・・と、
立ち上がろうと腰を浮かせたら、
何故か横から腰をかすめ取られ、
気が付いたら、顔の横にディルのイケメン顔がありました。
はぇ・・・?
私は何故かディルのお膝の上に横抱きにされ、
そしてディルが私の腰を抱き、そして私の女神の神域に・・・
むぎゃ―――――・・・っっ!!!
「ダメダメ!ディルダメええええぇぇぇぇ―――――っっ!!!
あれはマネしちゃだめです―――――っっ!!!」
「だが・・・」
ディルは私の顔を見た後、アレン義兄さまたちをみやります。
張り合ってどうしますか。
「皇太子殿下」
その時、アレン義兄さまが女神の神域から顔を上げて、
ディルをまっすぐに見つめました。
「・・・ランディアの王太子殿・・・
メイリィはいずれ我が妃となる。
やがては義理の兄となられよう。
どうか、私のことは義弟として・・・“ディラン”と」
「・・・っ!!わかった、ではディラン殿、
私のことは、“アレン”とお呼びください」
「あぁ、アレン殿!」
・・・何でしょう・・・?
何だかここに、何かの協定を結んだ
王太子&皇太子がいるんですが・・・
「ひとまず、アレン義兄さま。先ほどのミフェイ姉さんへの挨拶の件ですが・・・」
ディルのお膝から強制的に降りると、ディルがものすごい悲しい顔をして、
再び私の腰に抱き着こうとしております。
や・・・やめてくださいよ・・・
何故か張り合うようにルディくんがミフェイ姉さんの隣に座っていました。
カイくんが困っていたようなので、こちらに呼んで、
お姉さんのお膝の上にでも・・・と思ったのですが、
ディルがぱあぁぁっと、仏頂面を輝かせ、
カイくんをささっと横向きにお膝抱っこしました。
うん、いつものイケメンすぎる仏頂面ですが、
何だか満足そうですし、カイくんもちょっと嬉しそうです。
こういうところは、仲良し兄弟ですね、全く。
「まぁ・・・ウチの王室も気にしているということだ」
「いくら・・・そこら辺の事情があったって・・・
ミフェイ姉さんのお母さまがお城を出て、
せっかく再婚して幸せに暮らしていたのに・・・
いきなりミフェイ姉さんだけ城に上げて、
ルディくんは置いて行け・・・と、
迫るのはいくら何でも非常識です。
それも、国境を越えてまで、ツェイロンにやってきたのでしょう?
その上、竜帝国に婚約者として引き渡して・・・
ミフェイ姉さんも、大変だったんですから」
「あぁ・・・それね。まぁ、当時は色々と事情があってね。
まず、王太后が激怒して、彼女の母親を城に上げることを拒否して、
離宮を与えたけど、その上逃亡しちゃったでしょ?」
「やむを得ぬ事情があったのです。逃げなきゃいけない」
「そこら辺の事情は、まぁいろいろあるだろうけど・・・
ウチもなかなかにヤバくてね。
父はそんな祖父に、祖母と一緒に激怒するし、
ウチの弟たちも荒れるし、親戚からもいろいろあって・・・
ウチの母は一夫多妻制の獣人族の王国出身だったから、
別に構わないし、王家の血を引いているのなら保護するべきって
考えだったんだよ・・・」
そう言えば・・・アレン義兄さまのお母さまは、異国の方でしたね。
それも・・・銀色の目・・・
「ひょっとして、ソシエさまの祖国の?」
「正解。ソシエ妃の祖国・ソレイシア王国。
竜帝国の中には、獣人族の王国がふたつあるから。
当代竜帝陛下の妃が、ソレイシア王国から嫁いでいるからね。
だから、ディラン殿の婚約者は、
自ずとランディアのから出すことになっていた。
もし、こちらが出せなければ、2代続けてソレイシア王国から
妃が輩出されてしまう・・・だから、ウチの王侯貴族が焦ったんだ。
残念なことに、ウチの王家、姫がいなくてね」
そう言えば、そちらは男4兄弟でしたね。
「公爵家から出してもいいんだけど、
それだとソレイシア王国に姫がいるから、
そちらの方が妥当と判断される恐れがあった。
更には、現在竜帝陛下の隣に常にいらっしゃるのは、
他でもない、ソシエ妃だ」
まぁ、現在竜帝陛下の妃にはいろいろあって、
現在はソシエさまとユリアナさまの
お2人しかいらっしゃらないのですが・・・
ユリアナさまのご事情もあって、
ソシエさまが現在、竜帝陛下の妃として、
表舞台にたっているのです。
政略的な問題では、そのことは関係ありません。
あくまでも加味されるのは、竜帝陛下の妃として、
陛下のお隣にいらっしゃるのが、
ソレイシア王国王家出身のソシエさまと言う事実です。
「だから、ウチの国はウチとして、
どうしても祖父の血を引くミフェイ殿を、
妃として引き渡さなきゃならなかった。
だから最初にご落胤が姫であることがわかった時、
政略的な意味では使えると考えられた。
だからこそ、義理の家族と引き離し、
ミフェイ殿だけでも囲おうとしたんだね。
だから、あんなに渋っていた、
輿入れの際、弟君の同行も竜帝国側に任せたんだ」
「だからって、散々冷遇しておいて、
都合のいい時だけ利用するなんて・・・あんまりです」
「・・・そうだね。メイリィはそう言うのを見てこなかったから」
そう言うと、アレン義兄さまは少し寂しそうな表情をしていました。
「だけど、ウチの・・・母の従姉妹がソシエ妃でね」
「え・・・」
どちらも王家の方のはずですが、まさかの従姉妹・・・
「それに、仲も良好だ。だから、ミフェイさまに何かあっても、
ソシエ妃に守ってほしいと、母が頼んでいた」
「・・・ソシエさまには、本当によくしていただきました・・・
私の・・・弟のことも含めて・・・」
なんと・・・まさかのアレン義兄さまのお母上が
ソシエさまに頼んでいらしたのですね。
それで最初の頃は、ミフェイさまだけ別に、
ソシエさまがついていらしたのでしょう。
「それはよかった。母も喜ぶだろう。
先ほどの父からの伝言の件ですが」
「はい」
ミフェイ姉さんとしても、私たちも、ちょっと思うところがあります。
「父は、宗主国に皇太子妃を輩出した属国の王として、
その言葉を寄越しましたが・・・
母に知られれば、恐らく父は物凄く怒られますね」
「え・・・」
ミフェイ姉さんが呆然としています。
あぁ・・・アレン義兄さまのお母さま・・・
ランディア王国妃殿下は・・・お強いですから。
・・・いろんな意味で。
・・・いろんなソシエさまを見ていると、
つくづくそう実感いたします。
何故かディルも頷いております。
やっぱり、一番最強なのは、
猫耳しっぽ萌えなんでしょうかね。
あ・・・もちろん狐耳しっぽも、もっふぃも大好きですが・・・
裏ボスを上げるとしたら、やっぱりソシエさま・・・
いえ・・・ソシにゃん以外はあり得ません。
「大丈夫です。今回の件で、メイリィも怒っていたと知れば、
母も怒るでしょうし・・・」
「ウチの母さまも激怒するわよ」
と、ユーリィ姉さま。
あぁ・・・ウチの母さまとも、仲良かったっけ~。
「また、ディラン殿から依頼のあった、
ミフェイさまへの過度な接触を謀ったり、
強行手段に出た者たちは、みな処罰を与えております」
「・・・ディランさま・・・いつの間に・・・」
ミフェイ姉さんが驚いてディルを見やります。
「・・・それがメイリィの望みだったから」
そりゃぁ・・・ミフェイ姉さんのことを、
もっと見てあげて欲しいとは言いましたが・・・
「ここは、ミフェイ姉さんのためだ、くらい言ってください」
「それがディランさまですから」
と、ミフェイ姉さん。
私たちは顔を合わせて苦笑しました。
「メイリィ」
ユーリィ姉さまが私の名を呼びました。
「帝国の未来の皇太子妃になるだなんて・・・ちょっと心配だったけど・・・
ふふ、なかなかいい仲間や婚約者殿に恵まれたわね」
「まぁ・・・そうですね」
「ウチにいた頃と変わらないわね」
それ、どう言う意味ですかね・・・?
「ディランさま」
ユーリィ姉さまがディルの名を呼びます。
“皇太子殿下”と呼ばないところを見ると、
結構親しい間柄なのですね。
「メイリィとミフェイさまを、どうぞよろしくお願いします」
「え・・・私も・・・ですか?」
「だって、私の祖国から旅立った次期皇太子妃ですもの」
と、ユーリィ姉さまが微笑まれます。
「ランディアとしても・・・ツェイロンとランディア両方の祖国を持つ姫、
いつかあなたにランディアも故国と思っていただけるよう、我々も力を尽くしましょう」
「・・・殿下」
「何かあれば、いつでもご相談ください。
私でも、ユーリィでも、母も必ず力になります」
「・・・はい、ありがとう・・・ございます」
本当に・・・ミフェイ姉さんがいつか・・・
ランディアも故国だと思える日が・・・来ればいいな・・・と思います。
将来、アレン義兄さまが治める国です・・・
中身は変態ですが、王太子の顔だけは立派なので、
いつかそんな国にしてくださるような気がします。




