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皇太子殿下の晩餐会と、、、


「そう言えば、ミフェイ姉さん」


「どうしたの?メイリィ」


「ミフェイ姉さんの戸籍の問題って、結局どうなったの?」


「それが私も、聞いてなくって」


「ちょっと、ディル」


「あぁ・・・何か、戸籍をいじったのは、竜帝である父以外は考えられないと思うな」


「どうして、竜帝陛下が?」


「考えられるとすれば・・・シャクヤ王の入れ知恵くらいか・・・

ウチの父が素直に言うことを聞くのは、あの方くらいだ」


「号泣なさるほどですものね・・・何気に父さま、最強っすか」


「そうですよ。だからディランさま、油断しないでください」


「間違っても怒らせて号泣してはいけませんわ」


「そんなことはしない」


「さすがに父さまがディルを号泣させたら、

母さまにチクるので大丈夫ですよ」


「なら、安心ね」


「何気にメイリィ姉上って、最強じゃない?」

え、そうですかね、ルゼくん。


『最強は双子萌えだよ?』

と、キーシャくんとたまが息ぴったりに言います。


『ぐはっ』

案の定、ルゼくんとアナを骨抜きにしました。


「それで、話を戻しますけど・・・結局戸籍はどうしたんですか?」


「あぁ・・・ミフェイは竜帝国籍になる予定だが、ルディと共に、

ツェイロンに戻した。ランディアの王族の血を引いていることには変わりない。

もう危機が去ったのだから、ツェイロンでいいだろう」


「では、ミフェイ姉さんとは同郷ってことになりますね!嬉しいです!」


「メイリィ・・・私もよ」


「・・・メイリィ」


「何ですか?ディル」


「私にも、微笑んでくれ。ミフェイへ微笑んだ秒の2倍」


「何しょうもないこと要求してんですか」


「メイリィの微笑みを、俺が一番多く所有していたい」


「所有物じゃないですよ、微笑みは」

全くディルったら・・・ここは、母さま直伝のにこーっを差し上げます。


ビクッ


何故かディルがびくつきましたが、

その後厚い抱擁をされたとです。

何故か震えてました。

何か恐いことでも思い出したのでしょうか?

ただの笑顔ですのにね。おかしいですね。


「ねぇ、ディラン兄上、そこの春巻きください」

と、カイくんが言うと、ディルが取り分けて渡してあげます。

こういうの微笑ましいですよね。


「ほら、ルゥ」

そう言って、ディルはカイくんに皿を渡します。


「あの・・・ディル?」


「何だ?」


「何でカイくんが、“ルゥ”・・・なんですか?」


「それは私も思っていました」

と、シア。


「あ、俺もです」

えええぇぇっ!?同じ兄弟のレオくんまで!?


「カイと言えば・・・“ルゥ”だろう」


「そんな定義、聞いたことがありませんわ」

と、アナ。

どうやら竜族の習性や習慣とは関係ないようです。


「・・・だが、ソシエ妃が言っていた。ソシエ妃が言うのなら、間違いない」


「ディルの物凄いソシエさまへの信頼感は感じますが・・・何故・・・?」


「ねぇ、メイリィ姉上」

と、渦中のカイくんが口を開きます。


「カイくんは、どうしてか知っているのですか?」


「母上が、適当に候補を上げて、兄上が選んだんだよ。

なんか・・・弟に愛称つけたくて聞かなかったらしくって」


「あの・・・ディル・・・レオくんの件でも思いましたが・・・

若干、弟殿下たちに対する接し方が、ずれている気がします」


「イザナさまとユリアナさまにも聞いたのだけど」

と、ここでシアが加勢してくれました。


「昔・・・イザナさまにも愛称呼びをしつこく迫って、

イザナさまに怒られたって、話を聞いたことがあるのですが」


「あぁ・・・それ以来、ソシエ妃に説得されてな・・・

愛称がない場合は、そのまま呼ぶことにした」

せめて、カイくんの前に説得してほしかったです、ソシエさま。


「カイくんはいいの?」

と、ミフェイ姉さん。


「俺は別にいいよ?何か、特別・・・みたいじゃん」

と、ちょっと照れちゃうカイくんはやっぱりかわいいですね。

その時、だんっとテーブルに両手をついて、

ルゼくんが立ち上がります。


「兄上の特別は・・・俺ぇ~~~っ、えぐっ、ぐすっ」

こ・・・このパターンは・・・っ


「お酒・・・お酒飲んだんですか!?ルゼくん!」


「今日は週末ではないから、お酒は出ないはずですわ!?」

と、アナも血相を変えます。

ひとまず、ディルが抱きしめ、頭をぽんぽんと叩き、

あやしてあげています。


「ソシエ妃には、このように昔から、

いろいろななでなで、弟溺愛法を学んだのだ」


そ・・・ソシエさま―――。

ディルのブラコンが予想外な方向にそれたのは、

ソシエさまの影響もありそうですが・・・

ディルも幼少期に色々な葛藤があったはずです。

そんな中で、信頼を寄せられる大人として、

ソシエさまがいてくださったことは、とても感謝しています。


「因みに、ルゼ兄上との晩餐会での会話集の台本も母上が作ってて、

俺、練習相手にされたんだ~」


あの・・・ルゼくんの異常なヤンデレブラコンに対する反応も・・・

まさかソシエさま仕込みだと言うの・・・っ!!?


「あのね、たまに父上がしゃべる内容も、台本作ってるんだって。ユリアナさまと」


「えぇっ!?」

レオくんがすっごく驚いております。

つか、私も驚いております。

もしかしたら、私たちとの会話も、

ソシエさまとユリアナさまのお力添えあってのことなのかもしれません。

夫婦三人四脚って感じですね。


「と言うか、お酒ですわ!どうしてお酒がないのに、

ルゼくんが泣き上戸になっているのです!?」

あ、そうでした。アナが肝心なところを突いてくれたとです。


「だってディルおにーちゃん、るぜお兄ちゃんかわいい」

「泣き上戸お兄ちゃんかわいい。もっと愛でたい」


ぐはっ


かわいい双子萌えの使徒・キーシャくんとたまがそう言って、

泣きじゃくるルゼくんに縋りつきます。

でも・・・手に持ってる酒瓶はディルが没収しました。


『わーん』

と、手を伸ばしてくる双子。その姿だけはかわいいです。

ですが・・・


「大好きなもっふぃになら、こうやって、泣いて甘えちゃうかもですよ」

と、ひと言。ダメもとですが、

もっふぃ好きとしては、一応提案しとくのです。


『うん、もっふぃ責めする―――っ♡♡♡♡♡♡♡』

わっふぅ・・・そりゃ・・・

幸せ過ぎて泣くでしょうな。

うん。


とりま、納得していただいたところで・・・


「皇太子殿下ぁ――――っ!!!竜帝陛下が・・・竜帝陛下がぁ―――っ!!!」


あぁ・・・女官さんたちが駆け込んできましたよ。

案の定・・・このパターンですか。

再び、キャロルたち給仕班、カイくんにルゼくんを任せ、

みんなでお隣にお邪魔したとです。


そして本日はどんなシュラバが・・・


あれ・・・誰もいない・・・


「違います!現場は・・・後宮のサロンです!!」

女官さんが叫びます。

え・・・後宮のサロン・・・?


「・・・夫婦円満・・・ぐすっ、俺・・・夫婦円満・・・っ」


竜帝陛下は・・・一体何を仰っているのでしょうか。


「ほら、夫婦円満なんだから、泣かないの」

まともなシラフのユリアナさま・・・?

泣きじゃくる竜帝陛下のお隣で、

もぐもぐとくんさきを召し上がっていらっしゃいます。


「・・・夫婦円満・・・だから、

シャクヤ・・・嫌いにならない・・・?ぐすっ」


「そうですねぇ。大丈夫ですよ。

ほら、いい子いい子してあげますからねぇ~」

と、ディルの師匠・ソシエさまのなでなで。


そのもう一方の手では、モリモリとししゃもを食べまくっていらっしゃいます。


「・・・全く問題ないじゃないですか」

と、私がディルを見やります。


「あぁ・・・普通に、仲良くしてるな」

と、ディルも頷きます。


・・・しかし・・・


「・・・うぅ・・・私は・・・ししゃも・・・になりたい・・・えぐっ」

ししゃもになったら、ソシエさまにもぐもぐ食べられますよ!?


「私のぉ・・・妃に文句、あるのかにゃぁ~~~?」

何か猫みたいになってる竜帝陛下。


「ほら、あーしゃん、これでも食べなさいな」

と、ユリアナさまが、

竜帝陛下にイカの干物を丸ごともひもひ食べさせています。


「・・・もひもひ・・・にゃぁ~」

と言って、ソシエさまのお膝に寝っ転がる竜帝陛下。

え・・・いちゃラブっすか?


「ほら、あーしゃんの好きなおっさけぇ~っ♡♡♡♡♡♡♡

お代わりどぉぞ~~~~っ!!!」

と、ユリアナさまが竜帝陛下のお口に向けて、

直接酒瓶を傾けて・・・


『ぎゃああああああああぁぁぁぁ―――――っ!!!』

やっぱり飲まされていましたか。

あれでも天下の竜帝陛下なのですが・・・

私たちが急いで没収し、

3人をそれぞれ別室に退避させたのは、言うまでもありません。

結局、みんな酔っぱらってんじゃないですかぁ・・・。






明日からは通常の更新ペースに戻ります(/・ω・)/

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