第3妃と第4妃の結託
※現在より2年ほど前のお話なので、
時系列が合うように調節しました
※混乱させてしまい申し訳ありません<(_ _)>
他にも変なところがあれば、修正していきます(;´Д`)
竜帝と妃たちの晩餐会は、終始無言であった。
竜帝は基本的に話さず、ただ、黙々と食べている。
妃たちも最初はそれに合わせていた。
竜帝である彼が口を開かないのであれば、
彼女たちから口を開いて、彼に話しかける話題も何も、
・・・ないのだから。
しかし、ある時、醤油を取ろうとした第3妃と、第4妃の手が触れ合った。
「あ・・・ごめんなさい・・・第4妃さま」
「いえ・・・私こそ・・・第3妃さま」
ふたりは、まるで初めましてのような感覚で、言葉を交わした。
その日以来である。
彼女たち2人は、少しずつ会話をするようになった。
そして・・・晩餐会の後の、後宮では・・・
「だからっ!トラウマは虎と馬って何!?“じゃぁ、猫ならいいのか”って、
そう言う問題ちゃうわっ!」
「つか、私、エルフ族なんですけど!虎でも馬でもないわっ!」
後宮の侍女たちがドン引きするくらいの声量で、
後宮のサロンで酒を飲み交わす妃たちがいた。
「てか、私のこと・・・ありがとうね。代わりに・・・公の場に・・・ソシエ」
「あぁ・・・いいのいいのっ!
苦手なら無理して出ることないっしょ~、ユリアナ」
「うん、ちょっとひとごみって苦手で・・・」
「まぁ、いろいろあるもんねぇ~」
この頃、すっかり仲良くなったふたりは・・・
「・・・で、マジで夫婦円満やる気なの?あの竜帝陛下」
と、第3妃こと、ユリアナが真顔で問う。
「・・・絶対夫婦円満が何か理解してないでしょ。
一緒に食事とればOKって思ってるでしょ、あの竜帝陛下」
と、第4妃こと、ソシエが答える。
「今度の社交界はいつ?」
「ひとまず、シャクヤ陛下が出席なさる3週間後の夜会ね」
「リハでもやっとこっか」
「そうね。シャクヤ陛下に失礼がないようにしないと・・・」
最悪、穏便に過ごしてきた彼女たちの身が・・・危ない。
「あぁ・・・そうだ、ユリアナは、皇太子殿下にお会いしたことある?」
「あぁ・・・影からこっそり、一応息子に見せといたわ。
何か硬直してたけど。あの年で皇帝陛下似だものね。オーラも合わせて。
急に引き取って育てだしたのも、シャクヤ陛下に怒られたからって話よ」
「あぁ・・・何か号泣してたらしいわよ」
「え・・・あの万年仏頂面が?」
「うん、皇太子殿下から聞いたのよ」
「えええぇぇっ!?いつ!?後宮になんて・・・来たことあったかしら」
「あぁ・・・多分だけど、
ユリアナのところの子にも、すでに会いに行ってると思うわ」
「うそ・・・いつよ・・・」
「多分、見て硬直する前に、会ってるわね」
「気が付かなかったわ。何でソシエは会ったの?」
「何か・・・ウチの息子にいきなり意味不明な愛称を付けに来たのよね。
あと、なでなでをしたいとかで、結構来るわ」
「何?意味不明って・・・てか、なでなでって何?」
「・・・ルゥって呼んでる」
「・・・あなたのとこ、カイくんじゃなかった?」
「えぇ」
「何そのイミフ」
「うん、カイはカイで、愛称がないって言ったら、
譲らなくって・・・適当に提示した愛称っぽい名前から選ばせたの」
「え・・・マジで?う・・・ウケるんだけど」
「でしょ?あの子・・・だいぶずれてるわ」
「さすがは竜帝陛下のご子息ね」
「それ、私たちの息子もよ」
「あぁ、そうだったわ」
「あと、イザナくんの存在も、
ウチの息子に謎の愛称を付けた後に知ったようで、ずっと交流してるわ」
「え・・・あの子、将来はエルフ族王国に行くから、
結構小さい頃から宰相一家の元に留学に出してたんだけど・・・」
「ずっと文通しているんですって。
パーティーとかでは随分とかまってあげてるみたい」
「全然知らなかったわ」
「それでね、何か・・・怒られたみたいですすり泣いていたわ」
「・・・それ、竜帝陛下からの遺伝じゃないの」
「ね?そうでしょ?で、ウチの息子に“ルゥ”って無理矢理つけたもんだから、
それも怒られたみたいで・・・でも、息子は納得してるから、
そのまま“ルゥ”って呼ばせることにしたの」
「それ・・・鬼畜?優しさ?どっちよ」
「さぁ・・・?」
「あと、最近はよく、第2皇子のことも話すわ」
「あぁ・・・なんだかんだで、レオの方が年上なのに、
皇子の順番がずれて、第2皇子になっちゃった子?」
ユリアナは、静かに過ごしたかったので、
その決定が下った後も、特に何も進言せず、
新しく来た第2妃に絡まれないよう、ただ引き籠っていた。
「毎日、ずっとなでなでしてるらしいわ」
「ずっと?」
「仕事と勉強の時間以外は、ずっとよ。しかも無言で」
「マジで?」
「側近の子に、最近泣きつかれちゃって。
私、ぶっちゃけ相談係みたいになってるんだけど」
「何その謎の関係図。で、どうしたの?」
「食事でも一緒に取れば?って勧めたわ」
「私たちとおんなじね」
「一応、会話集を作って、渡しておいたの。カイを練習相手にさせて」
「あら、それじゃぁ、竜帝陛下よりは会話に困らなくなりそうだわ」
「私たちは・・・どうしようかしら」
「そうねぇ・・・」
「取り敢えず・・・夜会に向けて、台本作る?」
「そうしましょっか」
ユリアナとソシエは、酒を飲み交わしながら、
台本を作ることにした。




