兄上対策会議 その3
☆年齢は全話と同じです☆
「おい、貴様!」
その翌日から、第2皇子・イルゼことルゼは、
レオとカイの秘密の(ディル)兄上対策会議に顔を出すようになった。
「あ・・・えと、ルゼ兄上?」
カイがおどおどしながら、レオに抱き着く。
「あぁ・・・えと、イルゼ?」
「俺のことはルゼ兄上じゃないのか」
「いや、俺の方が年上だし」
と、レオ。
「んなっ!!?」
ルゼがショックを受けたように青い顔になる。
「では・・・貴様が俺の兄上になると言うのか!!」
「いや・・・別に“レオ”か“レオハルト”でいいけど」
「いいのか」
「うん」
ルゼがレオのことを“兄上”と呼べば生じる問題を、
レオは子どもながらよく理解していたため、それを強要することはなかったし、
それを避けるように誘導した。
「じゃぁ、レオハルト、ルゥ・・・だったか」
「いや、俺はカイ」
と、カイが本来の名を呼ぶ。
「ディル兄上はルゥって呼んでた」
「それは弟名。だからルゼ兄上なら呼んでも、
ディル兄上は怒らないと思うけどカイって呼んで」
これ以上、ツッコミ満載の事態になるのは避けたい。
それが、カイの切なる願いであった。
「じゃぁ、レオハルト、カイ」
「何だ?イルゼ」
レオハルトも、ルゼを本名で呼ぶ。
「・・・その・・・何で・・・昨日の俺の魔法・・・防いだの?」
ルゼは口を尖らせる。
「え・・・だって・・・その、魔法、訓練したことないのか?」
「してる!習ってる!いっつも全員倒してる!」
「全員って・・・?」
「ふんっ!かてーきょーしだ!そう言うのは全員・・・ねじ伏せる!」
※アルダの入れ知恵
「でも、それじゃぁ、不十分じゃないか?」
「どう言うことだ」
「俺の魔法って、魔法弓だから、
ただの力技なら、崩しやすいから」
「んな・・・っ!!」
ルゼは愕然とした表情になる。
「あの・・・母上に、魔法、習う?」
と、カイはちょっとびくびくしながらも、申し出る。
「・・・それで、お前に勝てるのか?」
ルゼはレオを睨む。
「それはわからないけど・・・少なくとも、ソシエさまなら、
ちゃんとした魔法を教えてくれるよ」
そう、レオに言われ・・・
ソシエに内緒で魔法の講義を受け、
そして将来ディルの騎士になるため、
カンフーも習っていたのは、秘密の話。




