神龍のおさんぽ
とことことこ・・・
その日、土の中から目覚めて、“ディルお兄ちゃん”に
引っ張り出され、暫く経ったある日。
いつもは空間魔法で生み出した場所で
もっふぃたちともふぃもふぃしながら過ごすのだが、
今日は特別な日だから。
ちょっとだけ・・・ちょっとだけ、お外に出てみた。
てけてけてけ・・・
神龍に捧げられたお神酒。
「ぼくに捧げられたものなんだから、飲んでもいいよね♡」
神龍・キーシャは、儀式が終わって、
誰もいなくなったその神聖な場所で、
神龍のために捧げられた、そのお神酒を口に含む。
「・・・なにこれ・・・まずい」
衝撃だった。
竜酒って、こんなにまずかったっけ。
ぐすっぐすっ
とぼとぼ歩いていると・・・
「もっふぃ~♡」
あ、迎えに来てくれたのか、もっふぃの声がした。
「ほ~ら、ポチ~、おいで~」
それと、もうひとり。
もっふぃの側で、そう言って手を叩いている、
金色の髪に、エメラルドグリーンの青年・・・
何だか、ピンク髪に狙われる宿命をかぶっていそうな・・・。
「もっふぃだよ?」
キーシャを見上げたその青年は、不思議そうな目をしてキーシャを見上げた。
「犬と言えば・・・ポチと言う名だと、自ずと決まっている!」
※決まっていません
「じゃぁ・・・もっふぃたちは・・・ポチ?」
「もちろんだっ!」
「なるほど!」
「因みに、ねこと言えば“たま”だ!」
「そうなんだ!お兄ちゃん、たくさん知ってるね!」
「あぁ・・・何せ・・・お兄ちゃんだからなっ!」
そう言うと、青年はキリっと王子さまスマイルを向けてくる。
「じゃぁ、知ってる?」
「ん?何をだい?」
「お神酒の竜酒がまずいの。
ぼくに・・・神龍にくれるお神酒なのに、まずいの」
「ん・・・神龍・・・?まぁ、いいか。こっちなら旨いと思うぞ」
と、傍らに置いた木製の、四角いコップを差し出してくる。
「んく・・・っ」
「どうだ?」
「これ、おいしい!どこで飲めるの?」
「あぁ、ディランたちが今、宴会場で飲んでいるやつだ。
あそこに行けば、たくさんもらえるぞ」
「・・・うんっ!!」
てけてけてけ・・・
いいことを聞いたキーシャは、
もっふぃを抱きかかえ、そしてこっそりと、
宴会に忍び込み、自身に捧げられた竜酒を味見して、
舌鼓をうつのだった。
「・・・ポチ・・・たま・・・」
「もっふぃ?」
「もっふぃたちの名前だよ、ポチ」
「もっふぃ!」
こうして、キーシャはもっふぃたちを、
全て“ポチ”と呼ぶようになった。




