金髪エメグリ眼とピンク髪宿命の戦い その1
メイリィ「あの、シンシャ兄さま」
シンシャ「何だい?メイリィ」
メイリィ「今回の語り手はシンシャ兄さまなのですね」
シンシャ「そうだよぉ~っ!メイリィ、かっわい~ぃな~ぁ♡」
メイリィ「一人称“お兄ちゃん”って・・・ちょっとキモイです」
シンシャ「がはぁっ!!」
※誤字修正しました<(_ _)>※
そう・・・これは・・・いわゆる・・・セオリーなのである。
お兄ちゃんがこの世界に転生し、
6歳の時に出会った5歳の少女は、“エイダ”と言った。
将来、お兄ちゃんがピンク髪に出会い、
褒められ伸ばされて、絆されて、恋して、きゃっきゃうふふと浮気し、
その挙句に婚約破棄を告げる・・・お兄ちゃんの・・・婚約者・・・!!
「あの・・・で、でんか?」
5歳の“エイダ”は、それはそれはもう、かわいかった。
苛烈さを感じさせる赤い髪、そして同じ色の炎のような赤い瞳。
将来はボンキュッボンの悪役令嬢に成長する。
そう、ボンキュッボンだ。
いや、それはどうでもいい・・・しかし・・・
彼女は、将来、お兄ちゃんとピンク髪の仲に嫉妬し、
嫌がらせを働いたり、ピンク髪を廊下で突き飛ばす、
教科書を隠す、靴を隠す・・・などと言った嫌がらせを行い、
魔法を使ってピンク髪を虐めるのだ。
そこで颯爽と現れてピンク髪を助けるのがお兄ちゃんだ。
そして・・・学園のパーティーでその行為を断罪し、
一方的に婚約破棄を告げる・・・
それが、俺。
その結果、悪役令嬢のエイダは断罪されて平民になり、国外追放になり、
俺はピンク髪と結婚する・・・
だが・・・ゲームよ。
ゲームは所詮ゲームなのだ。
プレイするにあたって、必要な情報しかない。
つまり・・・実際の国際情勢などは全く考慮されていない。
第1に!この、ツェイロン王国は、天下の竜帝陛下治める“竜帝国”の属国で、
王族の承認についても、宗主国の竜帝陛下に最終的にお伺いをたてねばならない。
そして、将来伴侶となる第一王子であるこのお兄ちゃんの妃は、
もちろん、王族の一員となるので、竜帝陛下の最終的な許可が必要だ。
だから・・・冗談じゃない。
天下の竜帝陛下が?
いや・・・違う・・・
前に見てしまったんだ・・・
ウチの・・・父上が・・・竜帝陛下泣かしてるの――――。
ダメだ・・・竜帝陛下の前に、ウチの父上を怒らせたらダメだ。
あれ、絶対神ボスが絶対かなわないレベル。
だが・・・裏ボスではないな。
裏ボスは他にいる気がする・・・
つまりは・・・父上は・・・表ボス!!
※それはただのボス
そんな設定ゲームにはない。
属国設定すらなかった。
だから、ここは、ゲーム通りにいったら・・・
まず、表ボスの父上にやられる・・・っ!!
「あの・・・えと・・・おてんき、が、いいですね」
「ん・・・?あぁ、うん。そうだね」
と、いつものように金パツエメグリの目のイケメンである
ザ・王子さまな外見をキラキラと輝かせてにかっと笑む。
しかし、それっきり、エイダはぷいっと顔を背けてしまった。
・・・あれ・・・?何故・・・?
今まで、この王子スマイルで、お兄ちゃんは数多の女性を振り向かせてきた。
それはもう、赤ん坊から子ども、大人のお姉さん、
ボンキュッボンのお姉さんから熟女、果ては未亡人のマダムまでっ!!
―――
「ねぇ、ユーリィ、何でだと思う?」
お兄ちゃんは2才年下のかわいらしい
お兄ちゃんの銀色の妖精・ユーリィに話しかける。
「・・・兄さま」
「ん?なぁに?」
「兄さま、キモイです」
ぐはぁっ!!!
この、天使の美少年であるお兄ちゃんに唯一振り向かず、
毒舌をかましてくるのが・・・この、お兄ちゃんの
銀色の妖精・ユーリィであった。
「んな・・・っ、何故なんだ・・・ユーリィ―――っっ!!!」
(ツェイロン王国第1王子兼王太子・シンシャ6才の夏の出来事であった)




