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【完結】くじ引きで竜帝国の皇太子妃に選ばれてしまった  作者: 夕凪 瓊紗.com
閑話集 その3

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竜帝の言葉


竜帝陛下がねこちゃんぬいぐるみの名前を“肉まん”に決めた翌日、

竜帝陛下自ら、属国の代表たちに、此度の出陣についての概要が説明された。


まず、旧カロン王国王が、竜帝国を手に入れるために

竜帝国を騙して属国についたこと、

先代竜帝の腐敗した時代に妃を送り込み、

竜皇族を滅ぼそうとしたこと、

そして、そのために犠牲になった滅ぼされた国や、

その王家の末裔が利用されたこと。


そして自らも、その末裔であること。


更に、故メイファ妃の死因の原因である血毒についての知識を持っており、

秘密裏にそれが使われたことを、かの国の王族が知っていたこと。

それは、故メイファ妃の死が秘密裏に処理された時、

カロン王国側の人間が紛れており、その様相から、

邪竜の血毒のような症状だと聞いた処刑された元王女が、

王家に伝わっていた秘密を口にしたことから、

摘発に乗り出すことにした・・・と。


そして、出陣の理由を決定づける唯一の生き証人が自分自身であり、

今後も同じように、竜帝国を乗っ取ろうと画策する者がいれば、

躊躇いなく宗主国として手は下すし、

忠誠を誓うのならば、これからも宗主国として、

属国を庇護下に置く・・・と。


嫌なのならば、属国を外れてもいい。

今、それを決めるのならば、報復に出陣するようなことはないと。


つまり、今抜けずに、後から裏切れば必ず報復すると言っているようなものだが。


しかし、竜帝国の元を抜けたとしても、

他の大国と隣接している国にとっては、抜けた途端に攻めいられて、

無理矢理占領されるだけ。

今以上にいい条件の宗主国など、存在しないのだ。

つまりは、どの属国としても、進める道はたった一つだけ・・・


竜帝を信じてついていくか、それとも離反して、他国の一部となるか。


全ての属国が、竜帝国に残ることを選択した。

エストランディスとツェイロン王国は

もちろんどこまでもついていくと膝を折った。


そして、領地の位置的に緊張が走ったソレイシア王国も、

王国から出した姫が、旧カロン王国瓦解後、再編成された

ル・ガリア公国の妃として迎えられたこともあり、

また、本国から妃のソシエが竜帝に嫁ぎ、

彼女を社交の場では常に傍に置いていることもあって、膝を折った。


更に、ランディアもまた、

王家の姫を皇太子妃に差し出していることから、

同じく竜帝に従った。


しかし・・・異論は竜帝国にの貴族から上がった。


「本当に、エストランディスは竜帝陛下に忠誠を誓っているのか」

・・・と。

その言葉に、イザナとモニカが、驚いてその貴族を見る。


「エストランディスは、王族のものが処刑され、

本来の王家の直系がおらず、エルフ族の王族の姿を

微塵も受け継がないものが、新たな王として即位した」


「そうだ、しかも、竜帝陛下がお傍に置いているのは、

ソシエ妃のみ。エストランディスの妃・・・

エストランディス王のお母君は、全くお傍に置いていらっしゃらない。

自身の実母が、冷遇され、自身は竜皇族の資格ももらえず、

ひとり、幼い頃からエストランディスに留学と言う名の元追いやられ、

本当に竜帝陛下に忠誠を尽くすつもりがあるのか」


・・・と。


現に、今も竜帝の隣にいるのはソシエのみである。

ユリアナの抱える事情を知っているイザナは、

もちろんソシエが常に竜帝の隣で公務に勤しむ理由を知っている。

そして、ユリアナとの仲の良さも・・・


「・・・っ」

口を開こうとしたイザナの前に、竜帝が口を開いた。


「では、お前たちは、私の息子がエストランディスを治めることに、不服があるのか」

そう、竜帝は言ったのだ・・・


イザナを・・・“息子”と。


「その・・・エストランディス王は、竜帝陛下の御子ではありません!

皇子の地位は与えられていないのですから!」


「誰が、そんなことを言った?」


「え・・・」


「確かに、竜族の特徴を受け継がなかったものを、

皇子皇女として扱うことはできない。これは、帝国の決まりだ」


「そうです!ですから!」


「だから私の息子ではないと、何故言える?

お前は、私の妃が、不義を働いたとでもいう気か?」

その言葉に、意見を言った貴族が青ざめる。


「いい度胸をしているな」

竜帝が冷笑を浮かべると、

文句を言った貴族たちは、ガクガクと震え出す。


「えぇと・・・」


「あと、お前たちに発言を許可していない。即刻追い出せ。不快だ」

そう、竜帝が告げると、貴族たちは情状酌量を訴えながらも、

騎士たちに連れ出された。


「さて」

竜帝が再び口を開く。


「イザナ」


「はい、陛下」


「お前は、お前の弟も、一国の王となった」


「はい」


「だが、お前たちは、私と、ユリアナの息子だ。

産まれつき与えられた地位が皇子であっても、大公であってもだ」


「・・・っ、・・・はい・・・」

イザナは、驚いて目をみはりつつも、

深い深い、平伏の礼をとった。


そのやり取りに、各国の代表たちは目を瞠りつつも、

ツェイロン王国王であるシャクヤとリィリエは

そっと互いに顔を見合わせ、微笑んだ。



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