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雑竜種《デミドラゴン》とスマートフォン  作者: 皇 咲麻
Ver 2.0 スマホと目覚めと雑竜種《デミドラゴン》
90/126

#86 特訓(4)

【ユニーク2000人!!!】

えぇ……どうなってんの……(即倒)。

めちゃくちゃ伸びる時もあれば全然伸びない時があるのは結局理由が分からないんですけど、まあ何はともあれありがとうございます!


「「はあぁッ!!!」」

響く声と共にぶつかり合う腕。それはもはや殴り合いの音ではなく、一種の金属音にも近いような音を撒き散らしながら拳を跳ね返す。

何よりの問題点は、この竜種の腕を使っていてもただの拳一つで互角に抑えられているどころか押し返されていることなのだが。

「休憩でーす」

勢いで後ろに転がされるも、だんだんと慣れてきたことにより受け身くらいは取れるようになった。勢いを脚で若干和らげてから後ろ受け身で体制を戻した丁度その時、シャルの休憩の合図が入る。

「ふーっ、休憩!うん、ヒサメ君もちょっとは亜人種の力の使い方が分かって来たんじゃない?」

「使い方って……俺、ひたすら正面から防いでるだけですよ」

「それでいいと思うよ。だって君、非常時は別として人を殺す気とかはないでしょ?竜種は生死の能力が強いの、魔法を使わずにパワーだけで解決するのが自他共に一番安全かもしれないね」

備え付けの蛇口の下に顔を寄せて滝のように水分を補給するルリアを見ながら、休憩がてら床に寝転がって天上の眺めながらこの能力の使い道について考える。この亜人種能力は単純な自己強化系、他人に干渉しないし他人から干渉されることも無い、完全自己完結型パワーファイター。

(……問題はなんでそんな能力が俺にあるのかってとこだよな)

別にこの世界に転生する際に「強くなりたい」と願ったわけでは無い。ただ平穏に、試験にも勉強にも社会にも縛られない自由な生活をしたいだけだった。

なのに、ノリで選んだ竜の角はそれだけで種族を変えてしまうほど影響力が強く、ただ暇潰し程度に欲しがったスマホはなぜか自分の体と連動して意味不明な魔導書に。

「戦いに特化した能力に、戦いに特化していない俺。ある意味バランスはいいのかもなー……」

「あとは君がその能力をどう使うかだね」

木目の天井だけが映っていたその視界に急に顔面が入り込んで来て一瞬驚きで飛び上がりそうになるが、すぐさま冷静を取り戻して再び地面へ。

「ヒサメ君は戦闘が苦手で人を殺すのが嫌い、でもその能力はとてつもなく血に飢えている、という場合だったらどうなる?」

「うーん……能力なんだから制御できるんじゃ?」

「多分できるね。でも君が壊れたらどうする?君は抑えることが出来ていても、一度狂気に染まってしまえば思考も制御も頓珍漢に吹き飛ぶの。私はそれが一番心配」

そうなんですかね、と呟きながら溜息を吐くと同時に両肩を掴まれて上半身を起こされる。

「いい?君の能力は君が思っている以上に強力よ。生かすも殺すも支配するも崇めさせるも自由自在なくらいにはね」

「…………ほんとに、なんで俺にそんなものがあるんだ……」

「私からしたら、ここまで普通な人間に限りなく近い亜人が初めてなんだけど……ヒサメ君って後天性亜人種でしょ?」

「……へ?」

聞いたことの無い単語が急に飛び出した。単語に聞き間違えが無いか念のため三回くらい同じ分をリピートしてもらって、そして聞く。

「……何ですかそれ」

「生まれつき亜人種なのが『先天性亜人種』、後から突然変異や部分移植をして亜人種になったのが『後天性亜人種』ってこと」

「……なぜ俺が後天性だと?」

「理由は簡単だよ?竜種に亜人は存在しないからね、生殖器の大きさ的に」

言葉の意味を噛みしめ、そして頭の中で竜を想像してみる。まあ、確かにどう考えても人間とは大きさが釣り合わない。遺伝子の配列がどうかは知らないが、そもそも生殖器的に無理なのではないか、と頭の中で納得。

「翼竜種(ワイバーン)は例外として、そもそも竜種からしたら人間って餌だから人間との子孫なんて出来るはずがないんだけどね」

「へぇ~……そういうの詳しんですか」

「趣味で調べる程度だけど。ヒサメ君の頭に生えてる角の種類も大体わかってるよ」

「えっ、これに種類なんてあるんですか!?」

とは言ってみたが、確かにパーツ選択の時にいくつか存在していた。なんかかっこよさそうだったから黒いやつを選択したのだが……。

「ヒサメ君のそれはブラックドラゴン、種族的には『黒龍』と呼ぶやつだね。自身の体内を廻っている独自の魔力を扱う特殊型、基本的には属性の定義に当てはまってないと思うよ」

「独自の魔力……あ、角から出る煙みたいなやつってことか……えっ、じゃあこれって属性……」

「火水風雷の四属性には該当しないだろうね。『竜属性』と思っていいよ」

まさかの特殊属性。確かに該当する種類は極稀で相関図にも関わりが無いとは思うが、この角がそんな特殊性を持つような角だったのか。やはりもっと慎重に選ぶべきだった。

「おそらくだけど、君はこの世界で竜属性を持つ唯一の人間。ただでさえ存在が希少な竜の亜人で、しかも目視例すら数えるほどしかない黒龍を受け継いでいる。私としては今すぐに魔導研究課に回したいんだけど……」

「いやいやいや、研究室送りとか冗談じゃないですよ!?」

「でしょ?それに、君には研究素材になる前にやらなくちゃいけないことも会わなきゃいけない人もいるみたいだしね。よし、私はそろそろ王城に戻るよ」

ルリアはしゃがんだ状態から立ち上がり、首を数回回した後に時計を確認する。やっぱり何も言わずに飛び出したにしては時間をかけ過ぎちゃったな、と苦笑い。

「あれ、でもあと5時間くらいは……」

「適当に言っただけだから別にいいの。ヒサメ君も服とか着替えなきゃいけないでしょ?」

言われて身体を見てみれば確かにボロボロになった寝巻が。これで表に出るのは確かに少し考えたくもなる。

ルリアは長いスカートの裾を軽くはたき、部屋の出入り口のドア付近にある、身の丈ほどの縦に長い木箱を開けて左手を無造作に突っ込む。そして取り出したのは、そこそこ距離が合ってもしっかり視認できるほどの肩掛け小銃(ライフル)。

「身支度はシャルに言えば大抵はどうにかしてくれるはず。それではヒサメ君、また夜に」

こちらを振り向いて屈託のない笑顔で手を振りながら、ルリアはゆっくりとドアを開けて外に出て行った。

「……これでこの訓練も終わりか……」

「これからが始まりですよ、結局誰にもバラしてないですから」

部屋の中には俺とシャルの二人だけ、鬼のような耐久訓練も一番最初に聞いた時はどうなる事かと思ったがやってみればどうにかなってて、終わってみればあっという間だった。……もう一度やりたくはないが。

「……ルリアさんが持って行ったアレはなんだったんだ?」

「僕が作った突撃銃ですよ。性能テストと護身用を兼ねて使ってもらってるんです」

「…………え、作った?」

一文全て聞き終わった後になにか聞き慣れない単語が含まれていて、そういえば言ってなかったですねとシャルは返す。

「改めて自己紹介でも。僕はシャムシール、ギルドナンバー78、雑務係及び工房班の火器専門担当です」

「火器専門!?……へえ、俺はアサカヒサメ、ギルドナンバー65、ただの雑竜種(デミドラゴン)だ」

お互いにニヤリと笑い、何が面白かったのか二人揃って部屋の中で耳が裂けるくらいに反響する笑い声を出してしまった。

互いの心は一つ、「どうやってギルドの連中を驚かしてやろうか」という企みだった。

違うんですって、投稿10分くらい前にPCがいきなり画面が固まるとか思ってませんよ。

そんなわけで2時間くらい裏の配線をどおうにかしようとパーツを買ってきてみたり端子を弄ってみたりしてました。

でも掃除してたら勝手に治ったので接触の問題ですね。またいつかフリーズするかもしれないと考えると本気で配線どうにかしないといけないです。夏だから熱にやられないように工夫もしなければ。


実のところを言うと今回フリーズしたせいでデータが少し消えてまして、そば食いながら急いで書いてたらこうなりました。キーボードに少しつゆが散っちゃったけどすぐ拭いたしセーフでしょ、多分。

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