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雑竜種《デミドラゴン》とスマートフォン  作者: 皇 咲麻
Ver 1.6 主従と剣戟と占術師《ディバイニング》
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#47 占術師

「・・・な、なんだ、何だお前は?」

「なんだって・・・アサカヒサメ、16歳のデミドラゴン」

「そうじゃない!何なのだお前は!?」

「知らねぇよッ!!!」

とりあえずセリフに合わせてもう一回エンタープライズの側面で殴っておく。

結構硬い音がするのと、とても吹っ飛ばしやすいので素手で殴るより圧倒的に効果あり。

「お、お前は・・・なぜ『見えない』?」

「見えない?・・・未来予知か?」

「どうやらあの男、左目に何か仕込んでおるみたいだぞ」

「左目?・・・水晶玉か?なるほど、眼で見るだけで予測が出来るのか・・・ちょっとホラー」

虹彩とかはどうやったのかが若干気がかりではあるがそれとは別の用件で聞くことは聞いてみよう。

「なぜ見えないって・・・未来見るのに条件がいるとかじゃねえの?」

「そんなはずはないッ!この世のありとあらゆるものの過去が見える私に・・・!」

「・・・・・・ん?」

今の文で少し引っ掛かる点があった。この世のありとあらゆる?

「あー、えーっと・・・ご愁傷様」

多分この人は対象の過去を見てそこから魔法で未来の予測を出しているのだろう。

だが、俺の場合は見る過去が存在しない。正確には存在はするがこの世界に来てからは予測できるほど時間が経過していないし、元の世界は見れないのだろう。

「簡単に説明すると・・・俺に過去はありません、以上」

「・・・どうなっている!?」

混乱しながらも剣を振るルイエをエンタープライズで弾き、的確に頭突きをお見舞い。

「この世界の全てを占うことが出来るんだろ?ならしょうがない。『この世界の全てでは無い事』は占えないんだから」

「何だ・・・何だお前は、何様だァァァァァ!!!」

「ただのモブの成り上がりだァ!」

正面から挑発をしておきながら突進攻撃を椅子を使ってかわし―――。

「ていっ!」

「!?ごっ・・・!」

椅子の裏に構えていたルイラと交代、胃落を脇腹に叩きこむ。

「やーっと私の出番ですか・・・やってやりますとも!」

「俺がレイラに怒られるんだから怪我はすんなよ?」

「了解です!」

血眼で我を忘れるかのように剣を振るルイエを一刀ずつ空間魔法で避けてかわす。右から来る剣を胃落で弾き、二回目の攻撃をワープで剣自体を異空間に飛ばす。

「なっ・・・!?」

「せやっ!」

右腕を異空間に入れてしまったために混乱して腕を引き抜こうとするルイエの脇腹に大きなスイング。

間髪空けずに自分自身の足元にワープを敷いて地面に潜り込み、ルイエの後ろに自らをワープさせて背中から打撃を入れる。

「がはっ・・・!」

「ふうー・・・やっぱこんな感じの重い武器っていいですよね!強いし!」

「なんかものすごい戦い方してなかった・・・?」

「へっへーん!まだまだこれからですよ!」

とっておきがあると言いたげな表情を浮かべた後、ルイラは横に空間を開いて飛び込む。

そして出口となる空間をルイエの周りに増殖させ、出口と入口を同一判定にする。

その結果、凄まじいスピードで見えたり隠れたりを繰り返す瞬間移動のようなものに。

「・・・な、なんだこれは・・・」

「魔法は合成だけじゃなくて同系統の複合も忘れちゃいけませんよ!っせい!」

ギュオン、と空間が開く音と共に―――ルイエの頭の上に木製のドアの破片が。

自分自身で魔法を使っているように見せて注意を引き、陰でこっそりワープを繋いで頭の上からミズキが吹き飛ばしたドアを叩き落とした。

「ごぉっ!?」

「そんでもってぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!」

頭の上から重い何かが降って来て何が何だからわからず、体勢を崩したるルイエに止めと言わんばかりの胃落でジャンプしてからの振りおろし。

「ふぅーっ・・・完☆全☆勝☆利!」

「その人、頭ぶん殴られて死んでないか・・・?」

その時、城の外から人の声の嵐が聞こえてくる。

「やべっ!ギルドもう来たぞ!?」

「私たちは退散しますよ!ほら撤収撤収―!」

「カリンさんはいいの!?」

「手錠は外しておきました!そもそもカリンさんはギルドに証言しなきゃならないからここにいないといけないんですよ!」

「よっしゃミズキ捕まえたぞ!なんか気絶してるけど!」

「さっさと逃げますよー!」

そうしてこじ開けられた空間の穴は閉じ、壊された城の門から人が入ってくるのを感じた。

「まだだ・・・私はまだ・・・!」

「・・・もういい。お主は敗北したであろう」

「なぜ・・・なぜ未来が!失敗しなければこんなことには・・・!」

「それもお主の敗因であろうな。未来が見えない奴相手に弱いのはちと練習不足とも言えるが」

血こそ出ていないものの全身が打撲痕であざ塗れになっているルイエは起き上がれないでいた。

「・・・さて、何であったか・・・妾が結婚しないと妾は死ぬのであったか?見事に外れたな。だが当たっていることもある」

カリンは椅子から立ち上がり、かんざしを取り外して俯せになった状態のルイエの背中の上に置いた。

「何を・・・」

「『妾と結婚できないとお主が死ぬ』。それは当たりだったと言えよう。魔力注入(アルカナ・オン)」

かんざしに手を触れ、その手に魔力を流し込んだ瞬間、かんざしは上下に、ルイエの脊髄を貫くように魔力刀を展開した。

「主を嘘で誑かした罪はその命で償って貰ったぞ」

それと同時に、ギルドのメンバーがバルコニーに駆け込んできて周囲の調査を始める。先頭にいたのはジルオだった。

「一体・・・これは・・・」

「ちょっとした趣味・・・といえばいいかの?」

「とりあえず、ギルドに帰って報告書だな」

「む、妾に報告書を書かせるとは・・・ミズキにでも代筆させるか」

「あ、アイツは別件で呼び出しがあるらしいぞ。ヒサメとルイラもだが」

数分後、ヒサメとルイラは城の中で逃げていた所をルリアに確保された。

なんか書いてみたらルイラのターンの方が長かった。これは予想外。

これは本格的にもう一回ミズキの出番作らないといけなさそうですね。

今更な解説ですが、胃落(こきえおとし)は元武器として「アイシカルメイス」という氷属性のハンマーがあります。そこにカガミマチの秘蔵技術「魔力変換機構」を入れた結果があの武器。名前が日本語っぽいのはカガミマチの技術が入ってるからです。

なぜカガミマチの技術が入ると日本語っぽくなるのか?それもまた伏線なので。

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