#36 到着
「うわぁ・・・空飛んでる・・・」
遂に飛空艇という名前の気球は地面を離れ、体を空へ向かわせる。
空から見てみればこの国は案外広い。国として見れば狭いのだが街として見れば十分に大きいのだ。
「空を飛ぶのは初めて?」
「俺は初めて・・・レイラはあるのか?」
「妹に付き合わされて」
ああ、と呟きながらなんとなく想像できてしまう。ルイラの事だからワープ穴を上下に繋げて勢いを増して上空に打ち出されてみたりしたのだろう。ルイラだったらやりかねない。
「おかげで様々なことに耐性はできたけどあまり喜べたものじゃないわね・・・」
「ま、まあ、妹のすることに殆ど付き合ってる所もすごいけどな・・・」
ぼんやりとしながら上を見る。気球は炎で上に上昇するものだが・・・これは何で上昇しているのかが全く分からない。下から何かを噴き上げる装置も無ければ持ち上げる機構も無い。浮遊する部分に半重力的な何かが入っていると考えるのが一番だろうか。
「・・・ちょっとルリアさん、これ上まで行ったらどうするんですか?」
「どうするって・・・降りる?」
「いやそうじゃなくて。行ったところで調査って何をしたらいいんですか」
「ああ、それはね・・・」
「古代文明の遺産の発掘、と言えばいいかな」
横から名前が長かったような金髪の人が答える。
「要は他のギルドに見つかる前に見た事ないモノ見つけて成果を勝ち取って来いって事」
「うわぁお、なんて歩合制」
別に古代文明の遺産の発掘は良い。問題なのは「なんでそんなものが浮いているか」だ。
誰もいないのであればわざわざ浮遊する必要はない。それか最初から浮いているだろう。ここ数日で急に現れたというのが疑問。
(地殻変動でも起きたか・・・それとも誰かが変なスイッチ踏んだとか)
元の世界の頭ではまず浮いていること自体が理解不可能。この世界ならではの理屈と法則があるのだろうと考え込んで頭を回そう。
「・・・お、そろそろ着くんじゃない?陰に入って来たよ」
「空中って割にはなんでか近いですね」
「そうでもないみたい。浮かび上がってから時間が経てば経つほど上に飛んでいくらしいから早めに帰らないと置いていかれちゃうよ?」
「そのタイムリミット方式は先に言ってほしかったんですけど・・・」
さて、回想は以上。ここまでわざわざお疲れ様でした。
その後は辿り着いたはいいものの、ルリアさんは勝手に金髪の人とダッシュで奥に走り、付近を捜索しようと思って歩いてたら変なスイッチを踏んでこの始末。
何話ぶりか分からないのですがお久しぶりです、ヒサメです。
え?そんなに日数経ってない?まあまあ、回想が長かったので都合上仕方ないんです。
そして今、崖っぷちです。
後ろを見ると先ほどまでこちらを目掛けて転がってきた岩が落ちる姿を、そして足元には落下したら肉片間違い無しの高さにまで上がってしまった庭園から見える懐かしき地上。
「ぬぎぎぎぎぎぎぎ・・・よいっ・・・しょっ!」
背中に一人抱えた状態で腕の力を集中させて体を押し上げる。懸垂なんて全然得意じゃない。でもこんなことがあるなんて分かっていれば少しは練習したのだが。
「ハァ・・・・・・どうにか避けれた・・・」
「はい、お疲れ。探索開始早々トラップ踏んだけど出だしは悪くないわね」
「どーこーがーだっ!!!他の人たちと完全にはぐれたじゃねえか!」
「手柄は『見つかって無いモノ』って言ってたでしょ?人はいない方が良いわよ」
それはそうなのだが、こう、どこか反論したい気持ちが心の中にある。
でもそれを言葉にしようとしても上手く出来ないからやめておこう。
「さて、アンタには探索道具があるわよ。はい」
レイラが急に思い出したように背中から取り出したのは―――。
「・・・これってさ、俺がミズキと戦った時にジルオさんから借りたハンマーだよね?」
「そうよ。金属を引き付ける力があるわ。それで不思議な物を引きつけるの」
「いやそうじゃなくて!さっき走った時に妙に重かったのってこれが原因じゃねえの!?」
「・・・・・・」
「こっちを向いてなんとか言えよ!!!」
「・・・さすがに女の人に『ちょっと重い』は失礼だと思うわよ?」
「そこじゃねぇぇぇぁぁぁ!!!!!」
本当にこんなノリで探索できるのだろうか、果たして。
無理無理無理無理!(内容が)入りきらない!
空中庭園行くまでに時間が掛かり過ぎて六話完結できなくなりそうになってます。
7か8、長くても9回で抑えようとは思って・・・います。
【1500PV突破】
えっと・・・なんか、いろいろありがとうございます・・・。
水曜日になぜか100回以上のPVがあってこうなりました。何をしたらPVが加算されるのかは分かってませんがお読みいただきありがとうございます!
年が明けてだいぶ遅れましたが今年の目標は「賞に応募する」です。
今のなろう小説でメディア化している作品はどれも賞を受賞した結果なのでしょうか?あまり詳しくないですが、この作品が賞に応募できるくらいに立派になったらしようと思います。




