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雑竜種《デミドラゴン》とスマートフォン  作者: 皇 咲麻
Ver 1.1 任務と狐と人狼《ルーガルー》
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#9 遠征

「・・・・・・見渡す限りの平原ですけど」

目覚めたばかりの身体を叩き起こすようにギルドを飛び出してきてから一時間。

「一応山とかもあるだろ。・・・あれ別の国だろうけど」

「もはやあの山霞んでますけど・・・?」

任務の作戦用紙と物資を持たされ国外に放り出されて、今は目的の国とギルドがある国「アズドラーク」の中間あたりにいる。

どうも皆さんお久しぶりかは分かりませんがお久しぶりと仮定しましょう。転生二日目の朝夏日鮫です。最近カタカナ表記ばっかだから漢字忘れたとかお思いでしょう。俺も若干忘れてました。

で、なぜ急にこんな設定集を漁るかの如く振り返ってるか。

・・・よくわかんないけど話が急に代わるからとかじゃないですか?

「その目的地は私どんなとこか知らないのでワープできませんし・・・」

「「いやそれができたらルリア(さん)はそんなこと言わないでしょ」」

グランツと二人で「何を言ってるんだ」の顔で首を横に振る。

こうなっている理由はたった一時間前の会話が原因だった。


「国外調査・・・・・・ですか?」

「そう。しかもそれ調査主見てみなよ。王室管理局からよ」

「それストレートに言うと国からの直接依頼ですよね!?」

「うーん・・・まあそんな感じ?でも昨日の今日だし・・・」

確かに王城に攻め入ったのはつい昨日。そんな一日で信頼できるほど人は都合よく出来ていない。人間がそんな簡単に信頼できる生物なのだとしたら選挙なんてあるはずないのだ。だから民主政治なんて存在しない。・・・今にして思えば、日本は国のトップたちの疑心暗鬼によって成り立っていたのかもしれない。

「で、その内容が国外調査と。どれどれ・・・・・・・・・・・・」

ざらつきの無い綺麗な封筒に入れられた一枚の手紙を取り出して読む。

「・・・・・・すいません、俺文字読めないんでしたわ」

そう言えば忘れていた。言語を聞き取れてるのは(真偽は分からないが)翻訳アプリのおかげで、文字を見た時の補正は何もかかってないんだった。

「じゃあ私が読む?えーっとね・・・翻訳すると、『国が変わって忙しい中手紙を出しております。敬称を省くことお許しください。さて、この国は樹立してからなるべく外交を立って過ごしてきました。その為対外国の情報が何もなく、このままでは貿易を始める事すらままなりません。そこで、ギルドのメンバーを少し割いていただき、そのメンバーを王族調査団として対外国を視察する目的として使わせていただきたいのです。なにとぞご検討よろしくお願いします』・・・ってさ」

「クソ長くて聞き取れなかったんで要約してもう一度お願いします」

「つまり『外の国のこと知りたいから人を少し派遣して調査してデータをこっちに送って』ってことだよ」

・・・なんか王族調査団がなんとかって部分が丸々無くなった気がするがまあいいか。

「まあわかりました。で、ここからは何人出すんですか?」

「とりあえず3人」

「・・・・・・多いのやら少ないのやら」

確か岩倉使節団が・・・5人?いや違うな、あれ有名な人が5人なだけで留学生含めたら100人くらいいたはずだ。海越えない分少人数でもどうにかなる?

多少考えて頭がパンクして溜め息吐きながら頭を掻いて一言。

「・・・いや、だとしても人少なすぎじゃありませんか!?ここ60人とかいますよね!?」

「こっちはみんな別の事するからねー。あ、残りの2人はグランツと誰か1人でいいよ」

「えらく適当ですね・・・じゃあルイラ・・・え?ここに残る人って何するんですか?」

「防衛戦だけど?」

「は?」

椅子に座りながらホットミルクを飲んでいたカップを指先で回すルリアの言葉がまるで理解できない。

「だって昨日のは攻城戦だもの。防衛戦もやらなきゃ」

「いや、やるってどこと!?」

「んー・・・じゃあ問題。このギルドは国家転覆または改正のために動いてきた。じゃあ『なんでわざわざ昨日実行したと思う』?」

「へ?なんか昨日じゃないといけない理由があった・・・とか?」

「じゃあもう一つ問題。昨日は城を守る兵士がいたでしょ。『攻撃専用の兵士は存在した』?」

「いや、みんな盾持ってて防衛専用・・・・・・もしかして」

「『昨日と今日で主力攻撃部隊は王都に派遣された』が正解。だから昨日が一番手薄だったの」

確かに昨日の兵は盾と剣が基本装備だった。王女の部屋で俺を奇襲してきた奴でさえ盾と剣だった。集団戦で一番リーチが長くて数がいる槍兵が確認されてない!

「それが今日戻ってくるの。王が変わってたら職務を放棄するかまた奪還するでしょうね」

「でももう前の王様は・・・・・・」

「そう、いない。でも忠誠心は残ってるでしょ。兵士ってそういうのめんどくさいんだよねー」

話して通じるやつなんて1割いたら大成功よ、とルリアは続ける。

「まあそんなわけであまり人員は割けないの。幸い調査を指定されてる国はそんなに遠くないし、何かあったらテレパスが届く範囲だろうし」

テレパスって可能範囲があるのか、とさりげなく記憶。

「多分主力舞台は4時頃帰ってくるわ。それまでにいってらっしゃい!」


そして今は一週目朝3時。分かりやすく言うと朝9時。

「私何でかヒサメさんに起こされて意識が朦朧としたまま出てきちゃったんですけど」

「羽目外してカウンターに仰向け大の字で寝ていた女の子は誰かな~」

「ちょっ、グランツさん!?」

「落ち着けルイラ、多分皆お前の寝相の悪さくらい知ってるから」

ルイラの声が無駄に高くて朝の耳にはきつく響く。それをどうにか我慢しながらさらに歩いて30分ほど。

「・・・あ、なんか外壁っぽいものは見えてきましたよ」

「居場所合ってるのか?うっかり間違えたら大失態だぞ」

「・・・・・・グランツさん、居場所どうやって確認するんですか」

「・・・・・・周囲の川とか山とか?」

見渡してみても山は景色が変わることなく霞んでるし、川なんて存在しないのに辺りは緑の芝生。うん、確かに現在地は良く分からなくなる。

「・・・ルイラ、あの外壁正面ってワープ認知対象内か?」

「目視できますからいけますけど・・・します?」

「歩くのって予想以上にめんどくさくない?」

「それは私も思ってました」


「「「はえー・・・すっごいおっきい」」」

いざ真下に来てみると外壁の高さが異常なことが分かる。

一体何メートルあるのだろうか。軽く50はありそうだ。

「これどこから入れるんですか?」

「どこかに入り口があるだろ。それでも捜してみないと」

グランツとルイラの会話をとりあえずスルー。それ以上に外壁から気になっていた。

(・・・なんか、妙に和風・・・かな?)

外壁だけではまだ判断できないが、土台部分の石垣がそれっぽさを出している。屋根の瓦もだ。どことなく和風の城に似ている。

「誰かがこの世界に文化を伝えたのかな・・・にしては大規模すぎるぞ・・・?」

「ヒサメさーん?行きますよー?」

「ほえ?ああ、へーい」

とりあえず外壁だけじゃわからない。国の中が重要なのだ。

「で、入り口ってわかったのか?」

「多分反対側にあります。一番高い建物が正面にあるみたいだし」

ルイラが指差した方向には確かにひときわ高い謎の建築物が。

(なんだあれ・・・どう見ても城・・・城だよなあれ・・・?)

頭の中で疑問を解消しようと試みる。が、解消する前に反対側に来てしまった。

「さて来てみたが、新人雑竜種(デミドラ)君何か名案は?」

「何ですかその呼び名は・・・いや、調査兼外交なんだから普通に入ればいいんじゃないですか?」

「そりゃそうなんだが・・・何か感じないか?人がいる気配」

「そんなんするんですか?ルイラする?」

「私純血の人間なのでそういうの良く分からないです」

だろうな、と半ば分かり切っていたことを聞いたことに軽く反省して話を戻す。

「・・・やっぱり警戒されてるんですか?どこに何人?」

「門の前に少なくとも5人。金属の武器を持ってるだろうな。甲高い擦れる音がしてる」

音に関する把握はさすが狼男といったところだ。

「でもどうするんですか?成果出さないとルリアさんに・・・あ、門開きましたよ」

ふと考えてる間に門がゆっくりと開いてゆく。そこにいたのは_。

槍を持った兵士ら式体調が一人。あとその後ろに大量。

それと同時に外壁から兵士が出てきてジャキジャキと音を鳴らす。何を出してるかは分からないが音的に獣的な無いかを取り出してる音に近い気がする。

「・・・・・・大歓迎だな」

「まったくですよ。こんなの朝一に見たくなかったんですけど」

「・・・二人ともどうします?」

「「逃げるッッ!!」」

「ですよね!」

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