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雑竜種《デミドラゴン》とスマートフォン  作者: 皇 咲麻
Ver 2.2 席と勲章と統合協議《グランド・レファー》
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#108 従兄弟

【ユニーク3000人】

最近全然見てなかった、いつ超えてたんだこれ……

ありがとうございます!

「いと……え、マジですか?」

「ああ、少し前に家ごと消えたと聞かされていたがな」

確かにどちらも位の高い人ではある。だが、こんなところに血縁関係のつながりが存在するとは思っていなかった。

「……アルバさんの情報だとあの人の扱いってどうなってます?」

「一年半くらい昔に盗賊の襲撃に逢って死んだことになっている。死亡届も私が書いた」

顔に笑いなどはなく、あるのは焦りと憤り。この怒りがどこに向いたものかは分からないが、少なからずとも俺に少しは向いているのかもしれない、とは感じる。

「……アイツに何があったか教えてくれ、私が知っている彼はあんなものではなかった」

「俺が知っているのは一年半前の情報ですけど、それでよければ」


「私が彼の初めて出会ったのはいくつだっただろうか、七つにも満たない頃だっただろう。従兄弟がいるという話を聞いて興味津々で会いに行ったものだ。私には兄弟がいなかったからな」

「あー、わかりますよそれ。一人っ子家庭って自分の共感してくれる人がいないから従兄弟とか友達をめちゃくちゃ欲しがるんですよね」

と、俺が言うのも友人の言葉だ。俺に兄弟はいないが別に共感してもらいたいと願うことも無ければ友達に囲まれていたいとながったこともない。そのころから俺は生きることにやる気がなかったのかもしれない。

「会って、そして何とも言えぬ残念な気分になった。彼はいわば分家、本家たる私に対等な関係で喋れる権利があるはずもなく、ずっと敬語だった」

「そりゃー貴族階級はそうなりますよ、格差社会だし、自分の知らないところで大惨事起こして一家丸ごと忘却処分とかされたらたまったもんじゃないですよ」

俺も知ったことは言えないし、本で見るような空想の話だがこの世界だったらありえなくはない。異世界の常識は現代日本の非常識、これが鉄則だ。

「彼の家は特殊魔術の研究に強く、彼自身もその類の研究をさせられていたはずだ。確か……未来視の魔法だったはず」

「でしょうね。俺が死ぬ前に見た時もその魔法使ってましたよ。俺には効かなかったみたいですけど」

「……未来が予測できなかったのか?」

「さあ。ミズキの未来は見えてたみたいだから亜人には効かないとかそんな感じじゃないですか?」

この人に『別の世界から転生してきたせいで見る未来の情報が少なくて』とか言っても信じてもらえない、どころか本気で信じられてさらに疑いが強くなる。自分自身があまり言いふらさない方がいい話題を手にするとは思ってもいなかったものだ。

「そうですねぇ……俺が知ってるのは、あの人の状態と、家の情報と、何があったのかと……あ、結構知ってるな」

「事務関連の作業でもやらされていたのか?」

「よく分かりましたね……」

あの時は日が昇っているときはひたすら事務作業、日が落ちてから抜け出して襲撃、というエナドリ万々歳な超疲労蓄積コースだった。今になってまたあの作業をやれと言われれば真っ先に首を横に振りたくなるほど。

「襲撃した盗賊ってのはウチのギルドですね。というか俺とミズキが主犯、って感じです」

「ほんっとうにアルゴノーツは毎度毎度話題に事欠かないな…………」

「いやいや、誘拐事件だったんで正当防衛……だと思います。でも死んでたのは知らなかったんですよね。で、久々に会ってみたらあの通り」

失礼な気がするし言うのは避けていたが、正直に言って顔色が悪い。それもそのはず、ジルオさんの説明だと『死んだまま身体を動かしている』らしい。だから生き返ってる判定じゃないのでセーフ、とジルオさんは屁理屈のようなことを言っていた。

「家はもう滅んじゃったし城は壊しちゃったし、世間的には死んだ扱いだからウチのギルドにいるんだと思いますよ」

「そうか。……彼は結局、死んだままなのか」

アルバは少しがっかりしたように肩を落としながら溜め息を吐く。それがぬか喜びしてしまったかのような感情で。

「……別に死んでても良くないですか?あの人はあんな見た目になっても結構楽しそうでしたよ」

「死してなお楽しみがあるのか?」

「さっきの話を聞くに昔から敬語で自分をひたむきに隠すような人だったんでしょう?なら大丈夫ですよ。つい先日、イザベラさんと喧嘩になって工房の壁吹き飛ばしてたし」

人は他人を知る部分に限界がある、それこそ透視や心情読み取りをしなければ分からないこともあるだろう。だから関わりを持って精一杯相手を知ろうとする。

「それに―――アルバさんは回りくどいんですよ。聞きたいなら本人に聞いてみればいいじゃないですか」

即座に電話を起動。番号は控えていないが直前の着信履歴でコールできる。

『なんだ、腹でも痛くなったか?』

「だからってなんでルイエさんにかける必要あるんですかね……?あの、ルイエさん従兄弟っていました?」

『従兄弟?……ああ、私とは格が違うくらいによくできた奴が一人いた。彼がどうした?』

「しばらく会ってないんでしょう?通話くらいしてあげたらどうですか」

『既に死んだ奴が語り掛ける言葉に何の意味がある。……ん?ああ、そういうことか。言いたいことは理解した、代わってくれ』

本当に理解されてるな、と思いながらスマホを表情が引きつったままのアルバさんに手渡し。

『お久しぶりです、と言うべきだろうが……すまない、数年の間で私はここまで変わり果ててしまった。最近は縛られるものが少ない分、昔より自由に生きてはいるが』

「そうか……家が無くなってしまった件は、残念に思う」

『あんな家を残念に思われても困るな。……さて、懐かしい。あなたと剣の練習を幾度としたあの日。結局未来視を使っても一度も勝てなかった』

ああ、あの剣術は家の伝統なのか、とヒサメは横で漏れる会話を聞きながら考える。確かに一度アルバさんが王城でルリアさんイ剣を抜いた時の動きと、襲撃時のルイエさんの件の動きには共通点はないとは言い切れない。

「ああ、覚えているさ。忘れるものか」

『さて、見える位置にいるのであればこれからの私を見ていただきたい。私が死んでからの、一年半の成果を』

「ルイエさーん!俺に負けてた頃のままだったら俺がキレますからねー!?」

『安心しろ、お前の頭突きをまた食らうほどボケてはいないさ』

ブツ、と強制的に着られる通話。即座にスマホをポケットに入れてアルバさんを掴んでダッシュ。

「どっ、どこに行くんだ!?」

「決まってるでしょう、実況席ですよ。見ていてくれって頼まれてんだから見ないわけにはいかないでしょうよ」

体当たりするかの如く実況席の扉をこじ開けて突入。

「あれっ、アルバも来たの?」

「実況席一人追加でーす」

「ここのルールは原則三人じゃなかったか……?」

『ルールは破ってなんぼって奴だぜ!!!』

「「「お前はそれを言うな」」」

『実況に厳しぃなぁーオイィ!!!』

ここ数回分くらい書くのめんどくさくて何も考えずに書いていたせいで、今日「よっしゃー!めっちゃ書くぞー!」ってなっても全然内容が分かりませんでした。

やる気がない時に書くとストーリーは進まないけど描写がめちゃくちゃ盛れることに気づきました。自分でもどうやってるのかわかってないので意味はないと思います。

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