第30話 フェルメール・エイフィア
王室の扉が開き積み上げられた本、書きかけの書類。
葉巻を咥え煙をふかしていたフェルメール。
「どうしたゾロア?」
言葉を話すたびに口の隙間からは煙が漏れる
「お話がありまして、客人を連れてきました。」
ゾロアは片膝をつき頭を下げる
「客人?今日はそんな予定はなかったと思うが。」
王は葉巻を置き扉の先を見る
「っ。。。。。。」
息を飲むフェルメールの見つめる先には顔見知りの青年が居た。
かつてカレナークでゾロアと激しい攻防を繰り広げた青年ロイだった。
「お久しぶりです。フェルメール王」
昔とはまた変わった雰囲気で王の前に立つ
「久しいなロイ。変わりはないか」
必死に言葉を探す。
「はい。本日は突然の面会失礼いたしました。早速ではございますが、コルティーナ・エイフィアの件でお伝えしたいことがありまして。」
ロイがコルティーナの名前を口にした途端王は態度を変えた。
机を叩き勢い良く立ち上がる。
「コルティーナ。。。。。」
「はい。コルティーナの現状についての報告です。」
名前を口にした王に続き間髪入れず話を進める。
「結論から申し上げますと、コルティーナは生きています。今はどこに居るか分からない状態ですが生存は確実です。」
噂には聞いていた。
過去にロイがコルティーナからのメッセージを受け取っていたと。ただ本人から直接聞いたわけではなく確証はなかったが今確証に変わった。
ロイの目は嘘をついているようには見えなかったからだ。
王はおもむろに話し始めた。
「コルティーナは孫なんだ。コルティーナの両親とは血縁であることを隠し生きてきたんだ、だがなぜかエルフの王にバレてしまい目を付けられた。それから直ぐにコルティーナの両親はエルフ達に拉致され帰ってきたころにはもう生きているとは言えない状態だった。それからだ戦争が始まってしまったのは。私は幼稚だった。癇癪を起し戦を仕掛けたこと、今でも後悔している。」
王の瞳に浮かぶ涙
「とりあえず、僕はこれを伝えたくてこの国に来ました。」
「ありがとう。ロイ。」
王の差し出された手を握り握手を交わす二人。
しばらく時が経ちロイは部屋に戻った。
「あぁ!!ロイ!どこに行ってたにゃ心配したにゃ!」
ロイの胸にシロが飛びつく。
「い、痛いよシロ!」
未だ少し血の滲んだ包帯を眺めシロは謝る。
「ごめんにゃ」
「シロのせいじゃない、謝る必要なんてないんだ。」
ロイはシロの頭を撫でお互いに笑みを浮かべる
ノックが聞こえる
「はい!」
ロイは扉を開けるとゾロアが居た
「ロイ。お前はいつまで滞在するんだ?」
「そうだな、まだしばらくはここに居るつもりだけど。」
「なら、傷が治ったら久々に手合わせでもするか?」
「そうだな!楽しみだ!」
二人は拳を合わせる。
「手合わせ!おもしろそうにゃ!シロもやりたいにゃ!」
合わさった拳にもう一つ小さな手が合わさる
「じゃあ、シロと僕が完全に回復したらゾロアと手合わせでもしよう!!」
「うん!」
二人のやる気を、闘志を身に染みて感じるゾロアだった。
第31話 英雄と呼ばれた男とその弟子




