第25話 出会う少女達
いつ頃だったのかも忘れた。
私が生まれたのはマナンブルグの王侯貴族の家だった
親に愛され周りの大人たちも私に取り入ろうと優しく振舞っていた
8歳の時、両親はミリオンのエルフ達に利用され意識を取り戻すことなく寝たきりの状態になってしまった。
王はそれを知りすぐに動き出してくれた。マナンブルグとミリオンの牽制が続き1年ほど経過したとき
戦争により命を落とした両軍の兵士の膨大なマナは辺りを覆い瘴気の様なものを発生させ周囲の生き物を魔物、魔獣へと変化させた。
発生源がマナンブルグ付近の森林地帯だったためミリオンは軍を引き自国へ帰たが魔物達のスタンピードは収まることなく私たちの国に押し寄せた。
私は一人蹲って自分を呪った。
「なんで、全部私のせいなの。お父さんもお母さんも。」
そんなつまらないことをぼやいていた私の元に一筋の光が現れた。
空を見上げると星が輝いていて、ほんの一瞬で私の心は落ち着きを取り戻してしまった。
一際輝く星に目を奪われ先を見つめていた私は理解できない感覚に襲われた
「これは一体。」
私の見る景色に映っていたのは地面に横たわり血を流し、星を見る青年の姿だった。
名前も顔も知らない青年は寂しそうな顔を浮かべ空の星を眺める。
「まるで、私みたい。」
そして青年は息絶えた。大山優は死んだのだ。
光る星はひび割れていき輝きを失っていく。
手を伸ばす。「私は。」
言葉にならない感情が溢れ出し
星には届かない手を強く握り閉め願う
「もう何も失いたくない。」
決して青年を思ったわけじゃない。
この状況で、両親や王や民が消えてしまう状況を
「失わない為の力が。」
涙を浮かべ空を見上げ震える足に鞭を打つように。
叫ぶ。
「欲しい!!」
辺りの風が止まり、静けさを取り戻す。
「与えましょう。我が力を其方とこの地に生まれ治した英雄の生まれ変わりに。そしてデウスを打ち倒すのです。」
真っ白な羽が優しく少女を照らし優しい声で少女を包む。
「我が名はガブリエル。恩寵を司る天使。我が愚息堕ちし堕天使アステロスコニエルを従えるデウスを滅ぼしてくれ。そして我が息子を解放してくれ。」
とても長い一瞬が今終わる。
私のマナを巡りある赤ん坊の顔が脳内に浮ぶ。
名前も顔も知らないはずなのに
「ロイ.......」
私は口ずさんでいた。
洞穴で久しぶりに腹を満たしたコルティーナはチェルシーとミオと話をしていた。
「コルティーナは何故こんなところにいるの?」
「私は、今逃げてるんだ。神族から」
チェルシーの質問に答えるコルティーナと
コルティーナの答えに戸惑いを隠せないチェルシー
「私監禁されてたの。何かの実験で私のマナがエネルギー源になるって言われて。いろいろされた、そのせいで成長がとまってしまったの。」
コルティーナは年齢が分からない。おそらく16歳の段階で成長が止まっている。
俯くコルティーナ
「えっ。。」
声を出すコルティーナ
チェルシーはコルティーナの頭を優しく撫でた。
「大丈夫体の成長は止まっても心はいつだって成長できるんだから。それにいつか元に戻せるかもしれないじゃん!」
チェルシーが笑顔を見せる。
「そうそう!」
ミオも便乗しコルティーナの頭を撫でる。
恐らく年下である少女二人に慰められるのは複雑な気分だったが。
コルティーナは顔をあげ「悪くないな」って感じの笑顔を向けた。
「コルティーナはこれからどうするの?」
「私探してる人がいて。カレナークに居ると思うんだけど。」
「カレナークは私たちの故郷だし一緒に行く?私も一旦帰りたいし!」
「え。いいの」
「もっちろん!ね!ミオ!」「うん!もちろんだよ!」
顔を見合わせ大きく頷くミオと手を差し伸べるチェルシーの優しさに涙を浮かべる。
「ありがとう。」
「あ、一旦服とか買いたいしリュートゥーに行こう!」
チェルシーの提案で3人はリュートゥーへと足を向けた。
第26話 すれ違う僕達




