22.(卵の行方)
「全く、最後まで人使いの荒い奴だな…」
ミリシャはそうぶつぶつ愚痴りっていた。
「はは、そう言うな。今回の最大の功労者はグリーンドラゴンの卵だ。
無駄にするとバチが当たる…。」
セイヤとミリシャは街の外れの例の森の奥に、とある夜更けの時分に居た。
ロイドにはああ言ったが、まだグリーンドラゴンの卵は破壊隠滅していなかったのだ。
卵を割って、殻を川に流すことは決定事項だったがその前にグリーンドラゴンの卵の珍味を
味わいたく、それを料理の材料として今回の慰労会の馳走に使うつもりだった。
買戻しを遂行するまで、グリーンドラゴンの卵10個を元々あった樹木の茂みから
更に奥の木々の根元へそれぞれ分散して、一つずつ葉の茂みで蔽って隠していた。
2人は巨大なビニール製の袋を沢山持ってきて、その隠していた大きな卵を取り出すと、
手分けして割り、黄身だけを袋に流し込み、割った殻の半分に白身を流し込む。
それが終わると、近くに流れている川に卵の殻をそっと捨てていく。
「早くしろ。誰かに気付かれるかもしれん。しかし殻だけでもこんなに重いとはな。」
殻を二人で持って、よいしょと川へと移動する間セイヤはそう零した。
「ああ、分かっている。さすがあの苦戦したグリーンドラゴンの卵のことだけはある。」
そう戦闘を思い出しつつ感慨にふけりながら、ミリシャは応答した。
全て割り終えて、卵の殻を川に流し終わると、手分けして黄身のたっぷり詰まった
ビニールの大きな袋を抱えると、そのままセイヤの住む安アパートへと向かっていった。




