11話 発覚
「あ」
12%
100%
漏れ出た声と共に、映し出された同化率が100%を表示してしまう。
慌てて意識を集中して同化率を下げるようわざと意識する。
100%
・
・
・
10%
・
・
12%
なんとか意識して同化率を12%までおしとどめる事に成功した。
その場に居たクラスメイトや先生は、僕の椅子を蹴飛ばしたもどき君を見ていたのでモニターは見ていなかった・・・はず。
その結果誰も数値に関して話している様子も見られない。
本当に危なかった・・・・ばれてたら本当にまずい事になってた。。。
もどき君改め屑野郎・・・バレたら僕の居場所が無くなるところだったんだぞ。
そしたら妹にまで被害が及ぶ、許すまじ。
「大狼君、君は自分の目で見ても信じられない事が起きると大声を出して物に八つ当たりする事しか出来ないのですか?」
「うるせぇ!絶対いかさまをしたに決まってる!俺でさえ9%が限界だってのに田舎野郎がそんな数値出せるわけねえだろ!」
「わかりました、君は2週間休学処分とします。」
「な!?」
「わかりませんか?ここは日本の未来を担う育成機関です。現実を認め思考し更に上へ立つ者を育てる場所です。喚き散らし八つ当たりする場所じゃない!弁えろ!!!」
「・・・!!!」
「あ~あ~、いきなり停学処分なんてエリート生にはつけちゃいけない傷がついたね~」
流石に先生の警告を無視したもどきが悪い。
入学して二日目で停学処分とは、ある意味伝説を作れてよかったね。
双樹さんもちゃっかり嫌味を言ってくれてスカッとした。
もどきは物静かな先生にいきなり叱られ言い返せなくなって静かに部屋を出て行った。
これで取り合えず目立つことなく学校生活をおくれそうだ。
そう安心していた、この時は・・・・
「さて、陽守君の能力に問題ないことはここにいる皆に分かってもらえたと思います」
「先生、本当にありがとうございます」
「いいんですよ、生徒を守り・間違えていたら導くのが先生の仕事です
ここにいる皆さんも今後は人の能力を気にするより自身の能力を磨くことをお勧めしますよ」
そう話して、全員で解散することになった。
教室に戻って鞄を取って帰ろうとしたとき、
「ひ、陽守殿 お主既に10%の壁を越えているとは仰天でござる!」
「うぉ!びっくりした!」
オタ・・・いや大田原君がいきなり背後から話しかけてきた。
「高校一年生で10%の壁を越えたことのある生徒はここ数年で現生徒会長と今年の首席入学者だけと認識しておりました!いやはや、まさかクラスメイトに金剛の原石をも呼べるお方がおるとは拙者は果報者でござる!是非とも同化率の向上方法について御教授願いたく!さあ!さあ!さあ!」
「いやいやいやいや、近い!近いよ!それになんか暑い!」
めっちゃぐいぐい来て気持ち悪い!パーソナルスペースが壊れてるんじゃないかと思う位近い!
「ハッ、拙者としたことが興奮を抑えられず申し訳ない!是非とも陽守殿の時間があるときに御指導賜れば幸いでござる!」
「ん~そうは言っても特に何か特別な事をしてるわけじゃないんだよね」
「なんとそれは誠でござるか!?となると無意識下で体内の同化を最適化している・・・?いやはやそんな人並外れた脳処理速度聞いたことがないでござる・・・試験用ナノマシンは・・・ぶつぶつ」
「おーい?大田原く~ん」
駄目だ、一人の世界に入ってる、まぁいっか帰ろうかな。
廊下を歩いて玄関口にむかって歩いていたら、双樹さんが壁によりかかっていた。
「双樹さん、今日はありがとね!また明日ね~」
白髪だから目立つな~と思いながら帰りの挨拶をした時
「ねぇ尊ってさ~」
「え?」
「本当は~既に纏が使えるでしょ~?」
心臓が高鳴った、背筋に冷たい汗が流れる・・・
どうしてバレた、ナギでは2年次に習う項目だと雪璃さんに聞いている。
そんなそぶりは一度も見せてなかったのに、なんで入学から二日目でバレた!
「静かにしてるってことは~正解かな~?」
「待って待って、纏は2年になってから習うような高等技法だよ?
どうして僕なんかが使えると思うのさ?」
「あ~今ので確信したよ~ありがと~」
「!?なんで!?」
「纏について知っているのは~私達新入生でもわかることでしょ~?でもナギの場合2年生から習うなんて誰もまだ話してないよ~?それに陽守君は~わざわざ遠くからここに来る位だから知っている人は近くにいなかったはずだよ~?」
やってしまった~!誘導尋問じゃん!あぁ雪璃さんにどうやって説明しよ!二日目にしてバレましたなんてあああ!
「それにね~さっきの試験室での測定の時~見ちゃったんだよね~同化率が20%位になってたの~」
「まじか・・・」
ふぅっぅぅぅうぅう、危なかったぁぁぁ100%出してたのバレたら本当に終わってた。。。
下がりきりに近いタイミングでよかった、20%程度ならまだ誤魔化せる・・・誤魔化せるよね?
「機械のエラーじゃない?」
「先生はそれは無いと言い切ってたよね~?」
「ぐっ!」
双樹さんは、にっこり笑って
「大丈夫~、誰かに言おうとか考えてないから~」
「本当に!?」
「だけど~一つ約束してほしいなぁ~」
「なに!?」
「同化率を鍛えてくれた人がいるんでしょ~?」
ここでいないと言えば逆にどんどん怪しくなる・・・・どうする!
「その人に私と姉さんも鍛えてほしいな~って」
「とても忙しい人だから約束は出来ないけど聞くだけ聞くことはしてみるよ・・・」
「本当!?ありがとぉぉ~~!」
そういって双樹さんは僕にハグしてきた。
あ、良い匂い・・・・ハッ!
「ちょっとやめて!恥ずかしいよ!」
慌てて引きはがすた僕に彼女は笑顔で
「本当にありがと~聞いてもらえるだけでも全然いいよ~私たちはどうしても上に行きたいんだ~」
そう話した彼女の眼はニコニコした表情から一転して遠くを見つめて悲しげな表情をしていた。
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