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24話 デジャブウ
もう終わったことにしよう。
そしてまた、始めよう。
そう思いたくなるほどに、悠の世界は大きく変わったし、雪子のことも考え始めていた。
だが、喫茶店で会ってから音沙汰なく、悠はそれにあえて頓着せず、そして講義を受けているうちにまた図書館に浸るようになってきた。
それで、本に夢中になっていたら気づいたら彼女が隣に座っていた。
「悠くん久しぶり。何読んでるの。」
「経済と全然関係ないやつ。」
「ほんとだ。」
「……。」
図書室の壁掛け時計が昼を静かに告げている。
どちらを大事にしたらいいのか分からず曖昧な態度をとってしまうのだが、それを分かる訳がなく、雪子は気にしなかった。
もしやと思って、カウンターのデジタル時計を振り返った。
「11:08」
11月08日、優妃の誕生日だ。今は7月、そういえばいつから祝わなくなったっけ。
「ねえ、連絡先交換しよ。」
「いいよ。」
「それと、お昼一緒に食べよ。」
「うん。」
目を輝かせて頷いてしまったことに、もう結果は滑らかなのかと感じた。




