23話 メメ似の隣席
「あの、隣いいですか。」
「どうぞ。」
といって彼女は隣に座った。メメに似たあの子だ。
「カウンターしか空いていなくて。」、メメ似の子がそう言って座ることになった。
彼女はカフェオーレを注文した。
悠からしたら顔見知りだから、口を開いた。
「あの、土地研サークルで一緒でしたね。覚えてますか。」
「ああ、確かに、いましたね。名前はなんて言うんですか。」
「僕ですか。悠です。蓮間徒悠。」
「ああ、苗字が珍しい。自己紹介してましたね。黄色い服着て。」
「そこまで覚えてもらってるなんて零れ幸いです。」
「そちらは?」
「私はですねえ。」
さっきから思ったけど、声が優しい。それでいて声の中に優妃と似た芯を感じる。
「升 雪子です。」
「マスって、アナウンサーのあのかんじですか?」
「そんなにハキハキ喋れませんよ。あはは。」
後ろから来たカフェオーレに目をやり、テーブルに置かれるとほっと肩を下ろした。
「あ、そうじゃなくて。苗字、どういう字なんですか。」
「ああ。それはですね、一升二升のやつです。一升瓶の升。」
「そうなんですか。ではまた会うかもしれませんね。」
「あ、何学部ですか、蓮間かちゅ…」
「悠でいいですよ。経済学です。」
「ああ、やっぱり。さっきの授業でいましたよね。二個めの教室。私も経済学部なんです。」
話が弾んでいくうちに悠は、優妃の目の優しさを彼女に見出そうとしてしまい、そのたび反省した。




