22話 人格統合の余地
休めと言わんばかりに体が痛む、正しくは内臓がチクチクするのだ。
リモート授業になって本当に良かったと思う。
今必要なのは一人になる時間、でもずっと一人だと優妃のことが浮かんで消えない。
今週の授業は一人で大学まで行くことにした。
別に行っても人も少ないし、外の空気を吸うのと、程よい緊張感を求めていた。
経済心理の授業は程よくきれいな理論にこれが分かったらねえ。と思った。悠は文系であることがいけないように思っていて、できるだけ理系に近い分野を選んだのだ。
しかし、この授業を受けていると、果たして自分にとって必要な荷なのだろうか、不要な重荷ばかりを選択して苦しんでいるだけな気がしてきた。
こう思ってしまったらもう後は馬鹿々々しい。
気づいてしまった。俺は走りたいわけでもなく、経済学がしたいわけでもない。悲恋のポップソングに寄りかかり、悲劇のヒーローを気取らなくていいみたい。
どおりでみんな楽しそうにおしゃべりができる余裕があるはずだ。だってそうさ。細かい目的の有無は置いといて、ある程度自分の関心に沿って決めた道なのだから。
そう思うと話は早くて、でもこれも一つの運命と受け止めて人生一方通行だからしてやり直しがきくと見える。
研磨の終わったことは戻らないけど。
第二教室を抜けて階段を降りようとしたら、誰かとぶつかりそうになった。でもそうなる気がしていたからあまり驚かなかった。
「ごめんなさい。」
メメ似の彼女がメメより短い黒髪を揺らしながら謝り、去っていった。
こんなに孤外感を感じるのは、自分に不親切にしたせいだと、責めたくなったが、そんなことに自分で気づける自分に少し明るくなった。
かなり前に途絶えているメッセージのアプリを開いてメメに電話しようか、やっぱりメッセージを送ろう。こう思って悠は、バス停まで向かったのだ。
授業はもう一時間半先で、何処か駅ナカで喫茶店にでも行こうと思った。
しかしそこでまた、奇妙なことが起こるのだった。




