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20話 そっくりさん
体がこわばった。
目の前にメメがいる。
夕食をとるために入った大広間、しばらくしてメメと知らない女性たちが目の前の席に座ったので悠の体は緊張でこわばったのだった。
「もう食べちゃっていいのー?」
「先輩らもう食べてるよ。」
しかし、考えてみればメメは今ごろ東京で寮生活のはずだ。
そっくりそのまんまの目をした女性が、相対して天ぷらを食べている。
こちらも箸を割り、水をお代わりしていると、彼女らのグループの一人がこちらを見て
「お水こっちにもらえますか。」と言ったので
「後ろにもあるよ。」と教えた。
「あ、ほんとだー。ありがと。」
また彼女たちは賑やかな声と溶け込んでいった。
耳を澄ますと、メメ似の人の声はとてもふわふわで穏やかで、全く違う性質を持っていて安心した。
嫌な汗をかいたが、この時間が悠にとって少しの幸福であったために、目が覚めた。




