16/31
17話 駄菓子メッセンジャー
悠にキスしてから、大会まで一度も話さなかった。
夏の間妙に部活全体に熱が生まれて、少ない部員がほとんど駅伝に参加した反面、悠だけは休みがちになった。
もともと、ここしばらく覇気がなかったし、長距離をやろうなんて、かわいそうに思えてしまうくらいだったから、私も何も言えなかった。
私のタイムは縮んでいくのに比例して、悠の目は死んでいった。
何を馬鹿なことをしているのか。悠の顔を一発ぶん殴りたかった。
そんな気持ちを傍らに、珍しく晴れた2月のはじめ、優妃はメッセージを付けたココアシガレットを悠の靴箱に入れた。




