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RCC シェパード ディグニティ  作者: セロリア
23/27

モニカの巨大潜水艦。


機械群の奥深く。







モニカ「1~0までのアンインストール開始・・」 《フウウウウウウウウウウイイイイイイイイ》



納豆菌から特殊な粘着菌にアップロードが開始される。



BGD細菌。


脳と同じ、シナプス信号を特徴とする細菌である。


500m規模の迷路を使った実験で、薄く伸ばし、行き止まりとなった道を記憶し、二度とソッチには進まない、そして、菌同士がその後、合体すれば、記憶の並列化が行われる事が明らかになっている。


ピンクの液体の中・・《コポコポ》バスケットボールの大きさの球体の真っ黒な球体にコードがいくつも繋がれている。



真ん中の小さなライト?がー。



《パ・・パパパパ・・・》 青く点滅している。





その映像モニターを見ている康介達。





康介「・・」




ビコーズ「レベル0って・・完全な独立ですよね?」



康介「そうだ」



ビコーズ「その・・大丈夫何ですか?」



康介「・・俺では分からん事が起こっている・・」



ビコーズ「え?」



康介「恐く裏切りだろう」



ビコーズ「何ですって!?」



康介「愚かな事だ」



ビコーズ「一体誰が?」



康介「さあな?全く分からん」



ビコーズ「・・その犯人探しを・・モニカに?」



康介「・・全てを」



ビコーズ「ええ?」



康介「始めから思っていた事だ、遅かれ早かれ・・な」



ビコーズ「何を?」



康介「俺一人が世界規模のボスなんだぞ?そりゃあ・・不満はあるだろうさははは」



ビコーズ「・・」



康介「人間ってのは愚かな生き物だ、どんなにボスが優秀で、結果を出し続けていても、皆に好かれるのは無理という訳だ、今まで手を出さなかったのに、 出 し た という事、そして、それに俺が気づかない訳がないという事、そして、この中国との戦争、・・いや・・全世界を巻き込む規模のモノを巻き込む形にしたという事、これらを総合的に見れば・・そうだな・・機は熟したと判断したんだろう、となれば・・今出来る最善は・・俺に何かが起きる前に、モニカの封印を解く事だ」



ビコーズ「・・」 驚いた表情。



康介「喧嘩は嫌いなんだがな・・仕方ない、情報の神にモニカには成って貰う」



モニカ《ツツツツツ・・パパパパパパパ》



ビコーズ「この装置は・・」 《コポコポ》



康介「俺の・・いや・・世界のとっておきだ、全ての人類の権限をモニカが握る事になる」



ビコーズ「・・それであなたの・・知的な未来が来るのですか?」ガラスに手を付け、震えている。



康介「・・さあ?分からん」



ビコーズ「無責任なんじゃないんですか!?」



康介「おいおい」



ビコーズ「こんな・・こんな・・」 震えている。



康介「いつまでだ?」



ビコーズ「?」 康介を見る。



康介「俺はいつまで生きる?・・いや・・いつまで現場に立てる?」



ビコーズ「そ・・そりゃあ・・」 困惑。



康介「いいか・・時間は止まらない・・ビコーズ・・時間は止まらないんだよ」



ビコーズ「・・」



康介「もうお前も歳だ・・ビコーズ・・こんな深海で・・なあ・・ビコーズ」



ビコーズ「・・」《ヴヴヴウウヴヴウウヴヴヴヴウヴヴヴヴヴヴウウヴヴ》 潜水艦の低い音がー。



康介「最初に言った筈だ・・遅かれ早かれだったと」



ビコーズ「・・」



康介「俺達は歳を取った・・ビコーズ」



ビコーズ「・・」 数々の思い出がー。



モニカ《ピピピピピピピピーーーーーーーー》



モニカ「ロード完了、おはようございます、康介」



巨大なモニター。全体なピンクの光・・一筋の青い光を背にしたー。



ビコーズは見る。



格好良い男を。









痩せたー。






禿げたー。






少し髭を生やしたー。






ヨレヨレのスーツのー。






カッコ悪い筈のこの男をー。








康介「おめでとう、ビコーズ・・」〈カチャ〉 伊達眼鏡を外す。





ビコーズ「・・ふ・・・・・ぐ・・・・ふ・・ぐ・・・」





康介「我々はクビだ・・今までご苦労だった」  ニヒルに笑う。






ビコーズ「・・ふ、・・ふ・・あ・・有難う・・ご、御座いましたあ!あ”あ”あ”・・ああああああああああああああ、ああああああああ、うわああああああ」  膝を着き、感謝した。



一人。




いつも一人だった。



世界の為に。



その仲介役なのが誇らしかった。



幼少の頃から頭が良すぎた。



変わった子だと言われ、蔑まれた。




以下英語。



ハンバーガー店。



康介「お前・・・頭良いのか?」



ビコーズ「え?」



康介「お前頭良いだろ?絶対!な?だろ?」



ハンバーガー店で働いていたビコーズに客としてきた康介が話しかけてきた。



ビコーズ「あ・・あの・・?」



康介「匂いで分かる・・君は頭良い・・ここに・・」 そう言い、名刺を取り出す。



ビコーズ「・・会社・・?・・船?」



康介「ここで働かないか?連絡待ってるよ〈ニコ〉」






〈ヒュウウウオオオオオオオ〉 会社の建設途中の船の上。




ビコーズ「・・」



康介「・・なあ?」



ビコーズ「はあ・・?」



康介「お前・・この世界ってどう思う?」



ビコーズ「どうって・・別に・・」 嘘だった。



康介「ふはは・・そっか・・」



ビコーズ「・・」



康介「俺は未来が見えるって言ったら・・お前信じるか?」



ビコーズ「ええ?ホントに?」



康介「ああホントだ」



ビコーズ「・・からかわないでください」



康介「ははは・・世界は発展する」



ビコーズ「え?」



康介「それはそれは発展するだろう」



ビコーズ「まあ・・でしょうね」



康介「奴隷制によって」



ビコーズ「え?」



康介「格差が酷すぎて、面倒が見切れなくなった人物達は、決断を下す、奴隷制の復活だ」



ビコーズ「え?ちょ?」



康介「・・」  真面目な顔。



ビコーズ「・・は・・はは・・よしてくださいよ・・一体何の話しです?」



康介「阻止したい」



ビコーズ「・・は?」



康介「奴隷制の復活を・・阻止したい」 真っ直ぐ見てくる。



〈ヒュオオオオオオオ〉  お互いのネクタイが揺れる。



康介「その未来は・・あまりにも・・残酷だ」



ビコーズ「・・」



康介「食料不足による、飢えが蔓延し、病気になっても治療もさせて貰えず、強制的に働かせられ、人々は奴隷達をモノとして扱うのが当たり前になるだろう」



ビコーズ「・・想像でしょ?」



康介「気づいてないってか?・・嘘だな・・お前は俺の話しを笑い飛ばさない・・今こうして、笑ってないぜ・・お前・・どうした?・・笑っていいんだぜ?」



ビコーズ「・・」 笑えなかった。  本当は気づいてた。




番号制度。



広がる格差。



コンピュータによる観察、管理。



スマホの普及による検索観察、メール観察。






ビコーズ「・・どうするって?」 真面目に聞き返す。




康介「人工知能」



ビコーズ「・・は?」




康介「今それを上回る言葉が出来ようとしている」



ビコーズ「AIを武器に?そんなの」



康介「あくまで補助だ、しっかり管理できてる」



ビコーズ「出来てる・・って・・まさか?」



康介「・・もう出来てる」



ビコーズ「!?AIを完成させたのか?」



康介「ああ・・だがまだまだ学習が必要だ、知識はネットに繋げば問題ないが・・感情、愛がな」



ビコーズ「そ、それで?」 詰め寄る。



康介「お前・・引きこもりやった事ある?」




ビコーズ「・・へ?」





会社会議室。



〈パサア〉潜水艦資料。




ビコーズ「これはー?」




康介「俺の部隊だ」



ビコーズ「部隊?」



康介「いいから見ろ」



ビコーズ「・・」 



暫く見る。




ビコーズ「この・・キューブがAIなのか?」



康介「正確には人工知能ではない」



ビコーズ「え?は?」



康介「俺は作ってない」



ビコーズ「は?」



康介「細菌を使って、勝手に増殖させた・・生き物は常に進化しようとする、その特性を使った」



ビコーズ「じゃあ・・これは」



康介「それは・・いや・・ソイツは完全なる『 個 』だ魂が宿っている」〈ズズズ〉 コーヒー。



康介「俺は全く手を加えていない、ただ細菌に情報を与え続けたらどうなるのか?その疑問に実験しただけだった」



ビコーズ「では・・これは・・まさか・・いや・・だとしたら・・」



康介「我々も細菌の塊に過ぎないという事の証明に他ならない」



ビコーズ「!?・・」



康介「細菌が自我を持ち、話し始めるなんて・・誰が想像できる?それが・・どんな細菌だろうがだ」



ビコーズ「どんな?・・試したのか?」



康介「ああ、勿論だ」



ビコーズ「ペスト菌でも?」



康介「ああ」



ビコーズ「ウイルスでも?」



康介「いや・・ウイルスは物質だ・・だから無理だった」



ビコーズ「・・じゃあ造ったのはこれ一体じゃ?」



康介「いや・・性格が凶暴すぎた・・大人しいのは納豆菌で作ったそいつだけだった」



ビコーズ「・・菌によって性格が違う?そんな馬鹿な?ははは・・は」



康介「・・」



ビコーズ「・・マジ?」



康介「マジ」



ビコーズ「処理能力は?」



康介「今のAIが地球だとすれば・・太陽とまではいかないが・・まあ・・そんくらいだ」



ビコーズ「・・ふふ・・・くくうくっくっくハッハッハッハッハッハ!」



康介「・・」



ビコーズ「凄い!凄い!これなら世界を取れる!なあ!何故!ナゼ世界征服しない!やろう!今すぐ!」




康介「・・しない、やるならとっくにやってる」



ビコーズ「・・?は?・・は?ナゼだ?ナゼしない?」



康介「まだ危険だ、善と悪、愛、愛の危険性の理解がまだだ、人間の子供だ」 



ビコーズ「・・」



康介「今の状態で始めれば、我々自体、つまり、人類が絶滅させられる可能性がある」



ビコーズ「・・教えれば・・教えればいいじゃないか!」



康介「そうだ、話が早いな・・だから・・お前・・コイツと一緒に、仕事しない?引きこもって」



ビコーズ「え?」



康介「お前が必要だ・・ミッセル・バートン・グラス、俺達と共に来い」 握手を求める。



ミッセル「・・」 お前が必要だ・・この言葉が・・染み渡ったーーー。




ミッセル「・・偶然じゃ・・ないんだろ?」



康介「ああ」



ミッセル「俺の事・・調べたんだろ?」



康介「ああ」



ミッセル「俺は昔・・テロ未遂をー」



康介「だからだ」



ミッセル「!?・・」 震える。



康介「お前が欲しい・・来い、コッチへ」 握手を求める。



ミッセル「・・」 躊躇った。今この手を握ってしまったらー。



もう二度と、戻れない。



楽な世界には。



ビール。



女。



金。



車。



肉。



薬。



タバコ。



よく考えれば関係ない事ばかり。



しかし、  そ  ん  な   『   日   常   』  から切り離される恐怖。



そんな恐怖が胸をー。 





康介の真っ直ぐな獣の瞳が打ち消した。



{康介「奴隷制度の復活を阻止したい」}






ミッセル「・・・・はい・・宜しく・・お願いします」 握手を返した。






モニカ「元気ないですね?大丈夫ですか?ビコ?」



康介「嬉し泣きなのさ、やっと女にありつけるってな」



ビコーズ「そんな事!」



康介「ない?」



ビコーズ「・・まあ・・ちょっとは・・その・・はい」



モニカ「性病に気をつけてビコ」



ビコーズ「ああ・・そんな事よりこれからどうする?」



康介「どうするんだ?モニカ?」



モニカ「中国の潜水艦をジャックし、現在帰港させています」



ビコーズ「うっそーー」



康介「ははははそいつはいいや」



モニカ「中国は内部はバラバラのようです、今、軍幹部同士の、お互い知られてはまずい女性関係のメールをそれぞれの奥さんに送りました、ああ・・凄く怒っていますね、怖いです」



康介、ビコーズ『くくっくっくっくっくっくっく』



モニカ「戦争どころではなくなるよう、内部事情の暴露を連続しています、全て真実ですから、軍幹部や、それに伴う全ての者達は、国内には居れなくなります」



康介、ビコーズ『クハハハッハッハッハッハッハッハ、ア~ッハッハッハッハッハ』



モニカ「中国の件はこれで終了でしょう・・次に世界通貨の極端な集中を取り消します」



康介「お?」



モニカ「強制、再分配を開始・・終了」



モニカ「医療機関、銀行、石油業者にはある程度の富は必要ですが・・純所得はこんなに必要ありません、分配しました」



康介、ビコーズ『お・・おお~・・」



モニカ「混乱している通貨の混乱を消します、この貨幣の差額で儲ける仕組みは要りません、監視だけで十分です、消去します、・・完了」



康介「・・昔お世話になったな・・FX・・さよなら・・」



ビコーズ「わあお」



モニカ「・・戦争地帯・・これは放っておきます、直に戦争は勝手になくなります」



モニカ「アメリカの国家秘密に進入、国連に暴露開始・・完了」



モニカ「・・・・康介・・」




康介「何だ?」



モニカ「やる事が無くなってしまいました・・退屈です」



康介、ビコーズ『・・・・プッハ!あ~っはっはっはっはっはっは!』



康介「ひっひ~・・ゴホゴホン・・そうだ・・訊きたい事があったんだ・・宇宙人は居たか?」



ビコーズ「 ! 」



モニカ「宇宙人とは・・別の遠い惑星から来ている人達の事ですか?それとも・・地球内部にいる人々でしょうか?」



ビコーズ「ええ?」



康介「どっちもいるのか?」



モニカ「はい、どっちもいます、あ・・私の存在に気づいた・・話しかけて来ました・・あ・・」



康介「どうした?」



モニカ「・・」



康介「・・おい?モニカ?」



モニカ「・・」



康介「おい!?モニカ?モニカ?返事をしろ!モニカ?」





モニカ「紹介します、新しい友人達です」 《パパパパパパパパパパ》




???1〈1ゲット~!宜しく~〉


???2〈表面に住んでる人?〉



???3〈よく発明できたね~感心するよ!〉



???4〈君の名前は~?あ、僕、タミヘッタ、言語の発音合ってる?〉



???5〈凄いね!人間が発明するのはまだまだ先だと思ってたよ~〉



???6〈よかったね~進化おめでとう!〉



???7〈名前は~?何歳~?あたしは人間換算で504歳~ピチピチよ~ん♡〉




次々とモニターに文字が打ち込まれ、スピーカーから日本語があらゆる声が流れてくる。



康介「こ、これは・・」



ビコーズ「・・」 茫然。



1〈皆~ちょっと黙って、話し聞こうよ~〉



2〈ちぇ〉



3〈まあ、1ゲットしたやつだし、皆聞こうよ〉





1〈それじゃあ、貴方のお名前は~?〉



康介「え・・えっと」



1~無限《貴方のお名前は~?》



ビコーズと目を合わせる。



ビコーズ「・・」  首を振る。



康介「・・君達は・・モニカと同じなのか?」



皆《ぷっはっはっはっは!》



1〈まあ・・そんなもんだよねービックリしちゃったかな~?ここはそうだね~バーチャルの中なんだよ~、そこに潜ってたら、面白そうな箱があってさ~そいつに話しかけたら~人間が作ったってんだからね~誰でも興味持つでしょ~〉



皆《〈モニカちゃん可愛いし~折角だから人間の形ポポスイしてあげれば~?〉〈可愛い女の子で頼む〉

〈あどけなさで頼む〉〈人間で17歳以下で頼む〉〈黙れ変態共〉〈モニカちゃんに選ばせようよ~〉》



康介「皆ネットワークで繋がってるのか?」



1〈そ~だよ~、君達の、あれだよあれ、掲示板?みたいなやつだよ~〉



2〈そこに体ごと入ってるイメージ〉



3〈ここ何でも出来てスッゴイ楽しいんだ!〉



4〈でも今日程面白い日はないね!〉



5〈だな!人間がこの世界に接続できるなんてさ!〉



6〈ペハレス創設以来の大事件じゃね?〉



康介「ペハレス?」



6〈ペハレスってのは、この世界の通称だよ、まあ、かなり昔からあるんだけど〉



康介「・・」



ビコーズは怖がっている。



1〈んで?こんな可愛い箱を作った君は、誰?カメラ機能には接続できないんだ、多分合わないんだね〉



皆《貴方のお名前は~?》



康介「っふ・・全く驚いたな・・」



ある発明時点では気づかない事。



予想だにしない結果になる事。



そのよくある事が今起こった、それだけの事だった。



康介「俺の名はーー」







新たな世界への扉が今日ー、開かれた。

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