初咲・ソミシア
6日後。
グラウンド。
極短芝生。
全て平坦。
XX組。
全て3年メンバー。
初咲「・・」
武器を持った7人に囲まれていた。
この学園では、基本は一対一だが、本人の了承、審判の了承があれば、多数対一も可能。
その代わり、ポイントは一気に手に入る。
そしてこの試合は多数全体が一と数えられる為、一人分のポイントを分ける事になる。
因みに、多数でやった後に、その多数の中の人物ともう一度勝負する事は審判が良いと言えば出来る。
女1木刀。
女2木刀。
女3薙刀。
女4模造ナイフ2本、。
女5素手 (グローブ)。
女6素手 (グローブ)。
女7模造青龍刀。
初咲素手 (グローブ)。
全員装備装着。
???「あら~やりますわね~お元気です事・・」
OO組の一人が通り掛かり、3階渡り廊下からグラウンドを見下ろす。
審判「承った、では・・始めます、宜しいですね?」
初咲「はいは~い(全員派手に転ばせよ、それでいいでしょ)」 頭に腕組み。
全員『・・(舐めやがって)』
審判「では・・始め!」
右利き女2「ああ!」〈ブン〉木刀を右手に握り、横振り、初咲の右横腹を狙う。
初咲は〈トン〉相手が振る前に、一瞬で間合いを詰め、屈み、自身の首の後ろに右手を回し、2の首の後ろの服を握り、〈グン〉引っ張り、一瞬だけ背中に乗せ、膝を一気に伸ばし、高く、背中から落とそうとー。
2「くう!〈くるん〉」〈ザン〉 捻り、腹、手から着地。
初咲「(はら?)」
1「ふん!〈ブン〉ふん!〈ブン〉ふん!〈ブン〉」木刀。初咲は全て焦りながら躱す。
初咲「(およ~)」
3「いやあああ!」〈ブンブン〉薙刀で足を狙って来る。初咲は2回、バク転。
初咲「(こりゃ中々~んお?)」
そこは4、5、6がいた。
4「しししし〈ヒュヒュヒュ〉」 両手ナイフ。 スウェーで躱しながらー。
5「しし・・し!」〈ボボ・・ボ!〉 斜め前。キックボクシング。全て躱す。
7「はいやあああ!」〈シャン!シャンシャシャ・・〉左真横から青龍刀。 〈トントーン〉たった2歩のバックステップで随分距離が出来き、全て躱す。
審判「ゴホゴホ・・(さあ・・どうしますか?)」
全員『勝てる!』 追いかける。
初咲「・・(ふうむ・・じゃあ・・そろっと始めますか♪)」
???「あらあら、その人数でやって2秒以上ノーダメージとは、これは相当に開きがありますわあ、ん~~貸切りな所を見るとXX組ですわよね~?」
初咲「・・」〈ズザア・〉滑りながら軽い表情で振り向きシラットの構え。
4「は!」〈ヒュ〉左ナイフ。右即頭部狙いー。
初咲「・・」〈パン〉 右裏拳。〈ブチ〉4の左手の筋が切れた。
4「あう!」 初咲の斜め後ろに勢いで流れる。それを今は無視。
続いて木刀組の1、2が来る。それぞれ前方斜めずつ。
初咲は少し右横バックし、〈ヒュオ〉2の打ち下ろしを躱し、2の影に、1から隠れる。
初咲「ほい」〈パシ〉左足刀蹴りを2の右足のふくらはぎへ。〈ズン〉重い。
2「く!?」
5「シ!」〈ボ!〉続いて5が左回し蹴りを頭にー。
初咲「・・」〈トン〉右裏拳で上に弾き、そのまま上体を右横に思いっきり倒す。〈ズックン〉5は瞬間覚悟した。壊れたかもと。
2が倒れる。
7は青龍刀を右後ろから横に振ってきていた。初咲の背腹を横に薙ぐつもりだったがー。
初咲は既に上体を倒しており、〈ヒュ〉躱した。そのまま真横に来た7の左足に〈トン〉右裏拳。〈ビキ〉
7「あう!?」 返す刀で、左足に体重をかけようとしていた為、ぐらつく。
流れた4が振り向き右手ナイフで、背中に刺そうとー。
7が倒れる。
初咲は前方に倒れー、右足だけでバネ前転し〈ブン〉それを躱しー。着地と同時、〈ヒュオ〉3の首狙いの薙刀を〈カクン〉膝を折り、躱し、〈ヒュザザザ〉ほぼ膝は地面スレスレで間合い詰め、3の両足の前太ももに軽く 《トン》両手刀指刺し。
左から木刀の1が来ている。ステップの流れを切らず、左斜め前に低姿勢のままステップ、半間置き、1の膝下へ左斜め後ろに、〈トーン〉もっと早いステップ。
1、3『は!?』〈ドサア〉 3は前に倒れた。〈ビリリリ・・〉足に力が入らない。
後ろから4の右ナイフ、右から6グローブが来ていた。
1は慌てて足元の敵に向かって、後方に下がりながら、振り下ろすが、初咲は離れず付いてきていてー。
1の木刀の柄の間合いに入られ、 《トトン》両太ももの内側に交差手刀指刺し、そのまま〈くる〉っと回り、立ち上がり、シラット構えで4、6を迎え撃つ。
1「ふひ!?」〈トサア〉 後ろへ尻餅。
上半身と下半身を別に動かす。
6「シッ」〈ボッ!〉右フック。左頭狙いを〈ヒュオ〉スウェーで躱しながら、左足で、蹴りを〈パン〉6の右足膝裏へ。
それと同時に4の右ナイフを左手で受け止める。
6「ひふ!?」 ぐらあっと痛そうに右に倒れる。
4に右手指で〈パン〉デコピン。
〈トサア〉 6が尻餅。
4「痛った~」 ぺたんと膝を着き、おでこをさする。
審判「それまで!ゴホゴホ、これ以上は無意味と判断します!勝者、初咲!」
初咲「・・やったあ!勝った勝ったあ!3年に勝ったあ!お給料高いぞ~」 ピョンピョン飛び跳ねている。
お試し期間とはいえ、ポイントは予定として入る。
全員『「うう・・」「痛いよう・・」「痛いよおおうわああん」「くっそおお動け動けよおお」「こんな、こんなあ」』
初咲「・・う・・うう・・」 何だか喜べない雰囲気。
全員『「ひっぐ、ひっぐ」「恥だよおおお」「1年に負けたああ」「くそくそくそ」』
初咲「うう・・わ、私悪くないもん!悪くないもん!そっちが挑んで来たんだもん!これでも手加減してるもん!」
審判「はいはい運ぶからね、ゴホゴホ、どいてください」 他の公務員達が急いでストレッチャーを7台持ってきた。
皆が運ばれて行った。
審判「初咲さん」
初咲「・・何ですか」 落ち込む。
審判「このお試し期間が終わればあなたにはOO組への挑戦資格が与えられます」
初咲「・・」 ムスっとしている。
審判「・・おや?嬉しくない?」
初咲「どうせ、その人達も弱いんですもん」
審判「まあ、多分弱いでしょうね、貴方からみれば、しかし、2人だけXX組とOO組に天才がいます」
初咲「え?」
審判「OO組審査には通らなかったのですが、2年にいますよ、OO組に勝った人がね」
初咲「そうなんですか!」
審判「ふふふ・・楽しみですか?」
初咲「〈パアア〉はい!とってもとっても!」
審判「そうですか、そうですか、では、後2日、頑張って励んでください」
初咲「は、はい!失礼します!」
次の日の夜。
日本太平洋。
洋上。
大型豪華客船。
中層階。
司会「レディーアーンジェントルメーーン!ようこそー!この素晴らしき日にい!タイミングにー!そしてえー最っ高のショーステージへーー、今宵、繰り広げられるう!人間の根幹の欲求をー、発散させたいかああ!」
皆『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』 地響き。
司会「さあ、という訳でですねー、始まりましたー、ねえ?ウルフさん?始まっちゃいましたねー?」
ウルフ「おいおい~何で俺がこんなー」
司会「さあ!始まりました第3回!サバイバー選抜で生き残った優秀な戦士達による激闘がー、激、激、激闘があ!ねえ?ウルフさーん、楽しみですねー」
ウルフ「っふまあ・・俺に勝ったあの女が勝つに決まってるがな」
司会「その少女のオッズがとんでもない事になっていますね~」
ウルフ「まあ、当然だな、俺に勝ったんだ、優勝して貰わなければな」
司会「そーですねーええ、楽しみですねー、特にどんな衣装で登場してくれるんでしょうか?」
ウルフ「そうだな、何か用意してたみたいだが・・俺は知らー」
司会「おお?そう言って内に抽選が終わったようです!さあ、最初の試合は~?」
〈カタカタカタ〉 パネルがひっくり返っていく。
司会「来ましたあ!最初っから来ましたあ!初咲ソミシアあああ!そしてその相手はあ?〈カタカタカタ〉おおっとお?これは大変だあ!あのゴーレムこと、西洋の怪物~、フランスからの登場だあ!握力は200kg超え~、怪力男、バゼル・ハイ・シュタインだあああ」
個人控え室。
電話中。
初咲「ちょっと、これどういう事?」
???「ん?何が?」 女の声。
初咲「あんた、あたしの担当なんでしょ?もうちょっとマシな衣装なかったの?」
???「それが一番だろ?動きやすいし」
初咲「でも・・これって・・体操服じゃん!しかもこれって・・ブルマってやつじゃないの?」
???「あっはっはっはっは安心したまえ、君の勇士は動画に全世界発信されるだろう!」〈プツ〉
初咲「え?は?おい?・・あ、あいつ~~、後で覚えてろよ~」
暫く考えるが。
初咲「やっぱり、ドレスしかない~、トホホ~着るしかないっか・・ああ~もう~マジでぶっ殺す!」
観客達『うううおおおおおおおおおおお・・』 地響き。
バゼル入場。
全方位網に囲まれたマットラウンド。
5角形。
しかし、広い、スペースは20mある。
バゼルが中に入る。
司会「さああ、第一回目の試合はバゼルと少女との試合となりました~、どうですかウルフさん」
ウルフ「ま、60秒持てば良い方だな」
司会「おお?それは1分以内に少女が勝つ、そういう事でしょうか?」
ウルフ「ああそうだ」
バゼル「ッケ、すぐに終わらせてやるぜ~」
〈ブシュウウウウ・・〉 ドライアイス噴射。
初咲入場。
司会「来ましたああ!ウルフにナイフ戦で勝ち、己の未来を切り開いた少女おお!初咲・ソミシアアアアアア、今、入場でええすってあれ?あれええ?ブルマだああ!何とブルマで入場だああ!」
観客達 (特に男)《ウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ》 地震。
司会「これは初咲選手分かっているうう!サービス精神にも抜かりありませええん!!会場も大盛り上がりだああ!!」
ウルフ「(あの馬鹿、衣装くらい自分で用意しないからだ、どうせ、あいつの仕業だろう、はあ・・)」
檻の中に入る。
初咲「うう・・うう~恥ずいいい」〈もじもじ〉
男達 《ウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・》 地震。
バゼル「おお、これはこれは、痴女だったのか、お前~、へっへ~舐めてやろうかあ?ああ?」
初咲「あ?」 表情が変化。
ウルフ「(チッ、あの馬鹿、わざわざ重傷の可能性を増やしやがって)」
バゼル「ほっほっほ、おほお、やっぱ可愛いねえ、おじさん、興奮しちゃうぞ~?」〈もぞもぞ〉
初咲「・・」〈オオオオオオオオオオオオオオオオ・・〉
ウルフがマイクを使う。
ウルフ「ルールは分かってるなあ?」 会場に響く。
バゼル「ああ?解ってるっての」
ウルフ「てめえに言ってねえんだよ!すっこんでろ!ぜい肉!」
バゼル「な、何だとてめえ?」
ウルフ「故郷に仕送りすんだろ?ああ?」
初咲「・・うん・・ありがとう、おいちゃん、もう大丈夫、にひ!」 ウルフに向かいピース。
ウルフ「〈ホウ〉・・」 黙って頷く。
司会「それではもう間もなく始まります、え~それではですね、ルール説明を致します、相手を死に至らしめた方は負け、武器使用は負け、その他は一切のルールはありません!目潰し、握りつぶし、手刀、何でもありです、制限時間はありません、片方が負けを認めるか、言えない場合、タップ、その他は審判の判断となります」
初咲「・・」〈コキン、コキコキ〉 首、足首、手首運動。
バゼル「うっしゃああ」〈ゴキゴキ〉
司会「え~それでは間もなく時間です、始まります」
中央に3人が集まる。
審判「・・両者向かい合って・・ルール理解はいいな?」
頷く2人。
審判「それでは両者、端に移動して」
端に移動。
審判「西、バゼル・ハイ・シュタイン、東、初咲・ソミシア準備は宜しいか?」
バゼル「・・(まあ、油断はできねえ、何しろウルフをやったってんだからな)」
初咲「・・」
審判「それでは・・始めい!」
観客達『ううおおおおおおおおおおおおおお・・』
バゼル「・・」 構え、じりじりと進む。
初咲「・・」 普通にスタスタと歩き始め、向かう。
バゼル「(ああ?舐めてんー〈ヒュ〉 初咲は前に素早く移動しー〈ピタ〉少し遠くで止まった。
バゼル「あ!?〈ヒュ〉半間置き、すぐに動く、今度は完全に懐に入った。
止まったと思った瞬間の位置は、向こうから来るのか、こっちから行かなければいけないのか、ギリギリの迷う、間合いであった。
その迷う意識の瞬間を作り出し、初咲は2瞬にして、懐に入った。
ウルフ「(馬鹿が、怒らせるからだ)」
バゼル「な〈トン〉ー!?」 みぞおちに軽く左拳一撃。
初咲「・・」 くるっと回転し、スタスタとまた最初の位置へ歩く。
バゼル「(あ!?馬鹿が・・これで終わりか?効いてねえんだよ、今度はコッチ~~?〈ズダアアン・・〉白目で倒れた。
初咲「・・」 〈キュ、パチ〉 壁に着き、ブルマ直し。
《シーーーーーーーン》
ウルフ「ああ・・おい?司会?」
司会「ハ!な、なななななんという事だあああああ!!」
観客達《ウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!》
司会「一分どころかあ!3.2秒おおおおお!3.2秒だああああ!!、なんという強さあああ!これが新時代の幕開けかああ!?とんでもない新人が現れたああ!!凄い!凄い凄いいいい!!凄すぎるソミシア、強すぎるぞソミシアあああ!!」
初咲「・・」 ウルフにピース。
ウルフ「っふ」 頷く。
審判「勝者、東~、初咲~ソミシア~」 片手を審判に掴まれ、挙げられる。
初咲「えへへ~」 片手で皆にピース。
観客達『「可愛いぞ~」《ピュピュウウ》「結婚してくれー」「俺と付き合ってー」「可愛いー」』
退場し、控え室に戻る。
その間も観客達から惜しみない拍手が送られる。
初咲「・・」 凄い高揚感に包まれながら控え室に戻った。
上級席。
???「あの女性は?」
ワインを片手。
灰色の髪。
ドイツ紳士。
???「は、最近ボスが拾った子供のようです、日本で暮らしていると」 女性執事。
???「そうか・・ボスの・・ならば諦める他あるまいな」
???「左様です」
???「ボスはずるいなあ、何もかも思いのまま・・」
???「もう少しの辛抱です、ハーゼン様」
ハーゼン「そうだね、リミア・・もうすぐだ・・あの男の支配は終わりを告げる、今こそ、あの少女のように、新しい風が必要な時だ」
リミア「はい」
ハーゼン「ふふふ、メシアこそ、表にでるべきだ、そうでなくてはならない」
リミア「腐敗の世の中を正すんです」
モニターに初咲の嬉しそうな顔が映っている。
モニターに向かい、ワインを掲げる。
ハーゼン「・・メシアに栄光あれ」




