挑戦者続々
制服はスカートだが、下にスパッツの着用が決まっている。
上下黒の縦線が入った白い制服だ。
廊下の途中に設けられた広場みたいな空間。
壁を見ると、全面ヘッドギアヘルメットと、ボディマット、足ガード、薄い、軽いグローブがある。
このグローブは指が出る構造で、拳の部分に使われてるマットは一番高級なモノだ。
一人公務員がいる。おばさんだ。歳は40後半くらいか。どうやら立会人らしい。
審判「決闘すんの?それつけて」 顎で装備を指す。
初咲と宮田は装着する。
ヘルメットの前面は特殊な透明素材ツラスという、樹脂ガラスでできており、視界を歪ませる事なく、曇る事もなく良好に常に保つ。
衝撃吸収素材は一級品。だが、当然ながら使い手によっては意味をなさない。
足のマットは脛、前面のみ。
上半身は背中、首後ろ、前までほぼカバー。
審判「それじゃあルールね~、相手に参ったと言わせるか、明らかに実力差があったら決着、以上、じゃあ、いいかな?」
2人共頷く。
審判「ではここに審判を努めます、私、007号と申す、模擬決闘申請承った、では、・・始め!」
宮田「アアい!」 飛び右前蹴りー。
初咲「・・」 やや後ろに下がり、〈トン〉右手で下から裏拳。抱えた足が伸びきった一瞬にアキレス腱に当てる。〈ブッツ〉嫌な音が響いた。
宮田「ひっぐ!?」〈ドシャアア〉 そのまま着地出来ず、前後に足を広げ、横に倒れた。
審判「それまで!、貴様あ!ちっとは加減せんかああ!」
初咲「す、すいません・・(いやいやあれ以上どう手加減しろってのよ)」
宮田「ふふ・・大丈夫・・ですわ・・」 起き上がろうとする。
初咲「あの動かない方が・・(モンロおおお?弱すぎでしょおお??軽く小突いただけだよお?)」
審判「よせ!音がした、切れてる!動くな!誰かそこにある組立ストレッチャー持って来い!医務室に運ぶぞ!」
宮田「あたし・・落ちるんですか?ねえ?・・落ちるんですか?うう~ひっぐ、ひっぐ・・」
審判「それはあたしにゃ決定権はない、動くな」
見学していた皆 《ザワザワザワアアア・・》
初咲「・・(やれやれとんだ初日だわ、やっぱりじっちゃの言った通りね)」
ベトナム。
家の庭。
{ハベリー「いいか?お前は自分が思う程弱くない、どんなに体格が大きい相手でも壊す事がお前は簡単に出来てしまう、だから、特に一般人とやる時、やらねばならん時、そんな時があるだろう、その時、必ず最初は手を抜き、四肢のどれかを殴れ、そして、その結果次第で徐々に徐々にレベルを上げろ、決して、最初から頭、胴体を狙うな、いいか?絶対にだ、人間は簡単に壊れるからな」}
初咲「はあ・・(次からはマットの上からやろう・・)」
審判「・・」 初咲を見ている。
審判「(今の動き・・ジークンドーにも似ているが・・足を出していなかった、むしろ下がりながらだった、体重移動せずにこの破壊力、本当に軽い一撃だった、虫を殺す気なく、ただ、払ったかのような・・あの一瞬の見極め、私でも勝てるかどうか・・この生徒・・何者だ?)」
???「次はあたしだ」
初咲「え?」
身長が高く、ガタイは大きいとは違うが、骨太と分かる、肉付きは余分なモノがついていないアスリートタイプ、生まれつき恵まれているタイプだとひと目で分かる。
初咲「いや・・今日はもう・・(面倒臭いなあ)」
???「あたし田中美琴宜しく~」 既に装備を付け始めている。
初咲「・・」 審判を見る。
審判「・・まあ・・やるってんならんば止めはしない、お前・・名前は・・初咲?初咲もヘルメット着けろ」 名札を見て、命令。
初咲「・・はあ・・(いや止めろよ馬鹿審判)」
田中「へっへ~わくわくすんな~強い奴とやんのは~」 〈トントーン、トントーン〉
審判「承った、始め!」
宮田「待って、まだ運ばないで・・見たいの・・」 他生徒にお願いする。
田中「へいへいどうした?来ないの~?」軽く飛んでいる。
初咲「(行ける訳ないだろ~?死にたいの?)・・いいからかかって来なさい」
審判「・・(こいつのレベル・・見極める)」
田中「んじゃ!」〈ヒュオ〉 左前回し蹴りを顔に放つ。
初咲「・・」〈コーン〉 左手で足マットの上から、下からフックで殴った。軽~くだった。
田中は次に右足を出す為に、左足を地面に着地させようとー。
〈ズル〉 支えきれずに崩れる。
田中「〈ズッキイイイン〉あが?」〈ドシャアア・・〉
審判「そこまで!ストレッチャー持って来い!早く!」
田中「ああ?ああ?何でええ?何でええ?」 押さえうめいている。
審判「よせ!動くなあ!今外す、じっとしてろ!」」
田中「う、うう・・」 左足マットを外すと、脛の側面の内側の筋肉が赤く滲んでいた。
審判「こ、これは・・内出血、酷ければ・・分裂か、もしくは潰れ・・」
田中「うう・・うう・・痛い・・痛いよう・・」〈じわああ・・〉 赤みが増していく。
審判「・・お前いい加減にせんかああ!退学になりたいのかああ!?」
初咲「いえ・・あの十分手加減したんですが・・すいません、すいません」 頭を何度も下げる。
審判「・・お前・・手を見せてみろ」
初咲「え?」
審判「早くしろおおお!」
初咲「あ、・・はい」 駆け寄った審判に見せる。
審判「お前・・これって・・」 一見しただけでは素人には分からないが、よく見比べれば一目瞭然に骨が無骨で太い。、拳には微細な傷がいくつもあり、指先に至っては皮がガサガサで分厚い、手刀が出来る事は明らかだった。
審判「・・お前・・SS組に何故入れなかった?武道試験があっただろう?」
初咲「ああ・・あの時私、遅刻しちゃって(機関のトーナメント手続きで)・・不戦敗で・・」
審判「分かった・・私からこの試合の結果、及び、私からの見解を上に報告する事になる、多分お前はSかSSに飛び転入する事になるだろう、寮の荷物、今から帰って片付けておけ、担任には報告が入るから心配するな」
初咲「・・!は、はい!ありがとうございます!」
審判は見学者達に向かい、言う。
審判「今からコイツには挑戦する事を固く禁止する!いいな!絶対にお前達では相手にならん!こいつにはマットなんて意味ないぞ~、壊されたくなければ、絶対にやめておけ~、以上だ、もう時間だ、ほれほれ、解散解散!」
《ザワザワザワアア・・》 皆帰っていく。
初咲「・・あのそれで私は?」
審判「一応、報告終わってからの移動になるだろう、お試し期間はこういう時の為にあるんだ、今は寮に戻れ、今日中にも移動になるだろう、寮に迎えを寄越す」
初咲「・・はい!」
審判「ではな」
その日の昼休み、初咲はSS組の寮に入室。その後、教室に入り、また自己紹介をした。
そこでも異彩を放つ初咲。
あっという間に羨望の眼差しの的。
その日の昼休み。
???「ねえ?貴方~私と勝負しない?ジャンルは武道で!」 短髪のムッチリした者だった。ひと目で何かをやってるのが分かった。
《ざわざわああ》
皆『「やだあ」「もう?」「野蛮ね~」』
初咲「う~ん・・(まあ・・いっか、かなり飛び級したし・・大丈夫でしょ、今度は当てない方向でいってみよ)うん!いいよ!」
???「私、名蓮司、桜っての・・あんたは?ごめん、人の名前覚えんの苦手でさ・・ええっと・・」
名札を見ようとする。
初咲「私は、初咲・ソミシア」 名札を見せながら自己紹介。
教室を出る。
名蓮司「あんたってどっかのお嬢様?」
初咲「はあ?ううん全然?」
名蓮司「皆噂してるよ~?凄っい美人だって」
初咲「う~ん、まあね、美人だよ」
名蓮司「あっはっはっは!あんた変わってんねえ!そこはそんな事ないよ~とか言うんじゃねえの?」
初咲「そうなの?自分の事悪く言うの?」
名蓮司「遠慮ってえの!」
初咲「ふうん・・よく分かんない」
装備を付ける。
観客達 《ザワザワザワ・・》
審判「・・承った、はいはい、それじゃあ、私、013号です、始めるぞ、・・始め」
名蓮司「・・」 〈トントン〉ボクシングの構え。
初咲「・・」 両腕を上げ、拳は開き、上を向け、前方に構える。
名蓮司「・・シラット?」
初咲「!うん!よく分かったー」〈ヒュ!〉踏み込んだ名蓮司。 一瞬で間合いを詰める。
名蓮司は左アッパー、顎をめがけ、やや体を仰け反らしながら撃った。〈ブン〉空振り。
観客達 《おおおおおおおおおお!》
名蓮司「〈ギョ!〉」驚愕した。
初咲「うわあ・・これがボクシングかあ」 予想より離れていた。
審判「(こいつ・・早い!短髪も早かったが・・こいつはー)」
名蓮司「・・」 冷や汗。構え直す。
初咲「ねえ?行くよ~」 手をにこやかに振る。
名蓮司「・・来な」 注意深く見るー。
初咲「えへへ・・スタスタ・・」 ゆっくり普通に間合いを詰めて来た。
名蓮司「・・?」 油断ずるなと意識し直すー〈フッ〉いない。
正確には動いたという事は目だけが認識。直線的に真っ直ぐ、詰められた。
緩急を付けられた為、目の動きが間に合わない。
名蓮司「!!」下の間合いに入られたと意識だけが確認。
名蓮司「~~」ボディを折りたたみ、前に両腕ガード。
〈トン〉初咲は名蓮司の右膝裏に手首を直角に曲げ、軽くチョップ。
名蓮司「!?」 ガクンと右に崩れー。
〈グイ〉左手で服を掴み、右肩背中に腹面を乗せ、回す。
〈バタアン〉 背中から落としー。
初咲「ん」 左手刀を首に突きつける。
名蓮司「~~」 慌てて立ち上がる。
審判「それまで!勝者、初咲!」
名蓮司「ええ?まだやれます!」
審判「おまえは4回負けたんだぞ?」
名蓮司「え?」
初咲「うんうん」
審判「まず一回、これは、お前が最初にアッパー撃った時だ、あの時、避け様にこいつは左足でお前の右脇腹に後ろに飛びながら前蹴り」
名蓮司「ええ?」
審判「続けて名蓮司が引っ込みガードした時、後頭部に一回拳の打ち下ろしと、前宙踵落としの真似されたぞ」
名蓮司「えええ?」
審判「そして最期、裏膝を落とさなくても、壊せたモノを、落とし、わざわざ投げ、そして手刀だ、完敗だな」
名蓮司「・・」 茫然と初咲を見る。
初咲「へへへ」 解説され、何故か嬉しそうだ。
審判「ビデオ見るか?」
名蓮司「はい・・是非!」
傍にモニターがあり、素早く確認出来る。
皆ももう一度見た。
無駄が排除された動き。
一つ一つの攻撃が連動し、柔軟で、それでいて美しい。
名蓮司「・・凄い・・凄い凄い凄いいい!」 こんな動きは現実ではありえない。
名蓮司「そう思っていた時期が私にもありましたあ!」〈ギュウ〉 初咲の手を握る。
審判「納得出来たようだな」
名蓮司「はい!完敗です!」
初咲「えへへ~(何が凄いのかよく分かんないけど何か嬉しいなあ)」 顔が赤い。
審判「それでは決闘を終了する、他にやりたい者もいるだろうが今の時間はここまでだ、解散!」
《ザワザワザワア・・》
審判「初咲~お前は残れ~」
初咲「あ、はい」
名蓮司「じゃあ、また後でね~」
初咲「うん!(加減の仕方が分かって来たぞ~)」
皆が離れた。
審判「初咲よ」
初咲「?はい?」
審判「お前・・何なの?誰に習った?」
初咲「お爺ちゃんです」
審判「私は軍隊経験者だが、あの動きはコンバットによく似ている・・だが、全く異質だ、シラットと言ったか?」
初咲「はい、シラットです、えへへ、シラットって言っても色んなのあるんですけど、お前は軽業が合うからそっち練習しなさいってお爺ちゃんが」
審判「そのお爺ちゃんの名前は?」
初咲「田中幸太朗です」
審判「え?は?田中?」
初咲「はい、田中幸太朗です!」〈ニッコニッコ〉
審判「・・全く知らんなあ・・(明らかに偽名だろそれ・・)」
初咲「はあ、そうですか」〈ニッコニッコ〉
審判「・・そのお爺ちゃんの職業は?」
初咲「ん~・・漁師?川で魚獲ってます」
審判「はあ?川って・・お前出身何処だ?」
初咲「ベトナムです~」〈ニッコニッコ〉
審判「・・(ベトナムって・・)」
初咲「 ? 」〈ニッコニッコ〉
審判「ベトナムなのに、日本人の名前っておかしくないか?」
初咲「いや、お爺ちゃんは日本人です」
審判「・・(なる程な・・例の生徒か・・こいつが・・)」
{女校長「皆さん、今年度の新学期に一風変わった生徒が一人います、いますが、気にせず、普通の生徒達と同じ待遇で扱って欲しいのです、いいですね?くれぐれも余計な詮索は無用ですよ?」}
初咲「・・」 〈ニッコニッコ〉
審判「・・はあ・・そうか・・もういい・・行け」
初咲「はい、ありがとうございました!」 別れた。
暫く歩く。
審判「(にしても・・)」 歩きながら、再び思い返す。あの動きを。
審判「(全く当てるつもりなかったなあ・・)軽~くランニングって所か・・くはははは・・あ~っはっはっはっはっはとんだ奴だぜ~ブッ飛んでんぜ~あ~はっはっはっはっはっは」
笑いながら報告室に向かう013号。
その後、。
部屋の中。
初咲「・・よ~いっしょ~」〈ドッサ〉
XXの寮に飛ばされた。
初咲「結構服も重いのになあ一日に2回お引越しって・・はあ・・疲れたあ」
部屋を出た。
???「あら?」 黒髪ロングの美しい人形がいた。
初咲「あ、どうも~・・って・・」
身長は初咲より少し小さい。
まつ毛が長い、足は長く、細い、漫画から飛び出して来た主人公のようだ。
初咲「あなた可愛いいい、お人形さんみたい~」
???「あ、あははは・・どうも・・あの・・もしかして・・飛び入り?」
初咲「うん、そうだよ!私、初咲・ソミシア、宜しく!」
???「私、宗方弥子 (ムナカタ・ヤコ) と申します隣りの部屋ですわね、どうぞごひいきに」
初咲「うん、宗方さん宜しくね」
宗方「は~い、うふふふ」 口元を押さえ笑う。
初咲「んじゃあ、これで・・」〈ガチャン〉 鍵を閉め、別れた。
昼からの授業の5時間目の途中で入り、軽く自己紹介。
5時間目終わり、休み時間。
???「なあなあ、あんたさ、めっちゃ喧嘩強いんだって?」
話しかけてきたのは、活発そうなセミショートの茶髪。
身長は高く、初咲より10cmは高い。
日本人特有な顔立ちだが、ナイスボディの持ち主。
初咲「うん!強いよ~ふん!」 得意げに腕を抱える。
???「そっかあ・・ならさあ・・協定結ばない?」
初咲「?キョウテイ?」
???「そう!仲間にならないかって事!どう?」
初咲「・・?どういう事?」
???「・・私とあんたは戦わないって事!」
初咲「?何で?」
???「何でって・・そりゃあ・・あんたに潰されたくないからだよ」
初咲「ああ!それなら大丈夫大丈夫!ちゃんと手加減するよ?うん!当てないし!」
クラス全員 《ピク》
???「ば!お前馬鹿か?そんな事堂々言うなよ!?」
初咲「!!むう・・馬鹿じゃないもん!あ!そういえば名前教えてよ?」
???「は、はあ?・・も、もういいよ・・お前・・潰されろよ勝手に」 離れた。
初咲「 ? 」
???「あんた随分舐めた口きくわねえ?」 近づいて来た。
扇子を持った黒髪ポニーテール。
身長高い。180は超えている。
美人だ。
冷酷な目をしている。
???「私の名前は三菱百合子、あんた、この私が直々に叩き潰してあげるわ!勝負なさい!」
初咲「ん!武道のジャンルならいいよ!」〈ニッコニッコ〉
三菱「〈ピクピク〉ゴッホン!いいでしょう!武道ジャンルで勝負!」
皆『おおおおおおお!!』
三菱「私、短薙刀使いますが、貴方の得物は?ああ、勿論模造ですから安心なさいな」
初咲「ん~?いいよ素手で」
三菱「〈ブッツン〉・・そう・・なら・・早く行きましょう?休み時間が終わってしまいます」
初咲「うん」
審判「え~ゴホゴホ・・じゃあ・・承りましたゴホゴホ・・始めて宜しいですか?」
三菱「どうぞ」
初咲「いつでもどこでもどこまでも~」
審判「では・・始め!〈ヒュオ〉同時に薙刀で頭狙い。
〈ブン〉初咲は首を引っ込め躱す。
三菱「・・」 そのまま流れ、右手が前で、柄の突きをー〈ガ〉初咲は掴む。
三菱「フン!」〈ダアアアン!〉 震脚による発勁で、ますます捻り押し込んだ。
初咲「!?」〈パ〉離し、脇腹を通す。離さなければ指が吹き飛ぶか、皮膚がズル剥け。〈ヒュゴオ!〉
初咲「・・」伸びきった所で右手で押さえる心の準備。
三菱は〈スザ〉そのまま左斜めへ前進し、背中にめがけ、柄を押し当てようとー。
初咲「・・」〈トン〉踏み込み、右手で、柄を握り、〈グイ〉引き、同時に、三菱の右腕の肘関節部分を左手で押す。
〈ボグン〉 肘関節骨折。
〈ヒュザア〉 素早く離れる初咲。
三菱「ふえ!?」 〈カララアン〉 短薙刀が落ちる。
〈プラーン〉 三菱の右手が有り得ない方向にプラプラして揺れている。
三菱「ひ!ひいいいいいい!?」
審判「・・」 黙って見ていたが、戦闘の意思無しとみなしたのか、ため息を着いた。
初咲「(はあ・・脆いなあ・・やっぱ手出さなきゃ良かった・・でも、頭を模造刀で狙われたからオアイコだよね?)」
審判「そこまで、勝者初咲」
観客達『おおおおおおおおおおお!!』
審判「はいはいゴホゴホ・・歩いて保健室行きなさい、ゴホゴホ・・次の決闘の邪魔ですよ」
三菱「・・うう・・は、はい・・すいません・・ひっぐ、ひっぐ」 去った。
???「次はあたいだあ」 今度出てきた奴こそ喧嘩自慢だろう。
身長190はある。
骨太でかなり頑丈そうだ。
美人だ。
初咲「・・はあ・・」 不満そうだ。
???「あんだあ、あたいじゃあ、不満かい?」
初咲「う~ん・・トロソー」
???「あたいは香ってんだ・・あっはっはっは!いいねえ、好きだぜ~そういう煽り!」
初咲「?(アオリって何かな?)」
審判「それゴホゴホでは始めますよ・・・・始め」
初咲「(手加減、手加減、投げて、そいで・・)」
香「んじゃあ・・いっくぜええ?せえっのお!」〈ブン!〉 左おお振りー〈ガ!ブワ!〉懐に入り、腰に乗せ、左一本背負い投げ。〈フワ〉きちんと頭は浮かしてあげた。
初咲「んよっと」〈バタアアアン〉投げた後、〈ス〉 手刀を首に置く。
初咲「(これで私の勝ちー)」チラっと審判を見る。
審判「・・?」 無反応。
初咲「(あらあ?)」
香はその隙に起き上がり、おお振りのパンチを繰り返し左右交互に繰り出す。
皆『おおおおおおおお!!』
香「うがあああ」〈ブンブン〉避け続ける初咲。
初咲「(どうしてかなあ?完璧だったんだけど・・怪我させなきゃ駄目なのかな?)」
香「うがあああ、うがあああ」
初咲「はあ・・飽きた」 動きがほぼ止まる。
香「あがしゃあああらああ!!」〈バゴギュ〉初咲は肘でガード。右拳、完全に破損。〈ゴキュギュ〉続いて左拳完全破損。〈ブチュ〉〈ゴチャ〉アドレナリンの為、痛みがないようだ。まだ殴り続ける。
審判「・・」 止めない。
皆『おおおおおおおおおおおおお!!』
初咲「・・はあ」
香「うがああ!」右拳を振りかぶり、〈ブン〉左に避け、〈トン〉右肩に素早く左掌低し、〈ゴクン〉離れる。
香「うがああ!!あがあああ!!」 右肩を押さえ、転げまわる。
審判「はいはい・・そこまで、勝者初咲さんです、鎮静剤打ちましょう、この時間は終了です、解散」
皆『ざわざわざわ』
初咲「あの~何で止めなかったんですか?」
審判「簡単に止めてしまったら、人生をかけてる生徒達に顔向け出来ませんからねえゴホゴホ」
初咲「・・ふうん、でも・・もう両拳使えないですよ?それ」
香「・・」 気絶中。
審判は香の拳を見る。ぐしゃぐしゃだ。指という指が折れ、ひしゃげ、掌が分からない。
審判「大丈夫ですよ、これくらい、すぐ治ります」
初咲「へえ!!凄いんですね!なあんだ、良かったあ、安心しました」
審判「ここの治療設備は充実してますから」
初咲「そうなんですか」
審判「あなた、それにしても頑丈ですねえ」
初咲「えへへ、ありがとうございます」
審判「腕についた血、洗ってから授業に出席しなさい、お急ぎなさい」
初咲「あ、はあい!」
この学園において、武器喧嘩がNo.1。
それは、将来が約束される事。
教室内。
皆『「あんたやってみれば?」「次あたし行こっかなあ」「うふふ」「あはははは」』
実際は強いのに、弱く見せ、相手に挑ませる事は罪である事を初咲はまだ知らない。




