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王様?結界?うーん、ザ◯いな

 S級魔物消滅事件から、一週間。


 俺は街を歩いていた。


 人々は俺を見る。


 理由は分かっている。


 噂だ。


「なあ、あの人じゃないか?」


「S級魔物を一瞬で倒したっていう……」


「嘘だろ。普通の人間にしか見えないぞ」


 普通。


 その言葉を聞いて、少しだけ笑った。


 外見だけなら、確かに普通だ。


 だが。


 中身は違う。


 俺は神なのだから。


---


 そんな時。


「神崎零様ですね」


 突然、騎士たちが現れた。


 白銀の鎧。


 立派な剣。


 その中心にいる男が頭を下げる。


「私は王国騎士団長、レオンです」


「王がお呼びです」


「断る」


 即答した。


 騎士団長の顔が固まる。


「……理由をお聞きしても?」


「面倒だから」


 周囲がざわつく。


 普通なら王の呼び出し。


 断る人間などいない。


 しかし。


 俺には関係ない。


「王が俺に何の用だ?」


「それは……」


 騎士団長は少し迷った。


「あなたの力を確認したいと」


「なるほど」


 つまり。


 試すつもりか。


「いいだろう」


 俺は歩き出した。


---


 王城。


 巨大な扉。


 何百年も守り続けてきたという城壁。


 多くの魔法防御が施されている。


 普通の魔法使いなら、一生かかっても壊せない。


 そう説明された。


「こちらが王です」


 玉座に座る老人。


 王は俺を見る。


「よく来た、神崎零」


「そなたがS級魔物を倒したという者か」


「そうだ」


「ならば、実力を見せてもらいたい」


 やはり。


 予想通りだった。


「何をすればいい?」


 王は外を見る。


「この城の防壁に魔法を放ってほしい」


「防壁?」


「ああ」


「我が国最高の防御魔法だ」


「これを破壊できる者など存在しない」


 誇らしげに言う王。


 俺は防壁を見る。


 確かに。


 この世界基準なら強いのだろう。


 でも。


「弱いな」


 その一言で。


 空気が凍った。


「……何?」


 騎士たちが睨む。


「王国最高の防壁を、弱いと?」


「事実だ」


「貴様……!」


 怒りの声。


 だが。


 俺は気にしない。


「一応、壊さないようにする」


 王が眉をひそめる。


「壊さない?」


「ああ」


「本気を出したら、この城ごと消える」


 沈黙。


 誰も笑わなかった。


 冗談だと思えないほど。


 俺の目は本気だった。


---


 俺は指を一本立てる。


「これで十分だ」


 騎士が叫ぶ。


「ふざけるな!」


「魔法には詠唱が必要だ!」


「そんな小さな動きで何が――」


 次の瞬間。


 光。


 ただ、それだけ。


 防壁に触れる。


 音はなかった。


 爆発もない。


 破壊もない。


 ただ。


 防壁を包み込む。


---


 王が立ち上がる。


「……何をした?」


「強化した」


「え?」


「この防壁は弱かったから」


 俺は答える。


「少しだけ、本来の性能を引き出した」


---


 魔法研究員が震えながら確認する。


「……ありえない」


「防御力……測定不能」


「魔力循環……完全」


「これは……」


 研究員は呟いた。


「神の領域……」


---


 王はゆっくり立ち上がった。


「神崎零」


「そなたは一体……」


 俺は答える。


「言っただろう」


「俺は神だ」


---


 その日。


 王国中に新たな噂が広がった。


『神を名乗る少年が現れた』


『いや、あれは本物の神だ』


『人間ではない』


---


 そして。


 世界中の強者たちが動き始める。


 理由は一つ。


「神崎零を超える者は存在するのか」


 その答えを知るために。

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