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後日談 1/2 神様の休日

 休日。


 地球。


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 朝。


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「お父様!」


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 レイアが勢いよくリビングへ飛び込んできた。


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「おはようございます!」


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「ああ」


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 零は新聞を読んでいた。


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「おはよう」


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 リリアが朝食を運んでくる。


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「今日はパンにしてみました」


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「美味しそうだ」


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「この世界の料理も慣れてきましたね」


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 レイアはパンを頬張る。


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「おいしい!」


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「異世界にも持って帰りたい!」


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 零は小さく笑う。


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「あとでパン屋へ行くか」


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「やったー!」


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 昼。


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 三人はショッピングモールを歩いていた。


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「お父様!」


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「ゲームセンターです!」


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「入るか」


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「本当ですか!」


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 クレーンゲーム。


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 レイアが挑戦する。


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「むぅ……」


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 取れない。


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「もう一回!」


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 取れない。


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「うぅ……」


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 零を見る。


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「お父様……」


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 その視線だけで。


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 零は財布を取り出した。


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 リリアが笑う。


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「零様」


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「甘いですね」


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「そうか?」


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「とても甘いです」


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 零はクレーンゲームを見つめる。


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「……」


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 一回。


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 景品獲得。


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「お父様すごい!」


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「ありがとう!」


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 抱きつくレイア。


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 零は少し照れながら頭を撫でた。


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 リリアは小さくため息をつく。


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「世界最強の神が」


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「ぬいぐるみを取って喜ばれるなんて」


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「平和ですね」


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「そうだな」


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 夕方。


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 公園。


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 レイアは友達と遊んでいる。


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「鬼ごっこしよう!」


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「いいよ!」


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 全力で走る。


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 もちろん。


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 神の力は禁止。


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 零が決めた約束だった。


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「普通に遊べ」


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「はい!」


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 レイアは笑って走る。


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 転ぶ。


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「いたっ」


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 でも。


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 すぐ立ち上がる。


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「大丈夫!」


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 零は立ち上がりかけたが。


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 リリアが袖を引く。


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「零様」


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「……」


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「見守るのも親の役目です」


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 零は座り直す。


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「難しいな」


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「ふふっ」


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「戦うより難しいですか?」


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「ああ」


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「圧倒的にな」


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 夜。


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 家へ帰る。


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 レイアは眠そうだった。


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「お父様……」


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「眠いです……」


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「おいで」


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 零はレイアを抱き上げる。


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 すぐに寝息が聞こえてきた。


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「寝ましたね」


 リリアが微笑む。


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「ああ」


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 二人は顔を見合わせる。


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「零様」


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「何だ?」


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「幸せですか?」


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 零は眠るレイアを見る。


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 隣を歩くリリアを見る。


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 そして。


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 夜空を見上げた。


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「……ああ」


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「昔は」


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「世界が欲しかった」


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「でも今は」


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「世界なんていらない」


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「この二人がいれば」


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「それで十分だ」


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 リリアはそっと零の肩にもたれた。


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 三人の影が。


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 街灯に照らされながら。


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 ゆっくりと家へ伸びていく。


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 世界最強の神。


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 英雄。


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 救世主。


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 そんな肩書きは。


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 もう必要ない。


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 彼は今日も。


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 一人の夫として。


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 一人の父親として。


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 穏やかな笑顔で家路につく。



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