神の子、のこのこ、まじ半神☆イェイ
王国に。
新たな奇跡が生まれた。
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その知らせは。
世界中へ広がった。
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『神崎零と皇女リリアの間に、子が生まれた』
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その瞬間。
各国の王。
魔法研究者。
神殿関係者。
全員が騒然となった。
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「神の子……」
「一体、どれほどの力を……」
「世界の法則すら変わるのでは……?」
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人々は恐れた。
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しかし。
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本人たちは。
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「……」
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王城の一室。
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零は。
小さな赤子を抱いていた。
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「……」
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無言。
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リリアが心配そうに見る。
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「零様?」
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「どうしました?」
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「いや」
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零は小さな手を見る。
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「小さいな」
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リリアが笑う。
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「赤ちゃんですから」
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「そうか」
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「そうですよ」
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少し間。
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「……壊れそうだ」
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リリアが驚く。
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「零様でも、そんなことを思うんですね」
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零は少し考える。
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「俺の力なら」
「世界すら変えられる」
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「だが」
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腕の中の小さな命を見る。
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「この子を傷つけないように抱くことのほうが」
「難しい」
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リリアは優しく笑った。
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「それは」
「父親になったからですね」
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その子の名前は。
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**レイア・アルヴェリア=神崎**
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半分は人間。
半分は神。
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生まれた瞬間。
世界中の魔力が反応した。
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神殿の古い記録。
数千年前の予言。
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『神の血を持つ子が生まれる時、世界は新たな時代へ進む』
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まさに。
その存在だった。
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しかし。
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「レイア」
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零は名前を呼ぶ。
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世界が恐れる神ではなく。
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ただの父親として。
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「眠ったか」
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リリアが覗き込む。
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「はい」
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「かわいいですね」
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「……ああ」
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零は小さく頷く。
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その様子を見た騎士団長は。
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信じられないものを見る顔をしていた。
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「……」
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「何か?」
零が聞く。
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「いえ」
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「ただ」
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騎士団長は震えながら言う。
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「世界最強の神が」
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「こんな優しい顔をするとは思いませんでした」
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数年後。
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レイアは成長した。
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そして。
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「お父様!」
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小さな少女が走ってくる。
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零へ向かって。
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普通なら。
世界最高峰の魔法使いでも避けられない速度。
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だが。
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零は。
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少し慌てて腕を広げた。
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「危ない」
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レイアが飛び込む。
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零は受け止める。
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そして。
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魔法よりも慎重に。
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優しく抱きしめる。
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「お父様」
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「どうした?」
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「大きくなったら、お父様みたいになりたいです」
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零は少し黙る。
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昔なら。
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「力を得ればいい」
そう答えていた。
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でも。
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今は違う。
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「強くなるだけじゃ駄目だ」
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レイアが首を傾げる。
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「大切なものを守れる人間になれ」
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「それが」
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「本当の強さだ」
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世界最強の神。
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かつて。
努力を知らなかった男。
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そんな彼が。
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今。
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一番大切なことを。
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娘へ教えていた。




