神の結婚式は世界規模
神崎零と皇女リリア。
二人の結婚式。
その知らせは。
世界中へ届いた。
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そして。
世界は混乱した。
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「神の結婚式?」
「そんなもの、どう準備すればいいんだ!」
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各国の王。
大臣。
魔法研究者。
職人。
全員が頭を抱えていた。
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「普通の結婚式では駄目だ」
「相手は神だぞ」
「ではどうする?」
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沈黙。
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そして。
一人の大臣が言った。
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「……世界最高のものを用意するしかない」
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王都では。
前代未聞の準備が始まった。
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ドレス職人。
世界最高峰。
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「糸は?」
「伝説級魔獣の素材を使います」
「装飾は?」
「国宝級の宝石を」
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「……」
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「やりすぎでは?」
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「相手が神です」
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全員。
納得した。
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料理人。
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「何を出す?」
「世界中の最高級料理を集める」
「だが」
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「神は何を食べる?」
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全員。
固まる。
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そこへ。
リリアが来た。
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「普通の料理で大丈夫ですよ」
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「え?」
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「零様は」
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少し笑う。
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「豪華なものより」
「一緒に食べる時間を大切にする方ですから」
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料理人たちは静かになった。
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そして。
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「……皇女様」
「はい?」
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「神様を一番理解しているのは」
「あなたなのですね」
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一方。
零。
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「零様」
リリアが聞く。
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「結婚式」
「楽しみですか?」
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「……」
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零は考える。
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昔なら。
興味がないと言っていた。
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世界の祭り。
王族の儀式。
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全部。
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どうでもよかった。
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でも。
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「楽しみだ」
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リリアが少し驚く。
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「本当ですか?」
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「ああ」
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「なぜなら」
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零はリリアを見る。
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「お前と一緒にいる時間だから」
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リリア。
完全停止。
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「……」
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「零様」
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「なんだ?」
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「最近」
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「普通の人みたいなことを言いますね」
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「そうか?」
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「はい」
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「でも」
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リリアは笑う。
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「嬉しいです」
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その夜。
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世界中で空を見上げる者がいた。
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神が生まれた時。
誰もが恐れた。
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神が力を見せた時。
誰もが震えた。
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しかし。
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今。
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世界が待っているものは。
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戦いではない。
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一人の神が。
一人の少女と結ばれる日。
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そして。
結婚式当日。
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王都上空に。
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巨大な魔法陣が浮かび上がった。
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「何だ……?」
「空に……?」
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誰かが呟く。
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「まさか」
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「神の祝福か?」
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零が空を見る。
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「……」
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少し笑った。
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「来たか」
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世界中が見守る。
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神と皇女。
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二人の物語の終着点が。
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始まる。




