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転生したら違う世界だった件 魔女とダンジョンの運命の星(アルカナム・スター)  作者: 正体不明
安部家誘拐騒動

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27/28

滞留した過去の残骸

1000pv突破しました!ありがとうございます!

毎日投稿27日目の分!何回も遅れてごめんなさい!

「マスター、何故最後あのような言葉を言ったのですか?」


また新たな空間に閉じ込められ、何も対処法が浮かばない悶々とした時間が流れる中、アルファはずっと疑問に思っていた事をレイに聞いた。


「うん?ああ、あれは・・・何でだろうな」

レイが漠然とあやふやな物言いで答える中、アルファはレイの言葉を思い出していた。


”それでも迷いを断ち切れないというのなら、お前が大事に守っている目論見とも全てを打ち砕いてやろう”


その言葉は、主人であるレイにしては珍しいものだった。

アルファは、レイをほぼ完璧に理解している。だからこそ、あの言葉は、敵を撃ち倒すという宣言ではなく、むしろ

ーーの言葉ですらあった。


「最初に聞きたかったのは、相手の目的とか考えを聞く為だったんだけど・・・」

そうなのだ。レイが相手に最初にした質問は、相手を探るための質問だった。

だが、レイの怪しすぎる諸々の要因で相手を勘違いして怒らせてしまうに至る。

『まぁ、それはほぼ確実にマスターのせいだな』とアルファはレイにも分からない心の声で思った。


「そうです。マスターは、それらを知るために質問をし、相手からの答えに対して自身の考えを仰いました。ですが、最後の相手の嘆きに答えたあの答えは違うものでした。なぜあの答えだけは、違っていたのでしょうか?」


アルファは、この時、自らの矛盾に気づいていなかった。

例え仮に気になったとして、マスターであるレイに危害が加わる訳でも、その行動が悪行になる訳でもない。

それでも頑なに聞きたいと思った理由は、”主の知らない所を垣間見た事とそれを見せた相手が自分でない”理解できないという羨ましく、無い心が張り裂けるような、何かが動いていたからである。


「多分、一瞬考えたんだと思う。アーサーさんならどうしたんだろうって・・・」

アルファが答えの出ない、高速思考をしている中、レイは答えを呟くように言い出した。

「それは、アーサー・ペンドラゴンならばすぐに問題を解決できただろうかという事でしょうか?」

アルファは、レイの答えから現状と要因、場面を計算し答えを導き出す。


それに対するレイの答えは・・・・『違う』と予想外の答えだった。


「!!」

「?どうしたアルファ」

「・・・いえ、何でもありません」

その答えに対しアルファは、あまりのショックで機械の体が震えていた。

その異変に気づいたレイは、アルファに声をかけるがアルファは無愛想に機械的な声で答える。

その時のアルファの心境は、『ショックにより思考停止』ともうヤケクソだった。


自身の”主人を支え、理解する”という誇りとも言えるアイデンティティが無惨にもその当人に破壊され、善行の機械のお箱とも言える高速思考をアルファは中断する。

まぁ、それは今の現状では、打開する手立てが無かったというのが最もな要因ではあるのだが・・・


「そうか。じゃあ話続けるぞ?」

「・・・はい、私の事は無視してお話をどうぞ」

「??どうしたんだ本当」

アルファの異変にレイは気づくも、その要因を理解できず話を進めた。


「俺が思ったのは、アーサーさん(あの人)ならあの()も救ったのかな?って事だ」

「あの娘とは、敵存在 リリスの事ですか?」

「ああ、あの()は、敵だったけどエリーナに危害を加えてる風じゃ無かった。それに、変なんだろうけど何か感情みたいなのが流れてたんだよ」

「・・・そうですか」

アルファは、その考えを善行のスキルとして否定しようとしたが、言う寸前で止める。


「・・・・」

アルファが言った後にレイは何かを言い淀んでいた。

空間に静寂が訪れる中、レイは自身の胸中を喋り出した。


「俺には、前の世界で障害者の弟がいたんだよ。言葉は喋れなくて、偶に我儘で、大好きだった。・・・けど、ある時思ったんだ。弟はまともに働けないし、稼ぎはほぼ0だった。家の手伝いとかで役に立つかと言えば立たないし、迷惑になっているとも言えた」

「そうですね。表面的に見ればそう思えるのも仕方ないと思います」

それは、主人であるレイの独白のようにアルファには思えた。

その答えに、決してアルファは己の意見を言わず、ただ受け手となり話を聞く。


「そんでそんな考えがクソだと思った。大好きな弟をそんな風に思いたく無かったし、誰かがそう思うのも嫌だったから。弟は、そんな風に生まれて来たかった訳じゃないし、ただ自分の人生を生きていただけだ。だからその時、思ったんだ。人が人生を生きるのに意味なんて要らないし、幸せに生きるだけでいいんだって・・・」

「そうですね。素晴らしいと思えます」


それは、まさしく独白だった。

◾️◾️◾️◾️だった頃の、ただ一人の人間が抱え続けたすでに崩れ落ちた理想。


「けど、世界には悪人だっている。障害者である弟を笑い蔑む人だっている。そんな奴は、糞食らえと死んで仕舞えばいいと思っている人も居た。けど、そんな言葉を見ていると冷静な自分が言うんだ”弟は、何かをしたのだろうか?生きてるだけで、偶に親や他人に迷惑を掛けてしまうのは罪とは言えないのだろうか”って。そんな事を考えてると、感動的な映画を見ても全く泣かない俺は、いつの間にか泣いてた。そんでそれも糞食らえだって思った」


その声は威厳があり、声が通っていた。


「分かってるんだ。人を不幸にする罪を犯した人間とただ生きている弟、決してそれは違うもんだと。・・けど、それでも俺自身の中に燻る悩みを否定しきれなかった。そんな上から目線の偽善的な考えは、クソで考えるだけ無駄だと分かっていても・・。だから俺は己が納得するために考えたんだ。人には幸せになる権利があるべきだって、罪は償うべきだ。それでも罪は消えない」


言葉は止まらない。

溢れるように感情の濁流が流れ続ける。


「善人であっても、障がい者であっても人は、誰かを不幸にしてしまう時がある。だからこそ、どんな人であれ、幸せになって生きて、誰かの記憶に残ってほしい。その人生に価値があって欲しいって・・・!」


◾️◾️◾️◾️は、泣いていた。

こんな考えは、誰も理解できないし、偽善だと分かっているから。

それは、ただ己の正しさの味方でいたいと思う馬鹿な人間が思い続けた理想なのだから。


そして、◾️◾️◾️◾️は、原点(オリジン)へと回帰する。

「ああ、そうか。俺は、あの()も救いたいんだ」

納得したかのように、彼はホッと息を吐き出すように言った。

「私は、どんな時でもマスターを支えます。それがどんな結果になろうとも」

レイの答えにアルファはそう肯定した。

その答えが例え悪行に連なる行動であっても、それが自分の存在意義だと信じたから。


▶︎▶︎▶︎▶︎


こうして少年は、嫌、彼は理想を思い出す。

女神 アテネス・シャイニングとの約定は、これにて破られた。

だが、なぜか彼には、白い空間にいる女神が笑っているようにも思えた。


「じゃあ、こんな結界はさっさと破かないといけないな」

仮面で見た目では全く分からないが、アルファには、とてもいい顔をしているとが分かった。

「しかし、どうするつもりですか?それこそワンチャンスを狙って空間破壊を狙う位しかありませんが」

「それだと、エリーナが巻き込まれる可能性がある。いくらアテネスにスキルを貰ったらって死んで仕舞えば蘇生は出来ない」

「そうですね。仮に女神のスキルを貰おうと誰かを蘇生させる事は出来ませんから」

アルファは、理由が分からないが出来ないと分かっていて、その言葉に同意した。


『空間を遮断、断絶した上で無限に再生し続ける結界を内包した概念結界。俺の力だと壊してしまう、、、。って言っても殴る以外のできる事なんて剣術くらいしか無いんだが、、、』


レイが心の中で思考している時、漠然とアルファの声が聞こえた。


「マスターの言うとおり、アーサー・ペンドラゴンならば何とかしそうなのは分かります。ですが今の我々の現状ではそう上手く行かないでしょう」

「アーサーさんならこの空間から脱出できる・・・」

「マスター?」


一応機械であるアルファには、人間であるレイに出来て、アルファには出来ない、嫌、存在しない現象が存在する。

それは、架空の要素を入れた計算である。


『アーサーさんが出来るのなら、アーサーさんの技を見てみたら何か突破口になるかも・・』


機械である以上、色々なありえざる可能性を計算する事ができる。


『誘拐事件の時の俺なら全く理解できなかったけど、今なら・・・』


しかし、存在しない現象として言語化すらしていない架空要素を入れた計算は出来ない。


『あの人の剣速は、解らなかった。いやむしろ速度という概念ですら無かったのかも・・・』


それは、一体何なのか。


『概念、、俺たちには、見えない。いや、観ている景色が違う・・・』


思考と情報、経験を無意識に脳内で回転し、一瞬の閃きで導き出す生物に刻まれた”生存本能”の極致


『あの人は、早く振ってたんじゃない。無限の中の刹那を見てたんだ。俺は見えてなかったんじゃくて、見た時にはすでに切られていた』


スキル 神に与えられし肉体によって超絶強化された”直感”である。








※今回のお話の内容に、『障害者』『犯罪者は罪を償い幸せになるべき』と人によっては、不快になる内容が含まれています。そして、決してこれらの内容を広める為でも思っている目的で作っていません。

それでも、やはり障がい者を出すべきではないと考える方もいると思います。

私には、障害者の弟がいます。そして、この小説の内容である”犯罪者を許す”今回で言えば悪党であるリリスを許す

という内容で自身の中で悪人を許せるのがこの考えだと思い、使いました。

前述にも書いてある通り、この作品は、『障害者』『犯罪者は罪を償い幸せになるべき』などを認める、広める目的で作っていません。誤解をされないよう理解して頂きたいです。

以上 正体不明でした。



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