怒涛の展開
毎日投稿23日目の分!!完全に忘れてた!
「・・・・」
リリスとエリーナの空間に割り込んだスーツを着た男は、困惑していた。
「エリーナちゃん。ジッとしててね。必ず守るから・・」
「うん、でも・・・」
「大丈夫、、、」
そう言うとリリスは、エリーナを球体の形をした結界に閉じ込め、自身の後ろに浮かせる。
『なんで、俺が敵みたいになってるんだ?』
「2人にマスターは、正体不明の化け物にしか見えませんから仕方ないかと」
『服を用意したのアルファだよな!』
心の中で丸い球体とお喋りをしているが、夢の空間で男は、、嫌、レイは仁王立ちをしていた。
『完璧に想定外だ・・・』
レイがスーツと仮面を装着し正体不明の存在として2人の空間に割り込んだ理由は、15分前に遡る。
▶︎▶︎▶︎▶︎
「んで、アルファその方法ってのは何なんだ?」
「マスターは、その方法を知っているからあのように話したのではないんですか・・」
暗闇の空間でアルファの仮面を引き剥がしてから、アルファの対応が少し冷たいなと俺は感じていた。
「いや、方法までは知らない。知ってたらお前に命令して行動に移してるよ」
「・・・確かにそうですね」
アルファは、レイの言葉に同意する。
「知ってるのは、俺に不利益が生じるだろうって事だけだ」
「それならば、どうしてっ!」
アルファは、先ほどの問答でレイをほぼ完璧に理解した。
どれだけ曲がろうと捻くれようとも、惨めでも変われない人間。
だからこそ、それをサポートするスキルとしてマスターに不利益を齎す行動をしなければならない現状に、機械である筈の体が怒りで震えていた。
「あなたは、この世界に来て言いました!善行を行うつもりは無いと、ただ己がしたい事をするのだと!」
「ああ、そうだな。確かにそう言った。その通りで、これは、、、、」
アルファは理解している。
これは、善行だから行動する訳でないと、これは、、、、
「俺がリーナを助けたい。俺自身のための行動なんだ」
「・・・分かりました」
そうして、アルファとレイの問答は終了した。
いや、アルファが可能性を認めた時点でそれは問答ですらなかったのかもしれない。
「さぁ、時間をあまりかける訳にも行かないし、早速方法を教えてくれアルファ」
「かしこまりました」
アルファは、俺の話を納得してくれたが、内心は未だ気に食わなそうだった。
「打開する方法ですが、現状のマスターならば私の言った通り何も出来る事はありません」
「え?それ嘘じゃないの?」
「私は、マスターに嘘をつく事は出来ません。言い方を変えたり部分的に正しい事を言って誤魔化すしか私がマスターを騙る術はありません」
「それも、駄目だと思うんだが・・・」
こいつ俺のサポートのスキルなんだよな?と頭の中で思いながら白い空間で出会った女神を思い出す。
「うん?って事はアルファが言った”現状”って言うのは、見方や考え方が違うって事か?」
「その通りです」
「・・・・どゆこと?」
レイは、少し考えるが現状がどう違っているのか皆目検討つかなかった。
「いつ言おうかと思っていましたが、マスターはこの世界に転生してからある女神との約定を忘れています」
「ある約定?」
「この世界の行動はともかく、制約。スキルを5つ貰う。というと約定ともう一つ約定がありました。覚えていませんか?」
「ええ〜?随分と前だからそこら辺の話は詳しく覚えてないんだが」
レイがこの世界に転生して一年と少しだが、仮想世界での修行により合計10年以上過ごしている。
当然それ相応の記憶量により、レイの女神との記憶は印象に残っていたり、思い出したりする事以外はうろ覚えであった。
「う〜ん?何なんだったかな〜」
「・・・・・」
アルファは、考えるマスターを見て”こいつ駄目だな”と思い答えを提示する。
「”歳をとるごとに新しくスキルを獲得する”という約定です」
「あ!それだ!」
レイは、閃いたかのように思いだしアルファに向かって指を向ける。
「けど待てよ、俺誕生日まだなんだけど・・・」
「その辺りは、女神のサービスなのでしょう」
「それは、アテネスに感謝だな。と言う事は、それを使って現状を抜け出すスキルを獲得するって事だよな?」
「その通りです」
「それならそこまでのデメリットいらないんじゃないのか?チートスキルゲットすればいいだけだろ」
「そうですね。マスターの身の安全を守るだけならば何も問題なく行えたでしょう。ですがエリーナ・ペンドラゴンとマスター両方を救える可能性を取るならば話が違っていきます。それは、、、」
▶︎▶︎▶︎
場面は戻り、レイがエリーナとリリスのいる空間に侵入した時となる。
「マスター、オーラにより周囲の空間にヒビが入っています。出力を調整します」
『了解』
アルファがそう言った途端、俺の周りから放出されている赤色のエネルギーが収束していき、それに比例して空間のヒビも収まっていく。
『さて、どうしたものか・・・』
「優先順位を取るならばエリーナ・ペンドラゴンの安全でしょう」
『・・・だな』
そう言って、レイは踏み込む。それにより足に接している空間がヒビ割れる。
『来るっ!』
目の前の正体不明の男から溢れ出るオーラから何かしてくるとリリスは感じる。
「リリス。壁を作って!突撃してくる!」
「!?、、分かった」
仮面の男が行動に移すその刹那、エリーナがリリスに壁を作れと指示をする。
リリスは、それを聞いて、考える前に壁を展開する。
築かれるは金剛の壁。S級ハンターでさえ、破壊するのに苦労する壁を計10枚。
「よし、一旦引いて遠距離からこ・・」
壁を展開して距離を取ろうとした時、、すでに目の前には、スーツを着た男がいた。
展開した壁は全部が粉砕され、壊した時間はコンマ0.5秒。
尚且つ、男の手は伸ばされており、それはエリーナに向けられている。
『くっ、テレポーテーション』
エリーナの事前の指示もあり、間一髪で能力により瞬間移動を間にわせた。
「リリス大丈夫?」
エリーナは、大量の汗をかいているリリスを見て心配から声を掛けた。
「大丈夫。ありがとうエリーナちゃんのお陰で何とか間に合った」
エリーナにそう言ったものの、リリスの内心は全くの逆であった。
『正直、敵う気がしない。間違いなく受けで戦ったら瞬殺される』
『なんで躱されたんだ?』
リーナを確保するために突撃したレイは、躱された理由が点で分かっていなかった。
レイの踏み込みは、極限の集中力により音速を超え、リリスは反応すら出来ていなかった。
『今まで一番上手く踏み込めたんだけどな・・・』
「エリーナ・ペンドラゴンの指示により、相手はマスターの攻撃に気付き、躱されました」
「え、何で?・・・」
アルファの説明により、思わずレイはつっこんでしまう。
リリスは、能力者としてはとてつもなく強いが武人ではない。
レイの挙動から次の行動を予測する事は、出来ない。しかし、エリーナは違う。
父であるアーサーの血を引き、師事までもしており、何より世代No.1の才媛である。
対処や対応はできなくとも、踏み込みから次の行動を読み取る事はできる。
因みにレイが躱された理由を知らないのは集中していて周りの音をシャットアウトしていたからである。
「マスター、上から強大なエネルギーを感知しました」
「うん?」
上を見てみるとリリスという女性が強大なエネルギーの塊を放出しようとしていた。
「今度は、こっちの番!」
そう言って、紫と黒を混ぜた色の強大なエネルギーは放出される。
もし仮にそのエネルギーが現実世界で放出されれば、都市を破壊するほどのエネルギーだった。
「マスター、大丈夫ですか?よろしかったら私が対処しますが・・」
「いや、大丈夫。このオーラっていう力も大分なれてきたから」
レイは、エネルギーの強大さを感じながらも動じてなかった。
迫り来るエネルギーを見ながら拳を握り、弓を弾くように腕を後ろへ引く。
それに伴い筋肉は引き締められ、オーラも同様に拳に収束していく。
『装填完了・・・』
そのエネルギーはリリスと同等、いや、リリス以上の、、、
「マスター、そのエネルギーですと・・」
「ふんっ」
アルファは、マスターであるレイに何か言おうとしていた。
しかし、レイは聞く耳を持たず、いや、聞こえた時には、もうすでに攻撃していた。
「「あ?」」
「やべ、出力ミスったかも・・・」




