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転生してみると・・・①

転生して目が覚めると古いアパートの部屋の中にいた。

そこは、俺が以前住んでいた所だった。


「そういや、小学生の頃引っ越したんだったけ・・・」

遠い昔、もう数十年も前の出来事を頭の記憶から思い出す。


「まぁ、いい。まずはスキルの確認だ」

この世界で目覚めた時、1番に確認しなければならない事がある。それは付与されたスキルがきちんと使えるかどうかだ。そう言ってスキルを確認しようとした際、機械じみた声がどこからか聞こえてきた。

「おはようございます。マスター」

「うぉっ!!!、びっくりした!」


すると急に目の前に丸い撮影機のドローンみたいな機械が現れ、思わずそれに驚いてしまった。


「ああ、アルファか・・・」

「はい、そうです。マスターがお目覚めになったのでご挨拶をしようかと思いまして」


この、喋る機械の名前は、『善行の機械 アルファ』俺の4つ目の特典である。その効果は、善行の行動に対するサポートを行ってくれる。善行でない行動に関しては、何一つサポートを行わないが、善行ならば、莫大な知識でサポートし、戦闘から分析までありとあらゆる行動をサポートしてくれる。最高のサポーターだ。


「いちいちお前に詳しく話す必要もないだろ。それじゃあ、アルファ、早速今の俺の状況の説明を頼む」

「かしこまりました」


そうして、アルファは、今の現状について説明をし出した。

まず、初めにアテネスが言っていた通りこの世界は、俺がいた世界とほぼ同じだと言うこと。

2000年代日本のとある田舎の場所に家族で住んでおり、家族構成は、父、母、姉、弟と俺を含めた5人。

そして、俺はアテネスとの約束通り5歳で今の状態では、人目を避けて行動することが難しいという事。


「これから、どうしますか?マスター」

「アテネスとの約束通り、自分が押さえてきた欲望に忠実になってみるよ。・・・それと、アルファ、最初に言っておく俺と家族との関係にこれから一切の関与を禁ずる」


俺は、確かな意思と警告を持ってアルファを睨んだ。


「・・・・かしこまりました・・」

少しの沈黙の後、アルファは、何かを察するかのように了承した。


なぜ、アルファに家族との関係の関与を禁じたのか。それは、アルファの知能が想定していたよりも遥かに優れているからだ。言葉や表情から俺の意思を見抜き、人の感情を踏まえた思考ができる。そこまでの能力ならば頼りにもなるが逆に俺自信の首を絞めかねない。前の世界で俺は、家族との関わりを絶っていた。

28歳までは、関係は良好だと言えたがそこからは、収入が低く、いつまでも独り立ちしない俺を見て家族は、家から追い出した。そこから数十年、家族とも会わず、連絡すら取り合わなかった。

アテネスとのルールに理想を忘れ、自らの欲望をぶちまけろとあった。家族との関係修復は、前の世界での理想であった。だからこそ、この世界で家族と仲良くするつもりはない。


「進む事を止めた俺に理想を追いかける資格などないのだから」

まるで全てを諦めたかのような死んだ魚の目をして呟いた。


「マスターの考えは理解しました。その状態でこれからどうするおつもりですか?」

「逆にこういう時のためにお前がいるんだろうが、今の俺の状態で出来ることは無いのか?」

アルファは、あらゆるサポートができる。だからこそ、5歳の体でも出来るような事が無いのかをアルファに丸投げして聞いた。

「そうですね、よろしければ仮想世界で過ごすのはどうでしょうか?」

「仮想世界?それは、どういう意味だ」


俺は、アルファが言っている意味がまるで分からずその意味を答えるように言った。


「説明が足りず申し訳ございませんでした。女神アテネスから授けられた能力により善行に対するサポートが私の役目です。マスターのスキルは、善行を行うのが前提です。つまり、悪行への行動でなければ私はある程度のサポートができるという事になります。なので、仮想世界へとマスターの意識のみを飛ばす事で私が持つあらゆる知識、技術を学ばれるのは、如何でしょうかという事です」


「そんな事ができるのか?それは、もはやスキルの領域だろう」

女神との話で、スキルや能力にはある程度のリソースと呼ばれる言わばエネルギーがいる。スキルとしてのリソースは、決まっており、女神との約束により、善行を行うことでどんどん溜まっていき、強力なスキルが使えるようになっていく。


「いえ、やる事はマスターの意識体を私の中に飛ばすだけですので、スキルとしてのリソースを必要としません。 私のサポート能力の範囲です。ですが、それに伴い能力の上昇などはありません。仮想世界でできるのは、あくまで私の知識、技術を閲覧、体験するだけですから。スキルのように補正があるわけでもありません」


『なるほど、そう考えればスキルがなくとも可能なのか。つまり、ただひたすらに努力しろという事か・・』

まぁ、そもそもチートスキルを使って人生をより良いものにしようとは、あまり思わないのだが・・・


「いいだろう十分だ。子供の状態では、一人行動ができないからな。仮想世界で訓練ができるのなら喜んで入ろう。

それと、アルファ。俺の体の操作権限をお前に渡すからしばらくの間、俺の代わりをしておいてくれ。その間、俺は仮想世界で過ごす」

「かしこまりました・・・」


そうして、俺は仮想世界へと意識が飛ばされていった。

しかし、ここまでで一つだけ予想外の事があった。それは、俺が仮想世界で過ごす期間をアルファに伝えていなかったこと。そして、俺は日付や時間感覚などが適当であり、仮想世界自体が時間感覚が狂っていたという点。

結果、現実世界で約1年の間仮想世界にいた。そして、仮想世界は、現実世界の約10倍の時間軸で進んでいた。

つまり、俺が仮想世界で過ごした時間は、10年と360日、9時間47分だった。


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