全ての始まり
R18で投稿している作品をこちらでも投稿しました。エロシーンを減らした状態になります。でも、まだR18の方でも出てないんですけど。作品を書いていたら過激なエロシーン書かなくても、書けるんじゃねと思ってこちらでも投稿しました。
俺の人生は、満たされなかった。
楽しくなかった訳では無い。ただ、満たされなかった。何をしても満足できなかった。
自分なりに色々頑張ったが、SNSを発信している成功者のようにはなれなかった。
いつものように眠りから覚めるとそこには、神がいた。
「どうも、こんにちは。女神です」
「・・・、ここはどこですか?」
女神は、金髪碧眼でまるで創作物から出てきたかのような美しく、人ではない美しさを持っていた。
しかし、俺は女神を好きになれなかった。俺が女性に求めた美しさは人間らしさであり、このような現実からかけ離れた美しさは好みではないからだ。
「あれ、反応が悪いですね。私こんなに美しいのに!」
そう言って女神は、俺に顔を近づけてきて頬を膨らませた。
「人間らしい所もあるんですね、もう一度聞きますけどここどこですか?」
そう言って俺は無気力に再度女神に問いを投げかけた。正直、今の自分は精神的に参っていた。
長く自身の精神を蝕んだ、意味を感じられない人生、何も成せない自分の虚しさ、満たされない渇望感
が自分の生への気力を無くしていたからだ。
「本当、無礼な人ですね、まぁ、いいでしょう。ここは、天界です。そしてこれ以上の問いには受け付けません。
ややこしい話は嫌いなので早速本題から言わせていただきます。あなたの世界で言うチート能力を授けるので異世界へ転生してください」
女神は、問いには答えたが問答が嫌なのか真剣な顔つきで答えた。身勝手だと思ったが自分にとっては正直どうでも良かった。
「中々の理不尽だと思いますけど、まぁ理解しました。・・・お断りします」
「・・・え、何で!?」
俺の答えを聞いて女神は少しの間を開けて体を仰け反らすほど驚いていた。
「いや、だって転生ですよ!?しかもチート能力も付けます。それに、、、、」
そう言葉を続ける女神は、今の俺の状態も最も表す言葉を続ける。
「あなたは、絶望しているじゃ無いですか!!」
「なるほど、何で僕が選ばれたのか少し分かった気がします。けれど僕を選んだのは間違いでしたね」
「あなたは、世界に、自分に絶望していた。なのに何でこの提案を断るんですか!」
女神は動転していた。なぜ俺がそんな発言をしたのか理解できないのだろう。
「理由ですか?あなたには絶対分かりませんよ。人ですらない女神なんかに」
男は、女神に顔すら合わさず無気力に覇気なく答えた。
「あなたっ!本当に失礼ですね、まぁ、許しましょう。しかし答えは捻くれているくせに素直に答えるんですね
・・はぁ、では、その理由とやらをこの女神なんかに分かりやすく説明してくれますか?こちらからしてもあなたには転生していただく必要があるので」
俺には、なんでこいつは、そんな事まで知ろうとするのか分からなかった。
普段なら絶対に口にしないがこの時の自分は気が動転していたのだろう。見慣れない空間、人とは思えない女神、そんな状態だからこそ、誰にも話した事のない自信の心境を話してしまった。
「簡単ですよ。僕は、身の丈に合わない道を選び続けた。それに後悔は無い。だからこそ俺の理想は終わったんだ」
言葉を発していくたびに声の声量が上がっていき、口調も変わってくる。
「俺がこれから理想を語ることも体現することも無い!それが俺が選んだ道で、俺の結末だ。これから先など必要な
い!余計な事をするな!!」
女神は感じていた。そこに含まれる覚悟と尋常なる意志を・・・。
「あなたの事が少し分かった気がします。絶望に落ち自身が間違っていても自分にとっての正しさを弱さを貫き通せる。いや、変えられない。私は、選ばれたのがあなたで良かったと思いますよ。人は自らの弱さに飲まれるもの。それを人生によって克服したり隠したりする。しかし、あなたはそれを隠そうとしなかった。自らが選んだ道に準じる。そう言う人なのでしょうね貴方は・・・」
その女神の言葉を聞いて俺は、初めて目の前にいる存在が女神なのだと確信した。
「やっぱり女神ですね。この短い間でそこまで見抜かれるとは、、、だからこそ、俺は転生する気はありません
とっとと元の世界に戻してください」
女神は俺の答えを聞いて腕も組みうーんと言いながら考えていた。そうしてしばらくした後、女神はこう言った。
「では、こうしましょう!貴方がいた世界とほぼ同じ世界、いわゆる並行世界に転生するのはどうです?」
「話を聞いていましたか?僕の理想は終わった。ここからの先など必要ない」
まるでさっきの話を無かったように転生の話を持ってきた女神に男は2度目の返答を繰り返す。しかし、女神はそれを聞いても笑みを浮かべたままこう続けた。
「ええ、ですから理想を忘れ去り自身の欲望をぶちまけて下さい」
「はぁ?何を言ってるんだこのバカ女神は」
男は、女神が何をしたいのか分からず心の声が漏れ出る。
「貴方!もう少し私を敬いなさい!これでも女神なんですよ!はぁ、全く。話を戻しましょうか、、しかし、私の言っていることを貴方は理解しているのではありませんか?なぜ、貴方が自分の人生に満足に出来なかったのか」
女神は、まるで全てを知っているかのようだ言動で、男に質問する。
「・・・それは、・・僕が自分の理想を体現するほどの人間でなかったからでしょう」
俺は、よく分からない冷や汗をかき声を震わせながら答えた。その答えを聞いた女神は、不敵な笑みを浮かべる。
「違います」
女神は、まるで全てを理解しているかのように断言した。
「自分の理想を体現するほどの人間でなかったから?それが正しいなら貴方の世界の住民はほとんどが人生を満足
出来ないになるではありませんか。そして、それは女神の名の下に違うと断言しましょう」
女神は、自身の名の下に断固として否定した。まるで、そんな子供話みたいな話があるものかと言わんばかりに。
「・・・・っち!」
俺は、その時無意識に舌打ちをしていた。自分がずっと隠してきた本音を暴かれそうだと感じたからだ。
「貴方が人生に満足できなかった理由、それは貴方が自身の欲望を認めなかったからです。自分の理想にしがみ付き、足掻き続け、その理想に不要だった欲望を抑え続けた。それが貴方が人生に満足できなかった理由です」
女神は、まるで子供を叱りつけるように目の前の人間の人生について語った。
「だから、何だ!仮にそれが正しかったとして並行世界に転生する事が何に繋がるって言うんだ!」
まるで大人の正論に納得いかない子供のように俺は声を荒げ否定した。
「貴方は、先ほど『俺の結末』だとおっしゃいました。しかし、それは結末などではありません。
ただ諦めただけです。理想を体現できずそこから動かなくなっただけ。それを続けたとして結末になると思うのですか?それは、ただのゴミ、世界の塵でしかない。だからこそ並行世界で自身の欲望をぶちまけて下さい。理想を捨て去り、自らの欲望を認めた時に、貴方は自分の人生に満足できるでしょう。それこそが光の女神 『アテネス・シャイニング』が◾️ ◾️◾️ ◾️に提示する結末です」
女神の言葉を聞いた時、現実世界でも、、それこそここに来てからもずっと暗闇の中に佇んでいたかのような意識が初めて浮き上がった。
この先は無いと絶望し、答えを諦めていた自分にその結末が必要だと、、理想を追っていた頃の自分と同じように感じてしまった。
「他人に意志を曲げられるのは、少し嫌ですけど、、、いいでしょう。その提案、受けさせて頂きます」
「フっ、こちらの提案を受けてくれて良かったです。では、早速転生の準備を始めますね。転生が出来るまでの間に
能力や細かな設定をするので質問に答えて下さい。答えてくれたら、答えられる範囲での質問にも答えましょう」
男は、ここに来てから初めての笑みを浮かべる。女神は、その笑みを少しだけ良いものだと思ってしまった。
「分かりました」
「では、早速ですが転生からの意識覚醒は、5歳からになりますが大丈夫ですか?」
そう言って、女神は空中にウィンドウらしきものを浮かべカタカタと打っていく。
「大丈夫です。特に不満はありません」
男は、それに頷く。ただでさえ転生させてもらえるのだ。正直それ以上は、ありがたいものだと思っていた。
「分かりました。質問に答えてくれたのでそちらも質問しても構いませんよ。けれど、こちらの質問の回答1つに1つだけです。答えられない質問の場合は、答えませんし、質問権も無くなりますけど」
女神は、ウィンドウを見ながら男にそう言った。
『女神は理不尽だというイメージがあったが意外といい人だな・・』
「それじゃあ、さっき光の女神と言いましたけど光って事は善神ですよね?なのに、並行世界といえど好きに欲望をぶちまけてもいいんですか?」
「質問が二つになっていますよ。ですからこの質問に答えてくれたらその問いに答えましょう。
貴方は歳を取るごとに1つのスキルを授けます。5歳から意識が覚醒するので最初から5つの能力を選択します。
それに異論はありませんね?」
「はい、大丈夫ですけど・・・めっちゃ優遇してくれますね」
「それは、こちらの都合で転生してもらうわけですからそれに並行世界ですから何かあってもそこまで問題にならないという前提もありますが・・・」
「なるほど・・・」
「先ほどの質問の回答ですか、あなたの言う通り私は、善神です。そして、並行世界で好きにやっていいかと言えれば善神として何でもは許せません。ですからあなたの能力は、善行を前提とした縛りを科します。悪行をすることも可能ですが、許容値を超えると抑止力という形で何かしらの介入が起こるでしょう。それと先ほど、並行世界だから
そこまで問題にならないと言いましたが、並行世界でも実在する世界ですので無碍にしている訳ではありません」
「なるほど、確かにそう考えれば特典として考えれば不満はないですね」
「不満がないのもあなたらしいですね。普通なら文句の1つは、出てきそうな物ですが、、、では、早速授けるスキルの構成について考えましょうか。
そうして、互いに質問しあい、時間にして1時間ほど女神と話してスキル構成を決めた。
スキル構成
制約 光の鎖
効果 自身が所持するスキルは、悪行を行うとペナルティが発動する。
悪行として判断されなければペナルティなどは起きない。
善行を行うと善行レベルがありスキルに補正がつく。
スキル1 善行の奇跡
効果 善行をポイントとして貯める事ができる。そのポイントを使ってスキルを創造出来る
スキル2 善行の契約
効果 両者にとってメリットのある契約を強制的に成就させる。
この契約では、メリットが互いに同じくらいでないと出来ず、一方的な契約も出来ない。
もし、契約を反故したりすると破ったら側は、尊厳の権利を相手に奪われる
スキル3 善行の守護
効果 悪行を多くこなし、存在が悪となった時しか死なず、殺せない。
存在が悪となるとスキルの一切が使用不可能となる
スキル4 ???
効果 ???
スキル5 ???
効果 ???
「こう言った感じで大丈夫ですか?」
女神は男に最終工程として、スキル構成を口中にウィンドウとして浮かばせ確認させた。
「はい、十分です。むしろこんなチートスキルを手に入れてもいいかと思ってしまいますよ」
「まぁ、悪用が難しいスキルになっていますから少しサービスしてあげました。それに私への敬意も質問の時から
感じられるようになったので最後に一つだけ何でも質問に答えてあげましょう!」
「ハハハ、太っ腹ですね。そうですね。うーん・・・」
俺は、手を顎の下に置き考える。
「何でもなら、やっぱり、、なんで俺なんですか?絶望した人なら他にもいたでしょう」
「それは・・・」
男からすれば当然の疑問だった。その条件なら自分よりも他の適性者がいたはずだと。その問いを女神アテネスは、どう答えるべきか考えていた。そして、真剣に簡潔に一言一句正しくこう言った。
「それは、あなたが紡ぐ物語だからです」
「それって、どういう・・・」
男は、意味がわからず理由を聞こうとするが途中で遮られる。
「選ばれたことに理由があるとすれば、あなただからです。この時、この場所に選ばれるのはあなただった。
それが最も的確かつ、いまのあなたに伝えられる事です」
その顔は、真剣だった。矮小な存在である俺にも慈悲を施し、敬意を忘れない。善神アテネス・シャイニングがそう言うのならそうなのだろう。なぜか、そんな曖昧な理由で納得した自分に少し驚いた。自分は、前の世界で恋人を作らなかった。作れなかった事もあるが愛と言うものが自分なりに理解できず大事にした人を失うのが怖かったからだ。つまり、最後まで人を信じる事ができなかったのだろう。もしかしたら、今、この胸が感じているものが信頼と呼べるものなのかもしれない」
「女神様って人たらしなんですね」
いつの間にか、双口から答えていた。
「今、気づいたんですか!フフ。並行世界に行ってもこの女神の素晴らしさを忘れないように。では、準備ができました。あちらにあるゲートから向かって下さい」
「分かりました。短い間でしたけどお世話になりました」
そう言って俺は女神にお辞儀をしてゲートを向かう。話したのは、数時間だけだったけど名残惜しいと感じてしまった。他者と話して楽しいと感じたのは、久しぶりだったから。けど、振り返ってはダメだ。振り返ったら前の自分に戻ってしまうかもしれないから。どれだけ取り繕うと絶望した記憶は残っている。前へ進むのは、とても辛いことだ。何年も止まっていた自分が進むなら振り返ってはいけない。そう心の中で自分に言い聞かせ俺はゲートの前に立ち、入ろうとする。
その瞬間、、、「◾️◾️ ◾️◾️!」
自分の名前を呼ばれて俺は振り返った。そこには、人ならざる美しさを持つ女神が微笑んでいた。
何もない真っ白な空間がこの世で最も美しい場所と感じるほどの美しさと衝撃があった。
女神は、声をあげてこう言った。
「あなたの笑った顔は、中々のイケメンでしたよ!頑張って下さい」
あの女神様は、どこまでも人間らしいなと思った。
「この言葉をあなたには恥ずかしくてあなたに言いたくなかった」
転生の話を受け入れていた時から思っていた。小っ恥ずかしくて、前の世界なら誰にも言いたく無かった言葉をここに来て初めて女神に言う。
”ありがとうございました”
そう言って、俺はゲートの中へ入って行った。
女神 アテネスは、◾️◾️ ◾️◾️が出て行った後におもむろにつぶやいた。
「ここから始まるのですね、あらゆる世界を巻き込む宇宙大抗争が」
これから始まるのは、自らの欲望と向き合う人間が◾️◾️へと至る前の物語。




