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転生したら違う世界だった件 魔女とダンジョンの運命の星(アルカナム・スター)  作者: 正体不明
安部家編

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兄妹?姉弟?

毎日投稿11日目!新しくブックマーク登録してくれた方ありがとうございます!

「説明の前にどうしてそれに気付いたのか教えて貰えるかしら」

紫色の髪をした少女は、笑みを浮かべたままそう言った。


「そうだな。たまたま気付いてしまったというのが正しいかな。この部屋に入ってきてから少し匂うなとは感じていたから」

「また偶々ね・・・。それと少し匂うっていうのやめて貰えるかしら」

「それは、失礼」

少女は、俺の言葉を聞いて少し不機嫌になりつつも納得してくれた。


「はぁ、バレてしまったからには説明するわ。この匂いは私の体質”魅惑体質”のせいで出ているの。普段から陰陽術の府で押さえ込んでいるから、長くいない限りは一般人でも特に問題はないわ。まぁ、それでも大体私に好意を持つのだけど」

少女は、呆れたように言った。


「もしかして、それが杏奈さんが心配していた理由?」

「ええ、そうよ」

そう言って自身の体質について話し出す。


「生まれた時は何も無かったらしいんだけど、私が3歳の頃から体質が発現してそれ以来色々と問題が起きたのよ。体質は、ジョブの能力じゃないから効果を確認できるのはそれを体験した人もしくは近くにいる人だけなの」

「なるほど」

「うちの人達は殆どが耐性を持っていたから問題が無かったわ。周囲への問題もお父様の府の効果で抑えているし」

「話を聞く限りそれで万事解決にはならなそうだが・・・」


この世界でアーサー・ペンドラゴンの娘が誘拐されたように日本一のハンター”一族の娘”。それも珍しい能力を持っているなら尚更面倒ごとに巻き込まれるだろう。


「その通りよ。この体質の事は、問題の事件が起きた時に被害を出す事は無かったけど隠すことが出来なかったの。だから私は、ある程度自衛が出来る年齢まで護衛をつけて生活しなくちゃいけなくなったわ」


少女の話を側から聞けば嫌そうに思えるが、少女の感じからはあまり不服そうでは無かった。


「・・・不服そうじゃないのがおかしいと思う?」

目の前の少女は俺の表情を見てそう思ったのか微笑みながら聞いてきた。

「まぁ、そんな体質になってしかも家で監視付きの生活となれば嫌だとは思うけど・・」


「護衛付きって言っても杏奈が側にいるだけよ。それにウチには、代々伝わる結界が貼られているからそこを掻い潜って侵入したり、何かをする事態が難しいでしょうけど。実際、あのアーサー・ペンドラゴンもウチの安全性を認めてその娘であるリーナを預けてくれるくらいだから」


「なるほど、あのお転婆なお嬢様がね。確かにあの家より人員が多いだろうからな。ここの方が安全面でも子供の精神面でも安心できるだろう」


ペンドラゴン家の家に泊まった時に知ったのだが、あの家の防衛セキュリティは凄いらしい。

強度という点では、そこまでらしいが侵入に対する対策はまさしく砦。

もし突破されても中の執事やメイドが時間を稼ぎ、その間にイリナさん達が到着できるようにしてあるらしい。

しかも二人はすぐに転移できるアイテム付きで。


「けど、リーナが自分から家を出たのは本当に驚いたわ。あなた知ってる?あの家って、外の防衛力だけじゃなくて外に出るのにもかなり面倒くさいの」

「それは、知らなかったな。外の防衛についてはかなりのものとイリナさんが教えてくれたけど」


俺の時は、楽に出られたから凡そ使用人の人達が事前に解除してくれていたのだろう。


「家の外に出るのにも何回もの承認やロックが貼られているし、家主である二人でも使用人に手伝って貰わないと手順通り出るのは無理なの」


少女の話を聞いた時に俺は一つの疑問が浮かんだ。

「ちょっと待て。じゃあ、あの家出娘はどうやって抜け出したんだ。使用人が手伝った訳じゃないんだろ?」


少女は、真顔で少しの間沈黙し、呆れながらに衝撃な事を言い放った。


「・・・・はぁ、あの子は何個かのロックを手順通りに解除した後に、残るロックを力技で破壊して家出したのよ」

「はぁ!?」

俺は、その答えに口を開けて驚いてしまった。


「さすが最強の娘と言えるわね。恐らく何個かのロックは使用人が解除しているのを見て覚えたんしょうけど。最後に一人じゃ解除できないロックにムカついて壊して脱走したらしいわ。しかも、バレないよう電気系統の魔法の遮断のおまけ付けで」

「それは、お転婆どころじゃないな」


少女と俺は苦笑いしながら規格外の家出娘に奇しくも同じことを思った。

          『絶対、才能の無駄遣いだ!!』と


「てか、なんで脱走したんだろうな?」

アーサー家には1日いたが特段気にならず家出の理由を聞いていなかった。


「今の貴方なら安易に気づけそうだけど」

「今の俺なら?」

今の俺は、アーサー・ペンドラゴンに養子を頼んで安倍家にいる・・・。

考える中、それを見てアルファが答えを教えてくる。


「恐らく、マスターが今いるこの場所が目的かと」

「ああ〜〜〜〜、」

俺はアルファにそれを聞いて全部が繋がり、呆れて腑抜けた声を出していた。


「答えは、分かったようね」

「今いるこの場所が目的だってことだろ」

「ええ、リーナがまだ目覚めていないから断言は出来ないけど。リーナの痕跡を追うとハンター協会の方角にあったらしいわ。ここ最近、私の習い事が多くなって遊べなかったのが原因だと思う。だから、・・・」


彼女は座りながら手をつき、言葉の続きを言った。


「あの子の友達として貴方に感謝を」


そう言って、頭を地面につけ深く頭を下げる。

その光景を見て俺の行動は無駄じゃ無かったんだなと思い達成感に似た何かを感じた。


「別に感謝されるほどじゃない。殆どの事はあの人が解決したんだから」

「それでもよ」


こうして初めて会った少年少女はお互いを見つめながら認める。

これが恐らく、俺と彼女の始まりだったのだと思う。


「じゃあ、この話は終わりということで、一番大事な話をしましょうか」

彼女は、先ほどの態度は一変して今から大事な話をするという割には無邪気に笑いながら言った。


「それは、ズバリどちらがきょうだいとして上に立つかということ!」


▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎


目の前の彼女の言った言葉に俺とアルファは、一瞬思考が止まってしまった。その後、俺は笑ってしまう。


「ハハハ、確かに重要な事だな」

「目の前の女性はお笑いのセンスがあると思われますね」

アルファも面白かったのか機械故に表情は無いが、笑っているように思えた。


「でしょう。家族になるならこれはちゃんと決めなくちゃよね!」

「見た目に反してお茶目な事があるんだな。まぁ、普通なら生まれた順だろうけどそれじゃあ納得いかない感じだろ?」


「当たり前でしょ。血が繋がってるならまだしも、他人から家族になるのに同じ年齢で誕生日の早さで決めるのはごめんだわ」

「そうは言ってるけど、単純に君が生まれる月が遅いだけだろ?」

「・・・・貴方は、何月生まれ?」

「10月」

「・・・・私は12月。はい、じゃあ、言葉通りどうやって決めようかしら」


『多分、これで俺の誕生日が遅かったらこのまま決めてたな』

「私もそう思います」

俺の心の声を聞いてアルファも同意する。


「で、どうやって決めるんだ?」

「ここはやっぱり勝負でしょう。・・・何にしようかしら」

彼女は、手を顎に起き先ほどと同じように考えていた。

彼女が考える中、俺は会った時から気になっていた事を聞いた。


「気になったんだが、君、何か武道をしてるよな?」

「ええ、まぁこの服を着ていたら分かるでしょうけど。私は剣道と柔道を習っているわ」


少女は、腕を広げて道着を見せるようにした。


「腕前は?」

「昇段試験とかは興味ないから受けていないけど少なくとも柔道に限って言えば、同年代には負けたことはないわ」


彼女の言葉を聞いてそうだろうなとは思っていた。

入った時に感じていた姿勢も含め、年齢の割には隙がなさすぎるからな。


「実は俺も柔道は心得があってね。柔道で勝った方が上になるっているのはどう?」

「話聞いてた?多少の心得があった所で私には勝てないと思うけど」

「逆に言わせもらうけど俺も同年代のしかも女の子に負けるつもりはないよ」

「あなた、私のこと舐めてる?」

「別にそんなことはないよ」

二人の視線の先には、バチバチと見えない火花が散っていた。


「すごい自信ね。じゃあ、お父様との挨拶が終わってから練習場で勝負しましょうか」

少女はニコリと笑いながら言った。

だが少年の考えは違っていた。


「相手の感情がかなり揺れています。めちゃくちゃ怒っているかと」

アルファの説明に”流石に俺でも分かるよ”と心の中で思った。


「いや、今すぐしよう」

「はぁ?何言ってるの、杏奈が呼びに行ったんだからもうすぐお父様が来るし、何より貴方スーツじゃない・・・そん」


目の前の彼女が少しの怒気を込めて喋る中、俺は話を遮り自信を持って言い放った。


「そこは気にしてなくていい。あの人なら気にしないだろうし、それに君に服を触れさせるつもりもない。その上で断るというなら負けるのが怖いという認識で大丈夫かな?」


目の前の少女を怒らせるためだけの”特大の煽り”を


「いいでしょう。そこまで言うのならその喧嘩、勝ってあげる」

目の前の彼女は怒りすら超えて顔は真剣そのものであった。

その表情を見て、座布団に座った状態から立ちルールを決める。


「勝負は清貴さん達が来るまで、その間に勝っていた方がきょうだいとして上に立つ。それでどうかな?」

「いいわ、それで、、、。私、負けるつもりないから」


手短にルールが決まり、安倍美桜も座布団から立った。

互いに柔道ができるスペースを確保し礼をする。

この和室の部屋は家のデカさと同様に普通よりも広い。

それこそ、数十人が入ることができるほどのスペースがある。

それなら小学生になったばかりの二人の子供が柔道をするくらい問題ないだろう。

      

               ”普通の柔道ならば”


安倍美桜は最初から全力で仕掛けた。

安倍美桜は天才である。

弱冠6歳ならリーナと同様にジョブの力にも覚醒している。

彼女は負けがないと言っていたが、それはジョブに覚醒した小学6年生までという事である。

当然、負けた子供も小学生で覚醒している時点ですでに優秀。

その上で年齢が下回っているにも関わらず負けなし。


そんな彼女が最初から全力を出したという事は、”相手に一切の反撃をさせずに一本を取る”という事である。


アルファは、少女と主の試合を傍観していた。

『彼女の最初の一手がマスターに届こうとしている。それは、スーツの胸ぐらへの掴み。そのスピードは、とても早く無駄がない。ある程度の実力者でも胸ぐらへ掴まれるだろう。仮に掴まれなくても間合いには入られる』


しかし、その一手は目の前の少年に届くことは無かった。


「私の最速の先制。ジョブに覚醒していない人が見切る事は無理」


少女は、そう思っていたが結果は全くの逆であった。

なぜなら少年がその最速の先制をいとも容易く手で弾いたからだ。


「な、、、、、、」

「そんなに防がれたことに驚いたのか。じゃあ、、、、次は、こっちの番だ」


彼女が驚く中、俺は反撃として彼女の道着の襟を掴もうとする。


「ク、、」

少年の反撃を少女は体を斜めに倒してギリギリ回避する。


『どういうこと?ジョブに覚醒していないのに私のスピードについて来れる。それに柔道の腕も中々。訳がわからない』

後ろによろめきながらも少女の頭の中は混乱していた。

彼女が悩んでいる理由はステータスと年齢にそぐわぬ柔術の技量だ。


ステータスの差は、女神のスキル”神が与えし肉体”により若干少年の方が高い。

年齢にそぐわぬ技量に関しては、言わぬもがなだろう。

この世界に来て早々に仮想世界に入りアルファの仮想世界で対人戦のシュミレーションをしている。

ステータスと技量で少年と少女には確かな差があったのだ。


『柔道は間合に入り、投げやすい相手の場所を掴んでそこから技をかける。だからとにかく間合に入って相手を捕まえる!』


もう一度言おう。

安倍美桜は天才である。彼女が強いのは”安倍美桜”自身が柔術の達人であるからだ。

実際に得体が知れない目の前の相手にも冷静に対処できている。


『もう少し驚いて調子を崩してくれるのを期待したけど、すぐに建て直したな』

そう心の中で思う中、目の前の敵は仕掛けてきた。

フェイントを入れ、狙いが分かりづらいようにして俺を確実に捕まえようとしてくる。

その掴みを手で跳ね除け、体を動かし、または場所を移動して回避していく。


『何、こいつ!服に触れられすらしない!』

彼女は、どれだけ回避しても果敢に攻め込んでくる。そんな時、アルファから報告が来た。

「マスター、3人が今からこちらに向かわれます」

『じゃあ、そろそろ決着をつけないとな』


『今!!』

ほんの一瞬だった。◾️◾️が目の前の少女から目を離し、気を抜いた一瞬に少女は技を放つ。

『白虎流柔術”籠手”』

白虎龍柔術”籠手”それは、数ある技の中でも最速の突き。相手の隙を見抜き技を決めるための基本技。


「!?」

少年は一瞬の油断から服を掴まれそうになる。


彼女は確信した。『掴める!』と。

そこから技をかけると確信を持っていた。


しかし、()()()()()()()()()()()()()()()


少年は、その技を体を少し倒して右へ躱す。

そこから自身の左手で技が放たれた彼女の右手を掴み、自身の足を少女の足に掛ける。

最後に残る右手で彼女の道着の襟を掴んで技をかける。


安倍美桜が放った技が基本のならこちらもの基本技 ”大外刈り” である。


「グゥッ」

少女は体を地面に押し付けられた衝撃で呻き声を上げる。


少年と少女の態勢は、柔道としては普通だった。

しかし、目の前の少女の道着ははだけている。

下には普段なら着ているシャツではなくサラシ。

少年は、”これ見られたらやばくない?”と感じながらも少女に声をかけた。


「・・・俺の勝ちだな・・・」


「マスター、3人が数メートル圏内に来ています」

『まずい!この状態を見られる訳にはいかない。早く離れないと・・・!?』


アルファの情報から今の状況を見られまいと少女から離れようとする。

しかし、少し離れた瞬間、急に自身の脇腹が何かに挟まれた。

当然それをしたのは、下敷きにしている安倍美桜である。


「貴方言ったわよね。勝負は3人がくるまでだって、なら!勝負はまだ終わっていない!」

「うぉ!?」

そう言って、今度は二人の位置が反転する。俺が下敷きとなり、彼女が上となる。


「これで引き分けね!」

上に立つ少女が自信満々に言う中、アルファから警告が来る。

「マスター後30秒で3人が到着します」

「!?クソ!」


それを聞いて俺は、ジタバタと相手を下そうとするが中々振り落とせない。


『こいつ、柔道よりレスリングの方が才能あるだろ!!』

「フフ、無様ね」

「いいから、早くどけ!」


アルファをそれを見ながら思った。もう手遅れであると、パタンと和室のふすまを開ける音がした。


「中々、面白いことが起きているね」

アーサー・ペンドラゴンはその光景を面白がり

「お嬢様!」

侍従である黒姫杏奈は、自身が心配していた逆の事が起きており動転した。

「美桜、早く降りなさい。淑女として、はしたな過ぎるよ」

父である清隆は手で顔を隠し目の前の光景に呆れながらも娘に注意する。


「?お父様は何を言ってらっしゃるんですか?」

「は〜、今の俺とお前の状況見てみろ」


少女は何がおかしいのかわからなった。

なぜならいつも道場でやっている事と対して変わらなかったからだ。

しかし、下に敷いている少年に言われて少年と自身の状態を見た。


柔道とは、揉めあえば合うほど衣装がずれてしまう。

少女の道着は少年の大外刈りにより前がはだけサラシが見えている。

少年も先ほど押さえつけられた状態から抜け出そうとして一張羅であるスーツがよれてしまった。


アルファは、何という事だろうと思った。

側から見れば少女が少年を襲っているかのように見えるのだから。


「い、いや、、、、、ち、違うんです!」

少女は、顔を真っ赤に染めながら目撃者3人に弁明した。しかし当然、説得力など皆無だが。


「何で、こうなった」

少年は心の中で諦めと悲壮の気持ちで悟った”幸先から終わった”と。

















事故による勘違いは個人的に大好物です!

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