第十四話
これはわたし、篠原藍樹の処女作になります。混乱部分がほんのすこーしありますが、どうかお気になさらずに。
よければ、感想欄にてお知らせください。
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『展示中。自作ラノベ&詩!!』
是非のぞいてみてください
話し終えた時に黒羽に頭を撫でられた。
「お前はどんな辛いことがあっても泣かなかったんだな……」
私はそんなこと一言も言っていないのに、彼は言いあてた。
「どうして?」
彼は撫でる手を止め、頭の上にポンと手を置いた。背中の温度が逃げていく。
「だって、許してもらえないんだろ? お前の呪いでは。泣いても意味ないだろ。誰も味方になってもらえず、罪を許される日も来ない。背負うだけだ」
彼は手をどけると、私の前に屈んだ。
「そうね」
私は適当に相槌を打った。
「お前、嘘ついてるな」
私は首を傾げた。嘘なんて黒羽に言ったつもりはない。全て真実だ。
彼は私の正面に座った。
「俺じゃなくてお前自身にだ。綾切」
「私?」
「そうだ。人を信頼できなくなった? 許してもらえない? それは逃げるための嘘だよ。最初の意図と違う。お前が後に作った呪いは自分を壊すためのものだ」
考えたこともなかった。自分を壊すために作ったなどと。
「壊してどうするの?」
「楽になれる。何も感じずに済む。簡単だ」
私は少しだけ首をひねった。自分のアレに向き合って考えてみるために目を閉じる。いつもならば強烈な拒否反応がでるため怖がって目を逸らし続けているが、なぜか今は大丈夫な気がしたのだ。
「うん……そうかもしれない。ただ楽になりたかっただけかもしれない」
「……お前のそれは大丈夫だよ」
彼は両手を頭の後ろにまわし、視線を天井に向けた。
「綾切、お前の呪いは大丈夫、解ける」
二度言った。かなり確信があるらしい。
「どうやって?」
「一つ目、俺の願いを手伝う。二つ目、お前が報われるまで俺が頑張る。三つ目、俺がお前を許す存在になる。ど~れだ」
ふざけた質問だ。二つは黒羽が頑張るという選択肢。だから、
「一つ目」
「答えはどれを選んでも正解でした」
「じゃあ、どれも選ぶっていうのは?」
「いいよ。満足できるなら。……俺はさっき解けるっていったけど、解くのは俺じゃない。綾切自身だ。お前が呪いを撤回できるようにならないと無理だ」
「撤回? 解くんじゃないの?」
「お前がインベンションで楽しいと思えば……お前の過去を知っても友達だと言ってくれる人が現れれば、お前自身が作った呪いは解ける。ただ、お前の母さんの遺言は……な。――そもそもお前の言う呪いの言葉っていうのはおそらく『その人を縛りつける戒め』の事をいうものだ。呪詛とかじゃなくて、言うなればタチの悪い自己ルール、だな。それは作った本人しか……」
口が閉じていしまった。だから、私が彼の言葉の続きを確認するように話す。
「どうにもできない、ね?」
申し訳なさそうな顔で頷いた。
「ありがとう。黒羽。貴方が初めてよ。こんなに真摯に受け止めてくれたの」
「そうか。ただの恩返しだから気にすんな」
拗ねたように口を尖らせて恥ずかしがっていた。可愛い。
私は立って、彼の背後に移動した。彼は奥手の為に、こういうことに全く耐性がないと記憶している。
「ガシッ、と」
軽く抱きついた。別に酒に酔っているわけではない。ただ、気を紛らわせたかっただけだ。
「………」
後ろからヘッドロックをして、抱きついたのに反応がない。どうしたのだろう。鼻血を吹いて倒れてくれるくらいのリアクションは期待のしすぎだっただろうか。
私的には恥ずかしさよりその期待のほうが勝っていたので残念で仕方がない。
「おーい」
「なんだ」
「反応が薄いんだけど?」
「……いや、弄んでいるのが分かったから無視してた」
私は両手をほどき、黒羽の頭にとりあえずチョップを入れておく。
「なんだよ。さっきから」
「黒羽で遊んでいます」
「……あ、もうここでないと間に合わなくなるな、行くぞ」
わざとらしく、今まさに気がつきました、という顔で彼は立ち上がった。これは拗ねているようにも見えておもしろい反応だ。
「夕方って言ってなかったっけ?」
「黙ってついてこい」
何か企んでいるようだ。口端が吊り上って笑っている。
「悪役の親玉みたい」
「……行くぞ」
私達は小屋を出た。




