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第十三話

これはわたし、篠原藍樹の処女作になります。混乱部分がほんのすこーしありますが、どうかお気になさらずに。

よければ、感想欄にてお知らせください。

変えます

こちらがFC2ブログとなります↓

http://lastorder41.blog.fc2.com/

『展示中。自作ラノベ&詩!!』

是非のぞいてみてください

「――いやっ! これ以上はむ、無理!」

「何を言ったんだ! お前のお母さんは何を言ったんだ!」

「違う……言ったら終わりなの………」

 俺は喉を震わせんばかりの大きな声で言った。ひたすら過去に怯え続ける少女を前に進ませなければ。いつまでも足が竦んでいるままではいけないと伝えるために。

「始めるために、一辺終わらせてみろ!」

 綾切は瞳孔を大きく開け俺を見た。

「……言うよ?」

 彼女は俺を信じた。身体が止まらなくなるほど震えて、恐怖しても。

 俺は静かに頷いた。

「『……繍花ちゃんはこれだけのことをしたんだよ。そんなあなたには誰かと親しくなる権利などない。生きてるだけで十分じゃない』」

 言い終わると、彼女は顔面蒼白になった。一気に精力がなくなったみたいだ。

 これが綾切繍花が何年も背負った呪いの言葉。壊れてしまった母親の遺言。彼女が人と長い時間一緒にいれない理由。

――だが、待て。なぜ俺には近づける? なぜ一緒にいれる?

 矛盾してきた。彼女の今の里親は出張などで一緒にいることは滅多にないそうだが、俺の場合はここ最近ほとんど毎日会っている。それなのに俺を拒絶しない。

 インベンションにしてもそうだ。友達という親しい人を何人も作りかねない場所に、なぜ登録しようとしたんだ。

「綾切。それがお前の言った呪いか? 本当にそれだけなのか?」

 彼女は俺の話を聞いていなかった。両手で肩を抱いていやいやをしている。

「なぜ、俺は大丈夫なんだ! 綾切!」

 俺は彼女の肩をその冷たい手と一緒に掴んで、身体を揺さぶった。

「分かんないよ。全部おかしいから。ここ最近は全く大丈夫だったからっ!」

 分からない。頭を抱えて繰り返しながら言っている。

 ある考えが俺の頭を過った。

「綾切、思うに……お前のそれはもう解けてるかもしれないぞ」

「え?」

「ほら、俺の願いはたくさんの人たちと一緒にいたい。お前の呪いは人と長い間一緒にいれない。でも、お前はインベンションという交流の場所を得ようとした。それは、お前の呪いを解く方法が長い間人といることだからじゃないか?」

 逆の事をする。それを無意識にやっていたからこそ、呪いに抵抗する力ができ、俺とも普通に会えると思ったのだが、

「違うよ。だって私の呪いの症状が現れたのはひきこもりになる少し前だから。その前は普通に学校通って、いっぱい人がいるところいたから、その推論だと私はとっくに治っていると思うわ」

 消えそうな声で否定された。

 そして、俺はあれやこれやと考えながら尋ねた。

「質問だ。お前がひきこもりになる前に何か言われなかったか?」

「誰に?」

「誰かにだ。それがお前の母親の言葉――戒めの強さを増幅させてしまったんじゃないか?」

「……そうね。それもいいましょうか」

 綾切は俺と背中合わせになるように座った。背中から体温が伝わってくる。そして、震えも。

「しばらくこうしとく」

「いいよ」




 幼い少女は世間の絶好の標的になりました。

すぐに新聞やニュースには顔写真と一緒に載せられてしまいました。

そのあと、彼女はいろんな人から好奇の目で見られるようになりました。

保護施設に住んでいるだけでも耐えきれないのに、更に人からそんな目で見られるのです。たまったもんじゃありません。

ストレスが日に日に溜まっていきました。

自分が母を、父を、おじ、おば、従兄弟を殺した。

その事実だけでも押しつぶされそうなのに、彼女の重責は増える一方でした。


時日が過ぎ、少女は中学生になりました。自分が人殺しだということを伏せて学校生活を送りました。通っているうちに、仲のいい友達が何人もできました。

幸せでした。自分が人を殺したということを忘れることができるほどに。

そんなある日、ある親友が言いました。

「ねぇ、新聞に載ったことがあるってホント?」

 あの好奇の眼差しでした。保護施設にいるときにずっと向けられたあの目でした。

「ち、違うよ?」

 慌てて否定しました。

「お母さんが言ってたの。あの子、見た事あると思ってたら昔、一面に掲載されてた子だわって」

 お母さん。オカアサン。

『あなたには誰かと親しくなる権利などない。生きてるだけで十分じゃない』

 母が言った呪いの言葉が頭の中で響きます。何度も何度も記憶の奥の母が言います。


 彼女は狂ってしまいそうでした。


 それから半年後、少女がついに殺人鬼だということがばれてしましました。

「殺人鬼」「殺人狂」「人殺し」「人切り」

 ほかにもいくつかの渾名をつけられました。よく考えつくものです。

 親友だと思っていた子達も、

「人殺しの化け物っ!」

 と言って逃げてばかりです。先生、友達、彼女達の親のだれも少女の味方になることはありませんでした。非難されるだけの毎日です。女の子というだけあってか、殴られたりすることはありませんでした。

 親友にも裏切られ、誰も信頼できなくなった私は自身であの言葉を復唱しました。

『綾切 繍花は親しくなった人全員の、憎しみを、罪を、死を、背負わなければならない。だが、それが報われることは決してない。なぜならば、綾切 繍花という人間は生きてることさえも許されないからだ。生きているだけで十分だ』

 多少長くなったり、変わってしまいましたが、問題ありません。母の残した言葉をきちんと守っている内容なので大丈夫です。


 すでに少女の心は狂い壊れて、死んでしまっていました。


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