第十二話
これはわたし、篠原藍樹の処女作になります。混乱部分がほんのすこーしありますが、どうかお気になさらずに。
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『展示中。自作ラノベ&詩!!』
是非のぞいてみてください
起きてみると、小屋のベッドで寝ていたことが判明した。窓からは朝の陽射しがこぼれ、部屋も薄明るい。
黒羽は柱の近くでもたれかかって寝ていた。
――今のうちに逃げようか
そう思ったが、昨日の黒羽のことが頭から離れない。気になる。
私の過去まで勝手に調べて黒羽はどう思ったのか。この人なら普通の人とは違う感想を持っているかもしれない。
「うん……」
そうかもしれない。助ける、と昨日彼は言った。ならば、私のこの忌まわしい呪いさえ解いてくれるかもしれない。
「おはよう」
不意に声が聞こえた。起きたようだ。黒羽は眠そうに目を擦り、欠伸を数秒した。
「……」
挨拶に返事も出来ない。昨日の自分が恐くて、また何をするか分からないと思ってしまう。
彼は不審そうに私を見ていた。恐い。目を合わすとアレによる昨日の囁き声が帰ってきそうで恐い。
「こんにちは?」
違う。
「おはようだよな?」
「お、おはよう」
ビクつきながらも言えた。ただの挨拶のはずなのにひどく恐い。
「今は……八時半か。ティエにでも連絡するか」
彼は懐から歪な携帯を出して、一回だけボタンを押した。2、3秒してから「はい」という返事が返ってきた。
「ティエか。無事だな?」
「無事っていうより暇です。インベンションの復旧作業は私達では何もできないですし、犯人探しも同様です」
「どちらももういい。どちらも解決しそうだ」
「「はぁっ!?」」
綾切とティエの声が重なった。黒羽は、俺は何もしないで呑気に寝ていたわけじゃないと言って、
「帰ってから言うわ。夕方までには帰る。じゃあな」
携帯を切ると、すぐさま私の方に向き直って真剣な表情になった。
「さて、夕方まで時間はある。聞かせてもらおうか。お前の口から」
「言うの?」
「詳しくは知れなかったからな。お前の名前を調べたらすぐに新聞記事が出てきたもんで、それを読み漁っただけ。マスコミなんていくらでも捏造できるからな、一番真実を知っているお前の口から、な?」
ためらった。黒羽が信用できないわけじゃない。だがそれでも、恐い。
「恐いか?」
「うん……。この話を知ってる人はみんな私の事を殺人鬼扱いする」
「そうか。ま、比べちゃいけないのは分かってるんだけどな………俺なんて間接的にではあるが、人を何人も殺してるぞ? 見るか?」
取り出したのは写真だった。家族の写真。中国系のアジア人が多い。なかには青い眼の色をした家族もいた。写真は合計七枚ほどで、移ってる人数は約三〇人程度。
「これは?」
「俺が金を丸ごと奪って殺した家族……厳密には一家心中だが、そうなるきっかけを作ったのは俺だ。俺は、罪もない人を殺しまくっている殺人狂さ。俺自身では一人も殺したことないけどな」
口をぽっかりと開けて唖然とした。口調は何でもない風なのに顔が正反対だ。青ざめている。彼は今にも吐いてしまいそうで、口を押さえていた。
「無理しないでよ」
辛い。もう恐怖なんてどこかに行ってしまった。そこまでして言わないといけないのか。
黒羽は私に近づくと無理に笑って見せる。
「無理してでも……な? お前はただ、俺を殴って終わったってわけじゃない。助けたんだ」
「………分かった。話すよ全部。呪いが出るかもしれないけど、その時は……」
「呪い? 比喩表現か?」
「そうよ。呪いはじわじわと死に至らしめるってイメージを持ってるから、便宜上そう呼んでいるだけ。内緒よ?」
私がどうなるか分からないけど、彼の誠意や覚悟を見た。それに私は答えたい。
「講演料はあるのかしら?」
「そうだな。ギャラとしてお前を――……どういったものかは分からんが、その呪いをどうにかしようか」
その言葉がずっと聞きたかったんだと思う。私を救いに来て、呪いを解いてくれる人を待っていたんだ。
仮想世界の神が私の呪いを解いてくれるらしい。アレは私自身じゃ解けない。
「今から話すよ」
私はきっと嬉しかったんだと思う。
あるところに普通に生きて、何の変哲もない家に住んでいる少女がいました。
彼女は毎日、幸せに生きて、家族から愛され続けていました。
ところがある日、それは少女の誕生日の事でした。
家族、親族合わせて八人が彼女に家に祝いに来てくれました。彼女のプレゼントを持って従兄弟二人、おじさん、おばさん、お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん。
みんな彼女を祝うために一軒家の小さな家に集まってくれました。
少女は喜びました。自分一人のためにこんなにいっぱい来てくれたことを。
夜は外食しに行くということで、待ちきれなくなった少女は夕方から外に出ていました。
すると、なんと郵便受けに綺麗にラッピングされた箱を見つけました。宛て名も何もありませんでしたが、きっと近所の子が届けに来てくれたと思ったのです。
その箱を持って近くの公園に行きました。歩いて二分もかからない場所です。
少女以外の人は公園にいませんでした。
「中身はなんだろう? 誰からだろう?」
開けたら答えが分かると思った少女は包装を解き、蓋を取りました。
入ってあったのはよく分からない機械でした。大きくデジタル文字で3と書かれていて、すぐに2となりました。
少女にはこの数字が何か分かりませんでした。秒毎に進んでいるのは理解できたのですが、0になるとどうなるか知らなかったのです。
彼女はその数字が0になった途端、家が爆発するのを見ました。
ドン。バーン。ドーン。三回。鼓膜が破れてしまいそうなほどの爆発音を聞きました。
少女は目の前で何が起こっているか分かりませんでした。
家が粉々になって燃えている。
「いゃぁああああああ……ああ……!」
親戚や両親のもとに少女は走りました。走ったら数秒で着いてしまう距離です。
着いた時には周りで慌てふためく近所のおばさんが何人もいました。
燃える音。悲鳴。呻き声。
まだ母が生きていました。少女は嬉しさのあまり母の声がする方までとんでいきました。
いました。裏庭の近くに母親が、
ほとんど上半身のみで生きていました。
右腕が吹き飛び、髪はほとんどなく、声でしか判別できないほどボロボロの姿。
呻き声が聞こえます。少女はなんとか動いて母の声を聞こうとしました。
「助け、て、よ。繍花ちゃんだけが生き残ったの? ふ、ふ……」
――私だけが生き残った?
母は息絶えました。私にある言葉だけを残して。それは、
『』




