4.ダンジョンボス
3話を少し修正しました!まだ見てない方は先にそちらをどうぞ!
どのくらい時間が経っただろうか。
気づけば周りには魔物の死骸が山積みになっていた。
『ストームウルフ・深層を「捕食」しました。経験値を獲得しました。スキル「風牙」を獲得しました。』
『ユニコーン・深層を「捕食」しました。経験値を獲得しました。スキル「一閃突き」を獲得しました。スキル「一角獣の後光」を獲得しました。』
『ポイズンスコーピオン・深層を「捕食」しました。経験値を獲得しました。スキル「毒霧」を獲得しました。スキル「毒針」を獲得しました。』
『キャットメイジ・深層を「捕食」しました。経験値を獲得しました。スキル「魔力暴走」を獲得しました。スキル「鑑定」を獲得しました。』
『一定数の深層種を「捕食」しました。獲得経験値とステータス増加量が変化します。』
俺は頭の中に流れてくる声を無視して、ひたすらに死骸を食べ続けた。まるで餓えた野生動物のように、ただ自分の収まることのない食欲に従って。
「....うぇぇ、魔物って別においしくはないんだよな。スキルの為とはいえ、こればっか食べてたら味覚がおかしくなりそうだ...」
正直言ってこんな極限状態でこのスキルもなければ絶対に食べたくないレベルでおいしくなかった。
腐りかけた食材のような、どこか酸っぱい味わいにふと吐き気を催す。
「いや、こんなことで弱音は吐けない。俺はあいつらを殺すまで....復讐者として感情を殺すんだ。」
ゲロを無理やり胃の中に戻すと、ステータスを確認した。
リンド・アルターヤ・深層
Lv 378
HP:94686
MP:71933
筋力:14889
魔力:13558
防御: 9968
魔防:10084
俊敏:20148
運 : 100
スキル
「捕食」「星砕き」「流星群」「蒼炎弾」「自動回復」「全属性耐性」「深層耐性」「見えざる斬撃」「咆哮」「風牙」「一閃突き」「毒霧」「毒針」「魔力暴走」「鑑定」
気づけば圧倒的なレベルとステータスになっていた。
魔物と同じく、俺の名前には深層という文字がつけられた。
「魔物と同じ扱いかよ....まぁあれだけ食えばそうもなるか。」
名前まで変わったのは驚いたが、それよりもスキルの数だ。
本来魔物しか持たないはずのスキルをいくつも手に入れた。その中でも特筆すべきは、人間のランクでいうところのSSランクに匹敵するレベルの「星砕き」と「流星群」だ。
「人間が出せるレベルの攻撃じゃない....。最上級魔法ですらまま事に見えてしまうような威力の攻撃だ...!!」
俺の圧倒的な筋力、魔力から繰り出すこのスキルはもはや天地を揺るがすものだった。
高威力のスキルを使ってわかったことがある。
人間の持つスキルは基本MPを消費しないが、魔物のスキルは基本的にMPを消費するということ。
例えばこの「蒼炎弾」は1回につきMPを120消費する。もちろん威力は軽く見積もっても火属性最上級魔法「インフェルノ」の倍以上はある。
それに俺のMP数値ならMPが切れることはまずない。
それから「自動回復」などはMPを消費しない。
1秒毎にHPを200回復するというチートスキルだ。人間のランクでもSランクかAランク上位に匹敵するだろう。
そして深層種という未発見の魔物。
ここにいる魔物は全員形は違えど共通点があり、全員黒い肌や毛に、赤い紋様のような線が体の至るところについている。
俺は専門家じゃないので詳しく研究したりはできないが、元の魔物よりも数十倍以上に強いということはわかっている。
更に俺はスキル「鑑定」を手に入れた為、魔物の情報を見たり、装備の情報も見ることができる。
黄金龍の煌剣
筋力3000以上で装備可。
ボーナス
筋力+2500
俊敏+1000
スキル「黄金の輝き」
龍種に対するダメージ+200%
その他にはダメージ+80%
この効果は消去されない。
自分の持っている武器を「鑑定」してみた。なんだこれは....あまりにも強すぎる。ただトップの冒険者でも筋力3000越えは聞いたことがない。
「そもそも人間に装備させる気がないって感じの武器だな。俺のようなバグが発生しない限りは...だけどな」
改めてスキル欄を見る。
「捕食」_。
”天害級”という都市伝説レベルのランクを冠するこのスキル。成り上がる為の唯一にして最強の希望。俺はもう決めた。奴らに...この世界に復讐するんだ!!!
「外に出よう。....にしてもどうやったら外に出られるんだ?これ」
穴に落ちた時の感覚で、ほぼ最下層まで落ちたのだけは理解できる。俺はとりあえず感覚だけを頼りに先へ進んだ。
しばらく歩いていると、魔王城を彷彿とさせるような禍々しい扉を見つけた。
「これは....ダンジョンボスの扉か?」
ダンジョンボスは何度も戦った経験がある。もちろん後半は役に立たず、見ているだけの方が多くなってしまっていたが。
しかしここまで立派なダンジョンボスの扉は初めて見た。
「以前なら圧倒されていただろうが....今は違う。」
精神面も強くなった俺は、勢いよく扉を開けた。
中はかなり広く、まさに魔王城の最上階のような雰囲気だった。そして視線の先には、禍々しい玉座とそこに鎮座する影。
「てめぇがダンジョンボスか。人間....なわけないよな。姿を現せ!!」
俺がそう叫ぶと、玉座に座っていた何かがカタッという音とともに動き出した。
「なっ...!骸骨かよ!!」
動き出したのは、煌びやかな衣装に包まれた...骸骨だった。
やがてその骸骨はふわりと浮かび上がった。その時。
部屋の至るところから魔物が湧いてきた。
俺は戦闘態勢に入ったが、魔物は襲ってこず、その骸骨にみるみる吸収されていった。
どんどんと一つの塊となり、ついにその姿を現した。
上半身は人間のような見た目だが、下半身が大きな口となっており、足は6本、その下半身の横からは無数の触手が生えていた。
『ワガ ネムリヲ サマタゲル オロカナ ニンゲンヨ。キサマニハ フサワシイ シヲ クレテヤロウ。』
驚いた。魔物が人間の言葉を喋り出した。 鳥形の魔物で人間の真似をするやつがいるのは聞いたことがあるが、こいつは自分の意志で喋ったのだ。厄介な相手かもしれない。
俺はすぐに「鑑定」を使う。
アルス=ノヴァ
推奨レベル:測定不能
推奨レベルが測定不能...こんな表記がありえるのかどうかはわからないが、強敵なのは間違いないだろう。だが今の俺には関係ない。
「正直まずそうだが、お前も俺の糧にしてやるよ!!」
相手を観察して手加減してるような暇はない。初手から全力で行く。まずは挨拶代わりの「蒼炎弾」を2発食らわせる。
これが弱点だったのか、2発で少し後ろによろけた。その隙に6本の脚に向かって「見えざる斬撃」を放つ。足は全て切断され、アルス=ノヴァは倒れた。
「なんだよ見かけ倒しか?...いやまだ何か隠してるな。」
俺はその場を離れた。その瞬間、元いた場所に触手が恐ろしい速度で襲い掛かる。
「まぁそりゃ生きてるよな。逆にあの程度で死んだら張り合いなさすぎるからな。」
『ナメルナ ニンゲンフゼイ ガァァァァァァァァァァ!!』
アルス=ノヴァは激高し、先ほどまではなかった翼を6本生やして宙に浮いた。
「第二形態って感じか....いいぜ最高の糧になりそうだな!!」
第二形態となったアルス=ノヴァが俺めがけて雷魔法を放つ。
「!?黒い雷...!?あいつのスキルか!?」
通常の雷魔法からは出せない速度と威力の黒雷が俺に向かってくる。
「俺じゃなけりゃ死んでたかもな...「星砕き」!!!」
黒雷を「星砕き」で消し去る。
『ナ....ナンダト!?』
自分の魔法がかき消されたことに驚きを隠せないアルス=ノヴァ。
「特別に見せてやるよ....新しい俺の戦い方をな...!!」
戦いは第二局面に入る。




