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#28 起きて!!

『星界から転生』の正規ルートです。

深夜の、

アーモロート。


静寂に、

包まれている。


二人の影。


慎重に、

エメトセルクのベッドへ近づく。


床に、

描かれた、

二つの魔法陣。


淡く光を放ち、重なり合う。

囁く演唱。


暗闇の中、

微かに、

空気を震わせた。


エメトセルクは気配に気づく。

抵抗する隙もなく儀式が完了した。


瞳は、

ゆっくりと閉じる。


深い

深い…

眠りの底へと沈んで行った。


「これでキミの計画は遂行できる」

「__協力してくれてありがとう」

「二人の将来の為だ、いくらでも手伝うよ」

「__大好き」


二つの影。


静かに、

部屋を後にする。


再び、

静寂に包まれて行った。


――その深い眠りの中。何かが、確かに、揺れ動き始めていた。



---



アーモロートの朝は、静かに始まる。

高層の塔の間を、薄い光が満たす。


街を包む、

魔法の灯り。


ひとつ、

また、ひとつ消える。


空気は澄み、

どこか冷たい風が、

石造りの回廊を抜けた。


足音。

遠い会話。


ようやく、

目覚めの、

街へと戻りつつある。


そんな、

穏やかな気配の中。


リリンは

短い足を、

ぱたぱたとさせ、

アゼムへ駆け寄る。


肩をそっと揺らす。


リリン

「ママ、おはよう!」


顔を覗き込む。


その顔は、

期待に満ちていた。


瞳が、

きらきらと輝いている。


アゼムは

まだ、眠気の残る目を擦る。


アゼム

「リリン……おはよう」


微かに、

口元が緩む。


リリンは、

部屋の奥を指さす。


リリン

「アイデネウス、まだ起きない」


小さな、

眉をひそめる。


頬が、

風船の様だ。


アゼム

「え?いつも早起きなのに?」


その声は、

驚きが含む。


体を起こし、

戸惑った。


視線は

自然とその方向へ。


リリンは、

小さく、

肩をすくめる。


掠れた声で呟いた。


リリン

「また夢見てるみたい」


その瞳は、

不安で揺れる。


ほんの少し、

手が震えていた。


アゼムは

咄嗟にリリンに屈む。


驚きと

心配が入り混じる。


アゼム

「え…?どういうこと?」


二人は、

エメトセルクの寝室へ向かう。


アゼムは、

ベッドの側で、

身を屈める。


そっと、

覗き込む。


彼の呼吸は、

規則正しく上下している。


――安らかすぎる。


その穏やかさが、

逆に不気味だった。


二人は、

互いに視線を交わす。


アゼムは、

唇をぎゅっと結ぶ。


腕を組み、

考え込んだ。


リリンも

小さな唇をかみしめる。


二人は、

決意する。


彼へ、

二つの手が伸びる。


同時に、

軽く体を揺さぶった。


アゼム

「……アイデネウス」


リリン

「起きて!!」


しかし、

瞼はビクともしない。


その顔は、

ただ眠っているだけでない。

意識が、

遠く、

遠く、

迷い込んでいるようだった。


アゼムは焦りる。


ベッドの脇で、立ちすくむ。


アゼム

「どうしようか……」


リリンは、

そっと目を閉じ、

深く息を吸い込む。


胸の奥で、

微かに、

震えるものを感じ取った。


リリン

「多分…起きない……」


その、

小さな声は、

アゼムの胸をざわつかせた。


思わず、

息を飲む。


アゼム

「そ、それって……どういうこと……?」


リリンは、

両手を、

エメトセルクへかざした。


微かに漂う魔力。

それを確かめるように、目を細める。


リリン

「怖い夢を見てる……魔力がおかしい……」


ただの、

悪夢以上の、

不穏な気配が滲む。


部屋全体を、

密やかに、

震わせているかのようだった。


アゼムは、

険しい表情へと変わる。


エメトセルクを、

じっと見つめたまま、低く指示した。


アゼム

「リリン、ヒュトロダエウスに報告して」


リリンは、

一瞬も迷わず、頷いた。


リリン

「うん、わかった」


小さな体。

両手を胸の前で組む。


ふわりと、

周囲に、

淡い光が帯のように広がる。


魔力が、

空気を震わせた。


その光は、

糸となり、

遥か遠くへ、

流れて行った。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。

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