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#22 闇に沈んだ

――シャキーン

LIGHT PARTY

ナイト・学者・モンク・黒魔道士

儀式の最中。


「……これは……?」


エメトセルクの、

胸奥に、冷たい波が打ち寄せた。


視界には

何も映らない。


だが確かに、

何かが “切り替わった”。


アゼムの気配が、

音もなく闇へと沈んでいく。


声も、

記憶も、

意志さえも――霧散していくように。


「……やめろ……ッ!!」


思わず、

立ち上がった、

彼の指先は震えていた。


追いかけようにも、

どこへ向かえばいいのかさえ分からない。


やがて彼は、

深く息を吐いて席に腰を下ろす。


「……アゼムの気配が、闇に沈んだ」


指先を震わせ、

必死に意識を集中させるエメトセルク。


「……いる……、でも……闇に阻まれている」


視界には、

何も映らず。


思考を、

巡らせても、

アゼムの存在は霧のように揺らぐ。


――この妨害さえなければ。


オルフェンが沈黙を破る。


「……闇堕ちってやつか?」


「お前、少しは空気読め」


カリオンが睨むが、

その声もどこか震えていた。


エメトセルクは、

額に手を当てながら呟く。


「厄介だが……奥の手を使えば…」


ルミナが、顔を上げる。


「……メレアスの気配を辿ることはできませんか?」


エメトセルクの瞳が細められる。


「ああ…ただし……相応のリスクはある」


「ああ、分かってる」


三人は

力強く頷き、

彼の体へエーテルを注ぎ込む。


「成功すると……いいが。目を閉じろ」


エメトセルクは、

意識を深く沈めた。


――そして、確かな手応え。


「……見つけた!」


片腕を掲げ、指を鳴らす。


――パチンッ


瞬間、

空間が歪み、

視界が反転した。


オルフェンは、

周囲を見回し、肩をすくめた。


「さっすが〜エメトセルク! ……で、ここどこ?」


エメトセルクは、

眉をひそめ、武器を構える。


「どうやら……敵の根城に潜り込めたようだ」


カリオンが剣を抜く。


「ああ、準備は万端だ!」


オルフェンが、

拳を握り、笑みを浮かべる。


「勿論、暴れる気満々だぜ!」


ルミナは、

冷静に頷き、魔導書を開く。


「ソロル、待っていろ」


闇を切り裂くように、

四人は一斉に駆け出した。


カリオンを先頭に、

薄暗い洞窟を駆け抜ける。


岩陰に身を潜め、低く囁く。


「伏せろ……見ろ、あそこ」


視界の先、

モンスターの群れが待ち構えていた。


カリオンは、

小声で確認する。


「まとめても、いけるか?」


エメトセルクとオルフェンは同時に答える。


「ああ!」

「任せろ!」


カリオンは、

カウントし戦闘の準備を促す。


カリオンが盾を投げつける。


鋭い爪が空気を裂き、

モンスターたちが一斉に飛びかかる。


ルミナの、

魔法が癒しの光を放つ。


オルフェンの拳は、衝撃を叩き込む。


エメトセルクの呪文が飛び交う。


盾が弾かれる音、

拳の衝撃音、

魔法の輝きが洞窟に混ざり合う。


連携は完璧で、

次々と敵が倒れていった。

岩が崩れ、小さな悲鳴が響く。


オルフェンは、

物足りなそうだ。


「ふぅ、久々に大暴れしたぜ」


エメトセルクは、

汗を拭いながら苦笑を浮かべる


「やれやれ…お前、変わらないな」


ルミナは、

戻ってきて二人に声を掛ける


「置いていかれてますよ!」


息を切らしながら、

カリオンを追いかける。


洞窟の奥、

暗闇に巨大な影が立ちはだかった。


岩の隙間から、漏れる光。


その全身が、

ぎらりと光る。


カリオンは、

眉をひそめ警戒する。


「おいおい、あれは……!」


振りかぶる腕から、

生まれる風圧に砂と小石が舞う。


エメトセルクは、

ため息をつきながら杖を構えた直す。


「やれやれ……さっさと倒して先に進むぞ」


ルミナは、身構える。


「はい!」


仲間たちは、

散開し、

巨体の隙を突く。


岩が砕け、

洞窟に咆哮と、

武器衝撃の音が響き渡る。


カリオンが、

盾を胸に突き立てると、最後の一撃が決まった。


巨体は膝をつき、

仲間の一斉攻撃で崩れ落ちる。


砂煙が舞い、

洞窟は一瞬の静寂に包まれた。


オルフェンは、

汗を拭いながら嬉しそうだ。


「……はぁ、やっと倒せたな」


「みんな、大丈夫?」


ルミナは、

皆の傷を癒やす。


互いの無事を確認しながら、勝利の余韻に浸る。


「……終わったか?」


そう呟いた瞬間、

洞窟の奥から冷たい風が吹き抜けた。


エメトセルクの眉がわずかに動く。


「……違う、まだだ」


戦闘の余韻が残る中、

エメトセルクは一瞬、杖を握る手を止めた。


「……今、何かが……」


微かに、

闇の奥から、

アゼムの気配が揺らいだ気がした。


カリオンは

剣を鞘に収め、短く笑った。


「よし、次はアゼムを取り戻す番だ」


その言葉に、

全員が力強く頷いた。


「急ぐぞ!」


エメトセルクの声に、

仲間たちは再び駆け出す。


人の気配が残る、

空間に踏み込み、

行き止まりに差し掛かる。


痕跡を探す、

オルフェンの声が響く。


「おっ!隠し扉発見!」


カリオンが口笛を吹く。


「さっすがオルフェン!」


エメトセルクが、

扉に駆け寄ると、

奥から低く呪文を唱える声が聞こえた。


顔を見合わせた。

仲間たちは静かに頷く。


闇の向こうに、

確かにアゼムの気配がある。


だが、

その奥で、

何かが “うごめいている” 気がした。


扉が軋む音とともに、

冷たい瘴気が吹き出した。


息を合わせ、

彼らは闇へと飛び込んだ。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。

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