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#19 アゼム様

メリアスって

実際何者なんですかね?


え?なんで知らないんだって?さぁ…

メレアスは、

フードを外した。


柔らかく、

笑みを浮かべる。


アゼムへ、声をかけた。


「アゼム様〜!」


アゼムは、

ぱぁっと顔を輝かせる。


思わず、

両手を広げる。


「ああ! メレアス!」


「……は?」


横にいた、

エメトセルクは、

思わず声を漏らした。


戦闘で見せた

冷酷さとは別人のよう。


親しげに、

名を呼び合う、二人。


状況が、

理解できない。


「厭だ厭だ、まさかと思うが……お前の知り合いなのか?」


困惑気味に問いかける。


アゼムとメレアスは、顔を見合わせる。


両手を、

取り合って元気よく答えた。


「私たち」


「幼馴染です!」


「「ねぇ〜!」」



ケラケラと、

笑い合う二人の声が、

部屋全体に響き渡った。



---



アゼムは、

笑顔でメレアスに抱きついた。


「メレアス、また強くなったんじゃない!?」


「アゼム様は相変わらずひよっこですね〜」


メレアスは、

無邪気な笑みを浮かべる。


アゼムの、

髪を指先でくしゃっと乱す。


アゼムは、

苦笑を浮かべながら肩をすくめる。


「も〜!その呼び方、やめてって毎回言ってるのにー!」


二人のやり取りを

黙って見ている、エメトセルク。


目を細め、

深いため息をついた。


「……厭だ厭だ、私は何を見せられているんだ…」


メレアスに、

向けて低く問う。


「お前、危害を加えに来たわけじゃないんだな?」


「まぁね。てか、エメトセルク弱すぎてつまんな〜い」


メレアスの、

唇が挑発的に吊り上がる。


「なっ…お前!」


エメトセルクの胸の奥に、

くすぶる火がぱっと燃え上がった。


言葉に出せずとも、

怒気がそのまま空気を震わせる。


メレアスは

アゼムに視線を戻し、

いたずらっぽく首を傾げた。


「ねぇアゼム〜、なんでこんな人と一緒にいるの?」


アゼムは少し驚き、

でもすぐに微笑んだ。


その背中を、

エメトセルクは、

無意識に、一歩前へ出て守るように立つ。


「私は……」


アゼムは、

メレアスの腕をそっと外し、

エメトセルクの隣へ歩み寄った。


「彼と――大好きな人と、一緒に旅をしてるの」


エメトセルクの、

頬がわずかに熱を帯びる。


心臓の鼓動が耳に届き、思わず視線をそらす。


メレアスの、

顔が青ざめ、震える声を漏らした。


「…わ、私のこと嫌いになっちゃったの?」


アゼムは、

穏やかに微笑んだ。


「メレアスのことも大好きですよ」


「……そうか」


メレアスは、

唇を噛み、俯く。


頬をふくらませ、

複雑な想いを、

押し隠すように、

小さく息を吐いた。



エメトセルクは、

そんな、

彼女を見つめ、

眉をひそめる。


――厭だ厭だ…このままじゃ面倒なことになりそうだ。


その胸中には、

焦りにも似た不安が静かに広がっていた。


「あっ!そうだ。ねぇねぇ、エメトセルク、ちょっと来て〜」


メレアスは、

不敵な笑みを浮かべ、小さく手招きした。


その瞳には、

どこか企みの色が宿っている。


「……やれやれ。今度はなんだ」


――こいつ、何を仕掛ける気だ。


エメトセルクは、

僅かに眉をひそめながらも、

応じるように歩を進めた。


「アゼムは大人しく待っててね〜」


メレアスが、

軽い調子で言うと、二人は部屋を出る。


静まり返った、

廊下を並んで歩く。


ドアが、

閉まる音だけが、

乾いた余韻を残した。



やがて、

廊下の端で、

二人は向かい合う。


薄暗い光の中、

空気がわずかに震える。


「ねぇ――転生してまで、まだアゼムに付きまとうつもり?」


「……厭だ厭だ。お前、まさかとは思うが――嫉妬か?」


視線は、

冷静そのものだが、

その胸の奥では小さな波がざわめいていた。


「違うっ!!アゼム様は私のもの!あんたなんかに渡さない!!」


メレアスは、叫ぶ。

拳を握り締めた。


黒紫の光が、

その身を包み込む。


圧力が、

廊下全体を歪ませる。


魔力がうねり、

空気はきしむような音を立てた。


エメトセルクは、

わずかに肩をすくめ、ため息をついた。


「……くだらん。相手をする気にもならん」


皮肉を含んだ声音で言い残し、背を向ける。


だが、次の瞬間

――轟音とともに黒紫の魔力が背中を貫いた。


「っ!!」


息が詰まる。


視界が、

一瞬で白く弾ける。


重力の

感覚が消える。


体が床に、崩れ落ちる。


空気が、

凍りつく。


「うわっ……人間って、よわ〜い」


遠ざかる声が、

どこか楽しげに響いた。


エメトセルクは、

崩れ落ちながらも、

血の味を感じつつ、

かすかに口の端を歪める。


「……ふっ、やはり……厭だ厭だ……」


その意識は、

闇に飲まれていった。

Next time

――絶望。

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