表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/32

#17 俺から離れるな

あなたも、

ドードーの丸焼きどうですか?

エメトセルクは、

アゼムの、

手を握ったまま、

立ち上がる。


低く呟く。


「やれやれ…次はグランドカンパニーへ行くぞ」


二人は、

宿屋を出た。


昼の光に、

照らされたエメラルドアベニューを歩く。


通りには、

商人や旅人で賑わう。


香ばしいパンや焼き物の匂いが漂う。


アゼムは、

少し胸を高鳴らせる。

エメトセルクの手にぎゅっと力を込めた。


やがて、

『双蛇党』の受付前にたどり着く。


エメトセルクは、

淡々と受付に声をかける。


「こいつを入隊させたいのだが」


受付は、

にこやかに敬礼しながら答えた。


「新人さんですね。歓迎します」


アゼムは、

少し頬を染め、

緊張と喜びが入り混じった笑みを浮かべる。


「グランドカンパニーって、何をするところですか?」


アゼムは、

興味津々に尋ねた。


受付の隊員は、

柔らかな笑顔で答える。


「簡単に言えば、国家直属の軍団です。各都市国家ごとに設立されていて、秩序を守り、討伐や警備、情報収集などを行います」


アゼムは、

頷きながら目を輝かせる。


「なるほど……だからリムサやグリダニアにもあるんですね」


受付の隊員は頷き、説明を続けた。


「それぞれ特色があります。リムサ・ロミンサの黒渦団は海軍を基盤に海の安全を守り、グリダニアの不滅隊は森や自然を守る部隊です。ウルダハの双蛇党は情報戦や潜入任務、諜報活動に長けています」


リムサ・ロミンサ

――黒渦団


グリダニア 

――不滅隊


ウルダハ

――双蛇党


アゼムは、

感心した表情で、

少し胸を膨らませるように頷いた。


「へぇ…面白いですね」


エメトセルクは、

小さく鼻で笑いう。


“相変わらず好奇心旺盛だな”

内心で呟いた。


アゼムは、

少し考え込み、

エメトセルクを見上げた。


「…それで、私が入るとどうなるんですか?」


エメトセルクは、

横目で彼女を見つめ、淡々と答える。


「お前の斧術士だろ?戦力として強くなる、というだけだ」


アゼムは、

少したじろぐ。


「あ…はい」


受付の隊員は、

微笑みながら、必要な手続きを進めた。


「では手続きはこれで完了です。正式に双蛇党の一員ですね」


アゼムは、

胸を張り、少し誇らしげに息をつく。


エメトセルクは、隣で小さく頷く。


視線を逸らしたまま、

微かな安堵を感じていた。


エメトセルクは、

疲れた表情で息をつく。


「……やれやれ、少し休憩するか?」


アゼムは、

目をキラキラさせ、嬉しそうに答えた。


「お腹ペコペコです!」


エメトセルクは、

小さくため息をつき、視線を横に逸らす。


「ギルドに戻るぞ」


「はーい!」


アゼムは、

小走りで冒険者ギルドへ向かう。


「おい、まてっ」


後を追いかける。


エメトセルクは、

追いつくと腕を伸ばし、

アゼムをそっと抱き寄せる。


「俺から離れるな…」


アゼムは、

頬を赤らめ、胸の鼓動が高鳴る。


「…はい…ごめんなさい」


二人は、

しばし見つめ合い、

微笑みを交わしながら歩き出した。


冒険者ギルド前。

酒場『クイックサンド』。

リムサ・ロミンサの『溺れた海豚亭』と違い、少し落ち着いた雰囲気がある。


アゼムは、

目を輝かせ、メニューを眺めながら小声でつぶやく。


「何食べようかなぁ…」


エメトセルクは、

口角をわずかに上げ、からかうように言った。


「ドードーの丸焼きなんてどうだ?」


アゼムは、

目を丸くして反応する。


「えっ、美味しそう…!それにしよう!」


無邪気に、

食べたい気持ちを露わにするアゼム。


エメトセルクは、

少し戸惑い眉をひそめる。


――二人なら食べ切れるだろう。


料理が運ばれてきた。

アゼムは思わず身を乗り出した。


「う〜ん…いい香り〜!」


その大きさに、

エメトセルクは少し眉を引きつらせる。


――初めて頼むが…これは流石に大きい…。


「ほう、お前…一人でこれを食べるとは…なかなかやるな」


「え…?」


アゼムは、

目を丸くする。


アゼムは、

肉をナイフで少しずつ切り分け、口に運ぶ。


「うおっ!美味し〜い!!」


エメトセルクは、

苦笑混じりに呟いた。


「やれやれ…何を食べてもおいしいって言いそうだな」


アゼムの、

幸せそうな顔。


見ていると、

疲れも吹き飛びそうだった。


アゼムは、

嬉しそうに尋ねる。


「エール頼んでもいいですか?」


エメトセルクは、ため息をつく。


「駄目だ!さっき飲んだだろ」


アゼムは、

小さく舌打ちした。


二人は、

笑い合いながら、

楽しげに食事を続けた。


量は多く、

食べ切ったものの、

アゼムのお腹は苦しそうだ。


「ぷはぁ…苦しい…」


エメトセルクは、

ため息混じりに笑う。


宿の方へ歩き出す。


「やれやれ…ほら、部屋に戻るぞ」


アゼムは、

後ろから手を伸ばた。


「はいっ…」


それに、

答えるように、

エメトセルクも握り返した。

可愛いのに…。

食べるなんて…。


最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ