#16 似合っている
転生後のアゼムって、
かなりお洒落していそう。
アゼムに、
視線を合わせられずにいたエメトセルク。
重い口を開いた。
「……さっきは、すまなかった」
アゼムは、
一瞬きょとんとした。
すぐに微笑む。
ベッドに腰を下ろし、
彼の掌にそっと手を重ねた。
「気にしていませんよ」
その声は柔らかく、
けれどほんの少し震えていた。
頬を赤らめ、
目を伏せながら小さく続ける。
「また……こうやって会えたじゃないですか」
その言葉に、
エメトセルクの胸が大きく打った。
喉の奥が、
熱くなり、
何かを言おうとしても言葉が出ない。
沈黙を破るように、
彼は所持品から、小箱を取り出した。
「……お詫びに、これをやる」
アゼムは、
きょとんとした表情でそれを受け取る。
「なにこれ?」
エメトセルクは、
照れくさそうに顔をそむけた。
「開ければわかる」
アゼムが、
そっと蓋を開けると、
中には淡い光を放つミラージュプリズムが入っていた。
「わぁ……!綺麗〜!これが噂のミラプリですか!!」
その声が、
まるで光そのものを弾ませたように響く。
アゼムは、
子供のように目を輝かせ、嬉しそうに笑った。
「やったー!ありがとうございます!」
エメトセルクは、
思わず口元を緩め、安堵の息を漏らす。
「……さっき渡した装備を着てから使え」
アゼムは、
立ち上がり元気よく言った
「さっそく着替えます!」
エメトセルクの方を振り向き、しばらく見つめ圧をかける
「いつまで見てるんですか?」
エメトセルクは、軽くため息。
立ち上がる。
しぶしぶ後ろを向いた。
ゴソゴソ、
着替えている音がする。
アゼムは、
装備に文句つけた。
「なにこれ…うわ…だっさ…」
エメトセルクは、
呆れて呟いてしまった。
「聞こえてるぞ」
ミラージュドレッサーを開く音が聞こえてきた。
エメトセルクは、
ため息つきながら聞いた。
「もういいか?」
アゼムは、
ミラージュドレッサーをいじるのに夢中だ。
「あ…はい。大丈夫です」
元の服に、
ミラプリできた。
エメトセルクは、
少し照れながらアクセサリーを見せた。
「アクセサリーも作ったこれも装備しろ」
アゼムは、
期待しながら覗き込んだ。
「可愛いのですか?」
エメトセルクは、
呆れながら一つずつ渡す。
「お前……実用品に何を期待している」
アゼムは、
渡された順番に装備する。
最後の、
一つに一瞬固まり頬を赤らめた
「……指輪?」
エメトセルクは、
不思議そうに眉をひそめた。
「そうだ。力を補う護符のようなものだ」
アゼムの前に屈み、手を差し出した。
「ほら、手を出せ」
アゼムが、
慌てて差し出した指先に、
エメトセルクの指がそっと触れる。
ほんの一瞬、
金属よりも冷たいはずの感触が、妙に熱く感じた。
アゼムは、
指輪をはめられると、
思わず手をぎゅっと握りしめてしまう。
頬を赤らめ、
目をそらせながらも、
胸の奥がきゅっと高鳴るのを感じた。
エメトセルクは
自分で作った装備を他人に着てもらうのが初めてだった。
一人、
達成感に浸る。
「……似合っている。これで一式揃ったな」
アゼムは、
恥ずかしそうに小さく笑みを浮かる。
指輪の輝きを、
指先で確かめた。
その仕草に、
エメトセルクの胸の奥も、ほんの少し柔らかくなる。
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