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我の名はスー・マオ、クーマオ族の中で1番の・・・いや1番はミュウ姉だったから、2番・・・いや2番はラー兄だったっけ? えっと3位はユゥで・・・4位は・・・・・・ゴホン、多分10番以内の強さを誇っている美しい黒毛の女の子である。
今、我は何をしているかというとハヤト・シティで冒険者をしている。本当はこんな所で冒険者をする予定はなかったのだけど、宿屋に5日程無銭宿泊してしまったので、その借金の返済に追われているという残念な状況なのだ。
人間の姿をして人の街に入り込んだ時に私のような者に部屋と食事を与えてくれる場所があったので感激し、余りに快適なので5日程そこで過ごしてしまったのだ。
その部屋を与えてくれた場所の主人にお礼を言って去ろうとした時に初めて知ったのだ『お金』というものが必要だということを・・・・。
その部屋を与えてくれた『宿』というところの主人は、我がお金のことを知らなかったのでかなり呆れていたが、親切にも冒険者ギルドというところを教えてくれたので、そこで働いて現在お金を返却してい真っ最中なのである。ちなみにギルドの登録費用も立て替えてくれているので、それの返却もしなければならない。
そもそも、そもそもであるが、我は人間の町に潜入する予定なんかは無かったのだ。従妹のミュウ姉を探していて勢いで来てしまったのだから人間の習慣など知らなくて当然なのである。
決して我がバカというわけでは無い、うん、断じてないのである。
ミュウ姉は族長になるための試練である『縄張りの試練』をやっていたのだが、3カ月程前に試練を失敗したという知らせが届いたのだ。『縄張りの試練』で縄張りを守り切れず死んだ場合、縄張りにある魔石が壊れ、村に知らせが届くことになっている。その知らせに驚いて無我夢中ソーリの森に向かったのだ。
ミュウ姉は一族の中でも圧倒的な強さを誇っていたので、そんなに簡単に負けてしまう筈が無い!いや、負けてほしくない!そう思いながら我はソーリの森のミュウ姉の縄張りに到着した。
確かに魔石は割れており、近くに凄い血痕があったのだが、ミュウ姉の屍が無い!魔物に食べられてしまった可能性もあったけど、割れた魔石をよく見ると魔石の力で割れたのではなく、何かをぶち当てて割ったように見えるのだ。
ミュウ姉は生きている! 我はそう確信し、ソーリの森の中を魔物に怯え・・・・ゴホン、魔物と戦いながらミュウ姉を探し続けたのだ。
暫らくソーリの森を探しても見つけることが出来なかったので、人間の街に行ったのではと思い、以前ミュウ姉が暮らしていたというフィールドビヨンドという所を目指したのだ。そう、その途中にあったこのハヤトシティで、今の様な状態になってしまったのである・・・。
まあ、人間の街での生活というのも意外と面白いので良いのだが・・・・ミュウ姉どうしてるだろうな・・・。
少しボーっとしながらギルドから宿への道を歩いていると。
ん?・・・・あれは?
ヤバい、相当疲れているのだな? ミュウ姉の幻が見える・・・。
ミュウ姉が人間の男に寄り添いながら歩いているように見える。
その男の周りにはミュウ姉だけではなく、他の人間の女が二人・・・エルフの女まで侍らせているじゃあないか!
しかもその男は肩には珍しい青いカラスまでとまっているし・・・。
いや、何なんだこの集団は! こ、これがハーレムというやつか?
おっと思考がそれてしまったな。そんなことよりあれは本当にミュウ姉なのか?
くんくん、確かにミュウ姉の匂いだ!
「なんだ、スー、こんな所で何をしてるんだ?」
「え?あ? ミュウ姉!」
気が付くとミュウ姉が目の前に来ていた!
「ミ、ミ、ミュウ姉———————!!」
我は思わずミュウ姉に抱き着いて泣き叫んでしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「で、この子がミュウの従妹なんだって。」
気が付くと我は食堂の席でミュウ姉と相対して座っていた。
かなり取り乱していたみたいだ・・・。
ミュウ姉の隣にはあの男がいる。
「そう、スーって言うんだ。スーお前はまだ人間の街の視察に出る年ではないだろう?何でここにいるんだ?」
「な、何でじゃないですよ!」
我は思わず口調を強めてしまった。
「ミュウ姉が『縄張りの試練』に失敗したという知らせが来て心配していたんじゃないですか!もう本当に死んでしまったのかと思っちゃいましたよ!一体なんでこんな所でうろついてるんですか!」
「ああ、そうだったか、でも『縄張りの試練』で失敗するのはよくあることだし、事実我はこのゼントに負けたのだから仕方ない。それに『縄張りの試練』に失敗したらもう里へは帰れないだろう。だからゼントと一緒に旅をしてるんだ。」
「え?このような弱々しい男に負けたんですか?? 」
「ああ、そうだけど、人の旦那をつかまえて弱々しいとはなんだ!」
「え?こ、こいつがミュウ姉の旦那だって————————!」
「だん、旦那ということは、『番』ということですか———————!」
「もう、いちいちうるさいな。店の中なんだから静かにしなさい!」
「は、ハイ・・・。」
我はシュンと耳を垂れてしまった。
「まあ、ミュウそんなに怒らないで料理が来たからみんなで食べよう。」
我の前にお肉やら何やら一杯出てきた。
じゅるるる~。
「これ、食べても良いのか?」
「ああ、皆で一緒に食べよう。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「フゥーッ もうおなかいっぱい。」
借金を返す為に暫らく倹約生活をしていたので、久しぶりにおなかいっぱい食べたのだ。
「それじゃあ我らは宿に戻るぞ。スーは借金のある宿の戻るんだな?」
「うん、そうするけど。ミュウの旦那にお願いがあるんだ。」
「なんだ?ゼントに何のお願いがあるんだ?」
「明日、我と決闘してくれ!」
「「「「「「へっ?」」」」」」




