激戦
一瞬の攻撃の合間にゼント、ミュウ、ゼン、ブルーがシールドの外に飛び出し、それぞれの相手をめがけて一瞬で移動して行った。
「あらぁー二人相手なんて卑怯じゃない!」
相対したゼンとミュウにスクルスがおどけるよう口調でそう言った。
「残念ながらお前みたいな化物にはこうでもせにゃあ相手にならんじゃろぅ。」
「化物なんて失礼ね! でも・・・正しい選択だわ。」
スクルスはそう言うと両手を水平に出しそれぞれの手に光のスフィアを作り出し、二人に向かって放ってきた。
ゼンは剣でスフィア一刀両断にし、ミュウはスフィアを避けて一気にスクルスとの間合いを詰めて殴りかかった。
スクルスは左手に絶対シールドを張りミュウの拳を受け止めると、右手に光のスフィアを出し、ミュウに切りかかった!
ミュウはかろうじてスフィアを躱し、後ろに一歩後退するが、スクルス間髪を入れずスフィアを作り出し近距離からミュウに打ち込んできた。
ドガン!
鈍い音と共にスフィアはその場で破裂した。
ミュウがスフィアが当たる寸前で絶対シールドで防いだのだ。
「貴様!絶対シールドのスキルは無かったはず!」
「へへ、ゼントに貰ったんだよ!」
ミュウはそう言うと数歩ほど後ろに退いた。
「逃がすか!」
ヒュン! グサ!!
「おぁ————!」
ミュウを追撃しようとしたスクルスはの右手がゼンが放った斬撃でバッサリと切り落とされたのだ。
「ちっ、狙いが甘かったようだね。」
「お前ら、調子に乗るんじゃないよ!」
スクルスが魔力を高めると切断された腕が引き寄せられる様に元の位置に戻ってきたのだ。
「やっぱり、化物かい! ミュウ、畳みかけるぞい!」
ゼンはまるで瞬歩でも使ったようにスクルスとの間合いを詰め、切りかかっていった。
ミュウも9本の尻尾とに光の刃を纏わせ、拳、蹴りを合わせて縦横無尽に攻撃していく。
二人共、物凄い速さで斬撃や拳、光の刃を繰り出しているが、スクルスはその全てをたやすく躱すか絶対シールドで防ぐかしてしまう。
「ほらほら、遅いよ!」
スクルスは防御に徹しているわけではなく、スフィアを近距離で放ったり、手に持って切りつけたりと変幻自在の攻撃をしてくる。
ミュウもゼンのその攻撃を紙一重で躱していたが、時間の経過と共に少しづつスクルスの攻撃がかすり始めたのだ。
「くっ!こいつ少しづつ早くなっているぞ。」
「ミュウ、弱音なんか吐いてないで気合を入れるぞー!」
「お———っ分かった!」
二人共攻撃速度を上げ、スクルスへ向かって行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「一人で来るとは良い度胸ですね、私の力に気が付いているのでしょう?」
「ああ、分かっている。でも一人じゃない、ブルーがいる!」
「聖獣でしたっけ?そんなの誤差ですよ。」
ロキはそう言いい左手を水平に挙げ掌をゼント達に向けた。
来る! ゼントがそう思った瞬間、掌から無数の光の針がゼント達に向かって放たれた。
カッカッカッカッカッカッカッカッカッ!!!!!
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!!
光の針はゼントの新型シールドに全て弾かれ後方の地面に無数の穴を開けていた。
瞬歩! ゼントはロキとの間合いを詰めて木刀に光の刃を纏わせて切りかかった。
「ふん! 光の刃では私の絶対シールドは切れませんよ!」
「なっ!!」
余裕でニヤいていたロキに、ゼントの木刀が絶対シールド切り裂いて切り込んだ来たのだ。
ロキは咄嗟に後ろに跳ねて木刀を回避しゼントに言った。
「これは魔素を振動させましたね!」
ゼントはロキの言葉を無視して連続して切り付けていくが、ロキは全てを躱してしまう。
・・・・つ、ばあちゃんの特訓でもダメか。
剣を切りかかる速さや切り替えしは以前のゼントとは比べ物にならないほど早いのだが、ロキには通じていない。
出し惜しみはしないぞ、瞬速!
ゼントの動きが加速し、ロキの動きがスローモーションになった。
良し、もらった!!
ゼントの木刀がロキに到達しようとしたその時、ロキの動きが元に戻り木刀をあっさり回避してしまったのだ。
「ふふ、瞬速を使えるのはあなただけではないのですよ。」
そう言うとロキは再び掌をゼントに向けた。
「あのシールドはなかなか面白い仕組みのようですが所詮は絶対シールド、それ以上の魔素で攻撃すればよいのですよ。」
ロキは口端を上げるとゼントに向かって光の針を放った。
「まずい!」
ゼントに向かった光の針は新型シールドに弾かれることなく貫通し、ゼントの体に無数の光の針が突き刺さり、ゼントは悲鳴を上げた。
「組織再生スキルが無ければ、苦しまずに済んだものを、スキルが仇になりましたね。」
「もう一回行ってみますか?」
ロキが血まみれのゼントに向かって掌をかざすと
キィ——————————————ン ゴガンッ!!!
ブルーがソニックアタックでロキを絶対シールドごと吹き飛ばした。
ロキは吹き飛ばされた勢いで近くの砂丘に向かって吹き飛んでいくが、砂丘に突き刺さる前に急減速し、まるで何事も無かったかのように静止した。
「鬱陶しい青ガラスですね。」
ロキはそう言うと飛んでいるブルーに向かって光の針を放った。
ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン!!!
ブルーは低空を超音速で飛びながら光の針をぎりぎりの所で回避していった。
ゼントはブルーがロキの相手をしてくれてる間にかろうじて動ける程度には傷が回復していたが、ロキはゼント達の攻撃を全く受け付けないのでゼントは八方塞がりの状態になっていた。
くそ、どうする!?
まだ試してないスキルで奴に効きそうなのは・・・・・やってみるしかないか!
(ブルー、スキルを借りるぞ)
俺の魔力量だと一発しか打てない。絶対に外せない!
ゼントが木刀を構えるて叫んだ。
「ホーリーランス!」
木刀の先端に1m位の長さの白いファイランスが出現した。
リーナの魔力を借りた時の1/10程度だが、ゼントの魔力ではこれが精一杯のサイズだった。
「行け———————っ!」
ホーリーランスは一瞬でその姿を消した。
ズン!!
ホーリーランスは絶対シールドをものともせずロキの胸に突き刺さった。
「やった!!・・・・・・えっ?」
ホーリーランスはロキの胸に突き刺さったが、弾けることなくそのまま消えてしまった。しかもホーリーランスが開けた穴からは血の一滴も出ないのだ。
「おやおや、青ガラスを構いすぎてしまいましたね。」
ロキがゼントの方を見て話をしている間に胸の穴は塞がって行く・・・。
「組織再生スキルか?」
「そう、ご名答! 組織再生スキルは元々神のスキルですよ。創造神の双子の兄弟である
私が持っていないわけないじゃないですか。」
神? こいつ神なのか? 俺は神と戦っているのか?・・・・・・・・だとしたら何をやっても無駄なのか?
ゼントはロキの言葉に愕然とし、無力感に苛まれていた。
「いいですね———、その絶望的な表情。大丈夫、直ぐに楽にしてあげますから。」
ロキは右手を天に挙げると唱えた。
「雷神!!」
ゼントの上空の何もない空間から蒼い雷光が一つ発現したと思うと、その雷光は水平方向に広がり、無数の雷光がまるで空間から地面に突き刺さっていった。
辺りには凄まじいまでの雷鳴が延々と響き渡っている。
雷光はゼントだけではなく、ミュウやゼン、後方にいるヴェルス達にも降り注いでいく。
「ロキ、私の楽しみを取るなよ!」
スクルスが膨れっ面でロキを睨んだ。
「まあ、いいじゃないですか。もう十分楽しんだでしょう?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「魔素ニヨル広範囲ノ攻撃ヲ確認。コレカラ防衛体勢ニハイル。」




