生きた遺跡 燃え尽きた人々
ゼントが接近した穴は半径約50mのドーム状にスキルオフフィールドが展開されていた。コネクトの警告によってそれに気が付いたゼントはフィールドを避けて穴の周りを旋回していた。
「これって、まさかスクルスの仕業じゃあないだろうな?」
(判断シカネマス。タダ、彼等ニハココデ巨大ナスキルオフフィールドヲ展開スル目的ガ無イヨウニオモワレマス。)
「そうだな、俺達が素通りしてしまえば意味無いしな。」
(穴ハ直径50mノ真円デス。自然ニ出来タモノデハナク建造物トオモワレマス。)
「待てよ、穴の表面に砂が浮いているように見えるぞ。」
(穴ノ表面ニ透明ナシールドガ展開サレテイルトオモワレマスガ、スキルオフフィールドノセイデ何カ識別デキマセン。)
「やっぱ古代遺跡か・・・・。」
(オソラク・・・ソレガ正解トオモワレマス。シカモコノ遺跡ハ現在モ生キテイルモノトオモワレマス。)
「はぁ—————————っ、面倒なの見つけたな。砂に埋めて見なかったことにする?」
(主、ソレハチョットマズイノデハ?)
スクルスに狙われているかもしれないのに古代遺跡の調査をするのはかなり危険だ。かといって放っておいてスクルスらに調査されるのも嫌なのである。
「分かったよコネクト。ウイリアムさん達の意見を聞くよ。」
(ヴェルス、ブルー、俺のいる方に飛んできてくれないか?ミュウもばあちゃんを連れて俺のいる場所に来てくれ。)
(分かりました。やっぱりあの穴には何かあったのですね。)
(ゼント、分かった。何か面白いものでも見つけたのか?直ぐ行くぞ!)
(キャウ、キャ?)
(ああ、ちょっと面倒なものを見つけたんだ。直ぐ近くに皆を集めるのは危険なので少し離れた所にいるから。)
((了解! キャウ―))
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「「「「「「「「古代遺跡だって———————!!」」」」」」」」
「ああ、しかも現在稼働中みたいなんだけど。」
「なに、その遺跡は生きているっていうのか?」
「本当ですか?ゼント君!それは世紀の大発見ですぞ!!!」
ゼントの言葉に考古学者のウイリアムとカール教授が色めきだった。
「ええ、遺跡と思われる穴の周りにスキルオフフィールドと何かのシールドが展開されていましたから。」
「ちなみにヴェノを使って録画した画像がこれです。」
ゼントのジャケットに擬態しているヴェノからレンズの様なものが出てきて亜空間の壁に画像を投射し始めた。
「「「「「おおおおっ!!」」」」
「何だこれは!見たものが記録できるのか?」
「え、ええヴェノのはそういった機能があるんですよ。」
「ゼント君だから・・・まあ仕方ないか。」
「いえ、ヴェノが古代遺跡に遺産だからかです!余り俺を変人扱いしないでください!」
「いや、まあ悪かった。」
ゼントは気を取り直して説明を続けた。
「これがその遺跡です。穴の直径は50mで、周囲に半径50mのドーム型にスキルオフフィールドが展開されています。穴の上にはこのように砂が宙に浮いている様になっているんで何かシールドがあるみたいなんだ。」
「絶対シールドか?」
「いえ、スキルオフフィールドの影響でどんなシールドかまでは分かりませんでした。穴の深さはヴェノによる光学観測でおよそ100mで、底に何か建物みたいなものが見えます。」
ヴェノが撮影した画像がズームアップされ、穴の底が映し出された。
「成程、この正三角形は自然では出来ないな。」
ウィリアムがズームアップされた画像のを指さしながら頷いた。
「これは放っておくわけにはいきませんな。今日はもう暗いので明日の朝から調査をしましょう。」
カール教授のこの言葉で遺跡の調査が決まった。
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ゼント達は遺跡の周辺では何が起きるかわからないため、念のため穴から500m程離れた場所で亜空間泊をすることにした。
「さあ、今晩は肉を焼くぞー!」
ゼントがそう言うとミュウが目をらんらんと輝かせていた。
ゼントは竈を亜空間から出すと火を起こした。
今日はがっつりと肉を食べたいのでスピアブルの肉厚ステーキだ!
ゼントは亜空間から既に食べやすいサイズに処理してある肉を人数分取り出して焼き始めた。
匂いにつられてカール教授がゼントに近寄っていくと、カール教授とゼントにウイリアム、リーナ、カペラ、シルビアの視線が集中した。
その視線は「その肉は何か絶対に聞くんじゃない!何の肉か聞いたら安心して食べられないじゃないの!絶対何の肉か聞かないでくれ!やめて!カール教授!」という彼らの心の叫びを意味していた。
「ゼント君、これは何の肉かかね?」
ウイリアム達の心の叫びを無視してカール教授はやってしまった、やってしまったのだ!
ウイリアム達の最後の希望はゼントが「これはカウ(家畜)の肉です。」と言ってくれることだけだったのだが・・・。
「ああ、これですか?これはソーリの森で倒した『スピアブル』の肉ですよ。特にこの部位は適度な油があって一番うまい所なんですよー!」
「ほ、ほう、それはまた珍しい肉ですな。食べるのが楽しみです。」
飄々としたカール教授とは対照的にウイリアム達は心の中で叫んだ「「「「それって一番高い部位じゃないか—————!」」」」
「ヴェルス、そちらの『ポイズンフロッグ』のシチューを火から降ろして器によそってくれないか?」
「はい、ゼントさん。」
ゼントの何気ないその一言がウイリアム達に止めを刺した。「「「「・・・・・・ポイズンフロッグ?毒袋を持っているので捕まえる時に肉が毒にまみれてしまうので食用として狩るのが最も困難な魔物だぞ・・・・幻の肉!!」」」」
ウイリアム、リーナ、カペラ、シルビアは食べる前から完全に燃え尽きていた。




