神隠し
どうしたの?目の前にゼントさん達がいたのに急に見えなくなったわ。
リーナは急にゼント達を見失い呆然としていた。
辺りを見回すと、何故か20mぐらい後ろにゼント達がいることに気が付いた。
え?、何で?私どうしちゃったの?
リーナは慌ててゼント達がいる方に走り出すと。
え?ゼントさん達は何処?
リーナは再びゼント達を見失って呆然としていた。
今度は後ろを向いてもゼント達の姿が見えない。辺りに人影は少なく、メインのとおりから外れてしまったみたいだ。
仕方なく、人通りの多い通りに向かって歩き出した。
すると今度は急に周りの景色が暗くなった。
え?ここは?
今度は周りに誰もいない、細い路地に入り込んでしまったみたいだ。
え?何で?どうして? 私、何でこんな細い路地に来ちゃったの?
リーナは恐怖に駆られ路地裏から抜け出そうと全力で駆け出した。
いくら走っても景色が変わらない、一体どうしたの??
諦めてリーナが立ち止まると、足元にある何かが輝きを放った。
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薄暗い地下室のよう場所の部屋の中央付近に数人の男と一人の少女に囲まれてリーナは倒れていた。
少女は倒れているリーナに近づき、リーナのうなじに手をかけると
「へー面白い、いや、危険といった方がいい女だな。」
「何が危険なんだ?」
一人の大男が少女に質問した。
「いや何でもない。それよりどうだい、上手くいっただったろう。」
「凄いな、あんた若いのにあんな非常識なスキルを持った奴らからこの女を攫ってくるなんて。」
男は少女が質問を軽く受け流されたことを気にせずに少女の質問に答えていた。
この少女は年で言えば16歳ぐらいだろうか、銀色に近い金髪をしており、整った目鼻立ちで目は肌は透き通るように白く碧眼でこの世の物とは思えないほど美しい姿をしていた。
少女はリーナから手を離すと部屋の端の椅子に足を組んで腰かけて得意そうに言った。
「その非常識なスキルを逆手に取ったのさ。」
「逆手に?」
「この女を攫うのに使った魔法は空間魔法の一種で、一瞬だけ空間と空間を繋ぐのさ。この魔法だとせいぜい20mぐらいの距離しか繋ぐことが出来ないんだけど、奴らから少しでも引き離すことが出来れば、転移装置を使えばいいんだからね。この魔法に使う魔力は微量だから普通の魔法使いには検知はできないんだけど、異常なスキルを持つ奴らにには気が付かれる可能性があるのは分かるよね。」
「おそらくな。」
「この微量な魔力をカモフラージュするため、あんたの仲間に魔力を使ってひと騒動起こしてもらったのさ。彼奴らの異常な探知能力なら『魔力高めるだけ』で検知できるから、そちらに気が向いている隙に、この『神隠し』の魔法でかっさらったってわけさ。あの時あんたの仲間がファイアアローをぶっぱなしたのは蛇足だったけどね。」
この少女は見た目に反して言葉使いが汚く非常に残念な美少女である。
「うっ、う—————————ん。」
床に倒れていたリーナは目を覚まして辺りを見回した。
「え、アスコナ?」
「リーナお嬢さん、お久しぶりですな。」
アスコナは不敵な笑みを浮かべながらリーナを見ていた。
「こ、ここはどこですか!私をゼントさん達の所に戻してなさい!」
「はは、何を言ってるんだ。俺はもうあんたの所の騎士じゃあないんだ。お前の親父に首にされたんだよ!」
アスコナはリーナの襟首を掴み上げると後ろに着き飛ばした。
「・・・つ。」
リーナは痛みで一瞬顔を歪めたが、アスコの方を向きなおして言った。
「こんなことをしてただで済むと思っているのですか!」
「ああ、思っているよ。」
「ゼントさん達が・・・・つ。」
リーナはゼントのことを思い出して気が付いた。
リンクが切れている!
「どうしたいお嬢さん、白馬の騎士でも待ってるじゃないだろうな?」
「ク、ハハハハハハハハハハハハハ——————!」
狭い部屋の中にアスコナの声が響き渡っていた。




