ムーンライト
「ゼント、さっき雑貨屋で何買ってきたんだ。」
「これ、耳栓だよ。」
「何に使うんですか?」
「明日の遺跡調査の時に使うのさ!」
「キャウ?」
ブルーも首を傾げていた。
「遺跡内でブルーが攻撃を仕掛けた時に耳栓が無いと衝撃波で鼓膜が破れてしまう危険があるからね。俺は組織再生スキルがあるから必要無いから皆の分だよ。」
「あの騎士たちの分もあるのですか?」
ヴェルスが嫌そうな顔をしているな。
「いや、ブルーの攻撃は最後の手段だから、その時はあの人たちは戦闘不能になってると思うよ。」
「まあ、そうですよね。」
うん、怖い笑顔だね。
「それじゃあ、これから晩飯と明日の昼食を作るぞ。」
「おお、ゼント美味いのを頼むぞ!」
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深夜1時頃・・・・
二つの満月の月明りの中、柄の悪い冒険者の一団が人通りの無い道をぞろぞろと歩いていた。
「アーシオ遺跡の魔物討伐に同行する冒険者はワンモーメントにいるってのは本当だろうな?」
一人の大柄な男が隣の狐顔の男に問いかけた
「スミスさんからの情報だから間違いねえっす。一組はCランクで、もう一組もAランク冒険者ですがこれだけの人数で寝込みを襲えば簡単ですよ。5号室と3号室にそれぞれいるらしいです。」
「そうか、スミスさんの情報なら間違いねーな。」
「ところでねえ兄貴、噂に聞いたんだけどワンモーメントには『難攻不落のホテル』って二つ名があるってんだけど、どういうことなんですかね。」
「そりゃあ要塞じゃあないんだから戸締りがしっかりしてるってことだろう。これだけの武器があれば、戸締りなんて関係ないだろう。」
「そうでやんすね、兄貴の言う通りだ。」
「お、ここか、お前らいいな、一気に押し込んで片を付けるぞ。騎士が駆けつけたら面倒だからな。」
「「「「「「「「「「「「おう」」」」」」」」」」」
冒険者達はワンモーメントの門から入り玄関から押し入ろうとしたその時、
「ぐるるる――――。」
「あ、兄貴―なんか後ろから嫌な声が聞こえてくるんでやんすが・・・。」
「そりゃあ、門の所で寝ていた犬だろう。俺達が入ってきても起きなかったんだから相当間抜けな犬だぜ、放っておけ!」
「あ、兄貴― 後ろになんかデカいのいますけど。」
「なんだ、うるせーな。」
「え????」
後ろを振り向いた男は一瞬で硬直した。
月明りの中、体長5mはあるかと思われる巨大な白い魔物が浮かびあがったのだ。
「な、なんでフェンリルがこんな所に・・・・。」
フェンリルは血走った目で牙を剥きだしにして冒険者達を威嚇していた。
「アオ—————————ン」
フェンリルが遠吠えをすると凶悪な魔力が冒険者たちに襲い掛かっていった。
「うが、あががあ。」「あげげげ・・・」「うるるるう、ぐうぁー」「あぎゃー!」
冒険者達は一斉に呻き声をあげ泡を吐き、苦しみながら倒れていった。フェンリルの
魔力に中てられたのだ。
冒険者達が全て倒れた後、月明りの中に頼りなさそうな男が一人だけ立っていた。フェンリルは既にいなくなっている。
「全く、明日は早いってのに、こいつら人の安眠を妨げちゃって。明日ギルドに引き渡すまで地下室にでも放り込んでおくかな。」
男は大あくびをしながら数人の男たちを一気に担ぎ上げてワンモーメントの地下室に入っていった。
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少し前の事、ゼント達はいつもの様に川の字が中心にくっついた状態になって寝ていた。
(コネクト、なんか変な奴らが来ないか?)
(ハイ、12名程コチラニ向カッテ来テイマス。)
(動くか?)
(イエ、アノ番犬ニ任セテオケバ大丈夫デスヨ。)
「アオ—————————ン」
(ああ、成程。)
(それじゃあ、コネクトおやすみなさい。)
(主オヤスミナサイ・・・・ット ワタシハネマセンデシタネ)




