ショックウエーブ
「ところで、明日のアーシオ遺跡の討伐だけどブルーを一緒に連れて行くのはまずいよね。」
「そうですね、スキルが無いと怪我をするかもしれませんし、守りながら戦うのは難しいでしょう。」
「そうだ、何となくSSランクくらい普通に出てきそうだからな。守ってやる余裕はないぞ。」
「キャウ、キャ!!」
ブルーが胸を張って羽で胸をたたいている。
「大丈夫・・・ってことか?」
「キャウ、キャウ!」
「え、でも、ん・・・・・????」
コン、コン、コン
「何?このブルーの周りにある硬い透明の壁は?」
『何デショウネ??』
「コネクト、仕事を放棄するの?」
『イエ、滅相モアリマセン、絶対シールドデ無イノハ確カナノデスガ、ブルート同様ニ私ノデータベースニハアリマセン。」
「まさか異世界のスキルじゃないんだろうな・・・。」
『オソラク』
「おー凄いなブルー、流石異世界の鳥だ。」
「キャウ! キャウ!」
「いや、ミュウそんな気楽に・・・。」
「キャウ―――。」
今度はブルーが急に飛び立った。
「今度は、何をするつもりだ?」
「キャウ、キャウ、キャウ!!」
「んんん・・・・・?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なあコネクト、俺って目が悪いのかな・・・・・。」
『 イエ、組織再生スキルハ正常ニ機能シテオリ、視力ハ3.0ト至ッテ健康ナ状態デス。』
「じゃあ、頭が悪いのか・・・・。」
『ソレハ判断デキマセンガ、機能的ニハ正常ダト思ワレマス。』
「ブルーが羽ばたかないで飛んでいるように見えるんだが・・・・。」
『ソレハ私ニモ認識デキテイマス。』
「そっかー、鳥って羽ばたかない時は上空から降りてくる時とか上昇気流に乗っている時だよね・・・・。」
『ハイ、ソウデス。』
「ブルーは羽ばたかないで、羽も広げず垂直に上昇しているように見えるんだ、やっぱり俺って頭が悪いよね・・・・。」
『私ニモソウ見エマスノデ、正常ト判断シマス。」
「きっと風魔法を使っているんだよね?」
「イエ、使ッテイマセン。」
「う、うん、そうだね・・・・それだけならまだしも、直角に曲がったり、鋭角に曲がったりして慣性を無視しているように見えるんだけど・・・・やっぱり俺って頭わるいよね・・・・。」
『イエ、私ニモソウ見エマスノデ、正常ト判断シマス。』
「あ、あ、あれって何????????」
『オソラク、ブルーノスキルハ重力制御と慣性制御ダト思ワレマス。』
「そんなスキルこの世界にあった????????」
『イエ、アリマセン』
「やっぱり異世界の鳥か―――。」
そんな話をしていると、ブルーは一瞬で速度を上げて
ドン!!!
しょ、衝撃波だ、音速を超えたか? 思わず耳を塞いでしまった。
「あ、あの大木に大穴が空いている・・・。」
音速を超えたブルーはそのまま大木に突っ込み大穴を開けたのだ。
もう何が何だか・・・・・。
「キャウ――――!」
ブルーは軽く羽ばたきながら俺の肩に戻ってきた。
見事などや顔している・・・。
「わ、分かった、もう十分だ。お前は強い、俺達と一緒に遺跡の魔物討伐に行こう」
「キャウ、キャウ!!」
俺がブルーの頭を撫でてやると思い切り胸を張っていた。
「本当、ブルーは凄いですね。」
「うん、これなら魔物も目じゃないよ!」
「そうだな、頼もしい相棒が出来たってことかな・・・。」
「キャウ――!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃、オーマ国の王宮の地下にて。
召喚師の長ライオネルは非常に困っていた。
先日召喚したはずの異世界の魔物の行方が分からないのだ。
召喚術は微妙な調整が必要で、少しでも失敗するととんでもない場所に召喚した者が転移してしまうのだ。
魔物は目の前に現れる寸前、輪郭まで見えていたのに、最後の瞬間にフッと消えてしまったのだ。
この世界に呼び寄せることが出来たのは間違いないが、何処に転移したのか全く分からない状態になってしまった。
「ライオネル、まだ魔物の行方は見つからないのか?」
「これは宰相リッチー様、現在サーチスキルを持つ者に捜索させておりますので、今しばらくの猶予をいただけないでしょうか?」
「うむ、せっかく勇者様の従魔として召喚した異世界の魔物だ、あの魔物を呼び出すのにどれだけの魔石を使用したか分かっているだろうな!」
「はい、勿論ですリッチー様。」
「そうか、それなら一刻も早く見つけ出すのだな、お前の首が繋がっているうちにな。」
「は、はいリッチー様。」
リッチーはそれだけ言うと地下室から出ていった。
ライオネルは全身から嫌な汗をかいていた。
「このままだと私の命が危ない・・・・一体どこに行ったのだ、力場を操る異世界の魔物『セイジュウ(青獣)』は――――――――!!!」




