狙われたブルー
ギルドに着いたのは5時半近かったので急いでリンさんの受付に向かった。
「あ、ゼントさん達じゃないですか、討伐した魔物の買取ですか?」
「はい、そうです。」
「それじゃあ、こちらの部屋にどうぞ!」
ん?なんで最初から解体場に通されるんだ?
「この辺を好きなように使って良いので、どんと出しちゃってください!」
リンさん妙にテンション高いな・・・。
「えーっとそれじゃあまずは」
「まずは・・・。」
なんで復唱してんの?
「ゴブモンキーの尻尾と魔石を16匹分。」
「がくっ」
なんでこけてんの?
「そして次は。」
「次は?」
いや、だからなんで復唱しているの?
「ゴブコングの尻尾と魔石を3匹分。」
「がくっ、がくっ」
なんでまたこけてんの?
「それじゃあ次は・・・。」
「ゼントさん、ちょっと待った。」
「え?何ですか?」
「いやこんなものじゃなくてもっと凄いものがあるでしょう、あの太くて長い物・・・ほら、あれですよ!あれ!」
なんか凄い期待をしているみたいだな・・・。
「太くて長い物・・・・ああ、あれね!はい分かりました。」
「これですね?」
俺はミュウが倒した『キングワーム 注1』を亜空間から取り出した。
ずもももも・・・・・・
注1:ビッグワームの進化系のAランクモンスター = 太さ50cm全長10mのミミズ
亜空間からキングワームを取り出すとリンさんが白目を剥いて気絶してしまった。
出せって言ったから出したのに、リンさんどうしたんだ。
ヴェルスがリンさんを抱き起して軽いヒールをかけている。
「はあ、はあ、はあ・・・ヴェルスさんヒールありがとうございます・・・ゼントさん!そんなグロいものじゃなくて似たようなサイズで赤とか黄色とかの綺麗なやつがあるでしょう・・・。」
「ああ、エル・スネークですか?最初からそう言ってくれればよいのに。ところでエルス・スネークがあるってなんで知ってるんですか?」
「はあ、はあ、『金の刃』の人達に聞いたんですよ・・・。」
俺は4匹のエルスネークを亜空間からどさっと出した。
「これ、これ、これよー!、ほとんど傷が無いこの美しい鱗!雷撃も弾くこの性能!最高の素材よねー!!」
あ、危ない目をしてエル・スネークにすり寄っている。綺麗な人だけど、かなり引いていしまう・・・。
既に解体場のかなりの面積を占めてしまっている。この広さだとファイアボーアとかキラーベアとか出せいないな。
「ゼントさん、魔物より魔石の事を話さないと。」
「あ、忘れていた。リンさん、ギルマスいますか?」
「・・・・」
「リンさ――ん!!」
「はい――!何でしょうか?」
「ギルマスいますか?」
「ギルマス?? また何か変なもの見つけたのですか??」
「ええ、まあ・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ギルマスの部屋にて
「ゼント君、今日は何かね?」
既にギルドの終了時間になっているせいかギルマスはほとんどやる気がない感じだ。
「また、魔石なんですが・・・。」
「ま、まさかまた巨大な魔石でも見つけたのか?」
魔石という言葉を聞いて、さっきまでのやる気のなさが消えてギルマスの態度が一変した。
「大きさは10cmぐらいですが、なんかヤバそうな感じの魔石が森中に30個ありました。」
「10cmが30個だと!十分ヤバいだろう!ヤバそうなというのはどういう意味だ?」
「出ている魔素の感じがヤバそうなんです。一つ出してみましょうか?」
「ああ、見せてくれ。」
俺は亜空間から変異E魔素を出す魔石を出して机の上に置いた。
「この紫色の石が魔石か?た、確かに禍々しいが魔力を感じるから魔石か。魔素が嫌な感じで体にまとわりついてくるな。」
「ええ、おそらくこの魔素は体内への吸収が通常の魔素より早いのだと思います。」
「・・・っ、ゴードフラウ街道にAランクの魔物が大量に出没するようになったのはこの魔石にせいか!」
「それで間違い無いと思います。近くに行くほどモンスターのランクが上がっていましたので。」
「この魔素を浴びていると気分が悪くなってくるのでしまってくれないか。」
俺は魔石を亜空間にしまった。
「はあ――、カーペンター氏の農場の次はゴードフラウ街道か・・・・ケイン(領主)と話をしてくるから少しここで待っててくれ。」
ギルマスは頭を抱えながら別室で領主様の所に電話を掛けに行った。
「ところで、ゼントさん、肩にとまっている青い鳥は従魔ですか?」
リンさんがやっとブルーに気が付いたようだ。
「この鳥は魔物のいる森で出会ったんだ。従魔じゃなく普通の鳥ですよ。ブルーっていうんです。」
「キャウ!」
「え、ゼントさんが紹介しているの分かっているみたいですね、賢い鳥ですね。それにこのこの綺麗な羽の色ときたら・・。」
「キャウ、キャウ!!」
褒められたのでブルーがどや顔をしている。
「本当!最高の素材じゃないですか――。」
「キャウ~~・・・」
うん、リンさんの目を見てブルーが震えているし・・・。
「なにー!それは本当か?アーシオ遺跡でもか!!」
隣の部屋からギルマスの大声が聞こえてきた。
「分かった、これからそちらに向かう。少し待っていてくれ!」
電話が終わり隣の部屋からギルマスが戻ってきた。
「ゼント君達、すまないが領主の館まで一緒に来てくれないか?ケインが話を聞きたいそうだ。」
「ここでノーとは言えないですよね?」
「ああ、そういうことだ。時間が遅いので夕飯は向こうで用意してくれるという話だ。リン、この話はオフレコにしてくれ。」
「はい、分かりました。」
既に6時半になっている。これから領主の館か・・・ちょっと面倒だな。




