ブルー
魔物の死骸を収納している時に落ちてきたのはグレーの色をした鳥だった。
「この鳥は収納されなかったということは生きてるんだな。」
近寄ってみると、大きさはカラスぐらいで、羽はグレーだが嘴は綺麗な青色だ。
生きてはいるようだけど、痙攣していて動けそうにない。
「魔物にやられたんじゃないか?」
「このままだと可哀想ですね。ヒールをかけてあげますか?」
「うん、そうしよう。」
俺がヒールをかけてあげようとすると。
(告:コノ鳥ハ変異E魔素ニ汚染サレテイマス。)
「え、変異E魔素?それじゃあ魔物になりそうなのか?」
(ソウデス。タダコノ鳥ハ魔物ニナルノヲ拒絶シテイルヨウデス。ソレデコノヨウニ痙攣シテ身動キガ取レナイ状態ニナッテイマス。)
「それじゃあ、コネクト、『魔素を操る者』を頼む!」
(了解!)
「ゼント何をする気だ?」
「ミュウ達と同じように変異E魔素をこの鳥から除去するんだ。」
俺がこの鳥に触れるとミュウ達の時と同じように光る霞のようなものが手で触った所からで始めた。
「こんな風に魔素を抜いていたんですね。」
「うん、不思議な光景だな。」
少しすると光る霞は消え、鳥の痙攣はなくなっていた。
「あれ?この鳥、羽も青いんだ。」
そこには羽も嘴も美しい青色をした鳥が横たわっていた。変異E魔素のせいでグレーになっていたのだろう。
「コネクト、この鳥はなんていうんだ?」
(ワカリマセン。)
「え? なんでお前が?」
(私ノデータバンク及ビ情報網ニハ、コノ鳥ニ該当スル種ハイマセン。)
「・・・てことは新種か?」
(新種、モシクハ転移シテキタ種ノ可能性ガアリマス。)
「なんですとー!」
「どうしたゼント!」
「何があったんですか?」
「いや、コネクトが言うにはこの鳥、新種か異世界転移してきたのかもしれないんだって。」
「「 え? 」」
「ステータス・オープン」
コネクト話をしていると、独り芝居しているみたいなので、皆に聞こえるようにしたのだ。傍から見てると変だしね・・・。
「コネクト、この鳥に近い種類もいないのか?」
「大キサト色カラスレバ『ローア鳥』ニ似テイマスガ、ローア鳥ノ嘴ハ黄色デス。系統的ニ合致スル種ガ無イコトカラ異世界カラ来タ可能性ガ高イト考エマス。」
「そんなバカな!」
(主モ異世界カラ転移シテキテイマスガ?)
「ま、まあそうだけど・・・俺のいた世界にはこんな鳥いなかったぞ。」
「別ノ位相カラ転移シテキタノデハナイデスカ?」
「ああ、確かに同じ位相とは限らないな。お、動いたぞ!」
青い鳥は一瞬体をびくっとさせてかと思うと目を開けた。
「大丈夫か?」
言葉が通じるとは思わなかったけど思わず声をかけてしまった。
鳥は、羽をじたばたさせて体を起こし、こちらをジッと見ていた。
「大丈夫だ、取って食ったりはしないから。」
「キャウ――――ン!」
鳥は一声上げたと思うと大空に飛び上がっていった。
「ちょっと変わった鳴き方だけど。元気になって良かった。」
「異世界から来た鳥を野放しにしちゃっていいのか?」
「まあ、俺も野放しだし。」
「それもそうだな。」
「それじゃあ、オナシティに戻りましょう。」
俺達が歩き始めると。
「キャウン!」
「ん?」
バサバサ。
「え? お前どうして?」
「キャ、キャ」
さっきの鳥が俺の肩にとまってきたのだ。
「お前、もしかして俺達と一緒に行きたいのか?」
「キャウン、キャウン!」
頭を縦に振りながら鳴いている。
結構頭が良い鳥なのか?
「お前一人なのか?」
「キャウ~ン」
「じゃあ、俺達と一緒に行くか?」
「キャウ――――ン!」
嬉しそうに飛び上がり、俺達の周りを飛び出した。
「皆いいよね?」
「ええ、とても可愛いですし。」
「ゼントが良いなら問題なし!」
「よし、それじゃあ名前を付けよう。お前じゃあ言いにくいしな。」
青い鳥はまた俺の肩に止まってきた。
「キャウンって鳴くから『キャウン』でどうだ?」
なんかすごく不満そうに首を横に振っている。
「それじゃあ、『キャ』は?」
さらに不満そうに首を横に激しく振っている。
「んーっとそれじゃあ、えっと青いから『ブルー』っていう名はどうだ?」
「キャウン、キャウン、キャウン!」
思いっきり首を縦に振っている。気に入ったんだね。
「ゼントさん、『ブルー』ってどういう意味ですか?
「俺のいた世界の英語という言葉でそのまんま『青』っていう意味なんだ。」
「ス、ストレートですね・・・。」
「気に入っているみたいだから良いんじゃない。」
「よし、今日からお前は『ブルー』だ!」
「キャウ――――ン!」
ブルーは嬉しそうに俺達の周りを飛び回っていた。




